第四部 第十章 エピローグ
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇ! お前、二階堂だったのか? 」
非常食さんが叫びだす。
「いや、二階堂だけど、次男だしなぁ」
和弘おじさんが困ったように答える。
二階堂の異常体質は何故か特に長男に顕著に現れる。
「いや、二階堂なら勝負しろぉぉぉぉ! 」
非常食さんが騒ぎだす。
「いやいや、非常食さん! 二階堂家の不死身体質は長男しか受け継がれないから! 」
雄二が必死になって止めた。
「そうよ、非常食さん。この人はただの人だから」
由宇も必死だ。
まあ、長男ほどじゃ無いけど、そこそこ不死身体質は受け継ぐんだけどね。
長男が凄すぎて、あまりインパクトが無いので、そう言われてるだけなんだがな。
「え? 非常食? 」
和弘おじさんが驚いて、非常食さんを指差した。
やばい。
ばれたら殺されてしまう。
誤魔化さねば。
俺と雄二がアイコンタクトで頷きあう。
「はい、困った時の非常食さんです」
だが、それより早く由宇が微笑み全開で答えた。
「「うぉおおぉぉおおおぉぉい! 」」
俺と雄二が叫んだ。
「ぷっ」
和弘おじさんがよりにもよって笑った……非常食さんの前で。
それと同時に和弘おじさんが宙を舞った。
非常食さんが怒ってフルスイングで殴ったからだ。
お弟子の護衛のエルフさん達は誰も動けなかった。
それほど素早い一撃だった。
「あらあら」
由宇が微笑んでる。
「「あらあらじゃねー!」」
俺と雄二が叫んだ。
「立てぇぇぇぇぇえ! 立ってかかって来おおおい! 」
非常食さんが叫ぶが、和弘おじさんは完全に気絶していた。
逆に二階堂家の体質が無かったら、恐らく一撃で死んでいただろう。
笑えねぇ。
「とりあえず、落ち着いてください! 」
俺が言いながら非常食さんを止めたら、また空と地面が交互に見えて木に叩きつけられた。
「もう、お前で良いわぁぁぁぁぁ! 」
立ち上がって来ないおじさんを見て、いらだったままの非常食さんが俺を見て叫ぶ。
「いやいや、休戦中でしょうがっ! 」
俺が止めたがまた宙を舞った。
そして、何度も何度も飛ばされる。
「いや、だから、止めましょうって言ってんのに」
俺が止めてるのに、また飛ばされた。
「あれが噂の二階堂さんか」
「すげぇ」
修験者の格好のエルフさんが俺を見て感動している。
「いやいや、タフなだけですから」
由宇が偉そうにほほ笑んで解説してるのにムカついた。
勘弁してくれ。
という訳で、俺達はまだ全然帰れてなかった。




