第四部 第九章 再会
「二階堂家の約束ってなんだ? 」
仙人さんが逆に質問して来た。
やはりこないだの連中とは違ったようだ。
「いや、こちらに迷い込んだ日の夜にこちらに話しかけて来た連中が居たんですよ」
俺が答える。
「人間の声とはちょっと違うような感じでした」
雄二も答えた。
「え? 迷い込んだ? 」
仙人さんが凄い顔している。
「ええ、地元の二階堂家の山でキャンプしてたら、こちらの世界に入り込んでしまって」
俺が頭を搔いた。
自分の山で迷うってのも少し恥ずかしいし話だし。
「えええええええ? 私を迎えに来たんじゃ無いの? 」
突然、仙人さんが叫ぶ。
「えええええええ? 」
俺も想定外の答えに驚いた。
「む、迎えに来たって? 」
雄二が聞いた。
「いや、私が居なくなって十年が経つんだけど、誰も二階堂家は探してないの? 」
仙人さんが異様な事を言った。
「私が居なくなってって……」
俺がじっと仙人さんを見た。
「嘘っ! まさか、和弘おじさん? 」
俺が驚いて叫ぶ。
十年前なんで良く分からなかっただ。
「え? すると君は……」
「達也です」
「マジかっ! 大きくなったなぁ! 」
凄い顔で和弘おじさんが驚く。
「うわぁ、こんなとこに居たとは……」
「え? 誰も知らないの? 兄貴が離婚した俺を慰めるって言って飲みに連れてって、そのまま勢いで山に無理矢理俺を連れて来たのに? 」
「親父は酔っぱらうと、その時の記憶は無いから……」
「知ってるけど、本当に忘れたのかよ! 嘘だろぉぉぉおおお? 山に良いコテージがあるからって兄貴に連れてこられたのに! 」
「ああ、入らずの山の後ろの山ですね」
親父が俺が子供の時に、後ろの山の景色が良いので自分用のコテージを作ったのだ。
恐らく、それに連れてこうとしたのだと思う。
「そうだよ。兄貴は酔っぱらってまともに歩けてなかったし。俺が支えてたら、突然、何か見つけて走って行っちゃって」
「ああ、何か、入らずの山にモンスターでも見つけたのかもしれませんね。親父、ああいうの大好きだから」
俺が困ったように答える。
「えええええ? 兄貴は覚えて無いの? 」
「ええ、全く」
俺が答えると、仙人……和弘おじさんはその場に崩れ落ちた。
「いや、親族が行方不明なら探しに来ないか? 」
まわりの修験者の格好のエルフが訝し気に聞いてきた。
「いや、二階堂家なら、そう言うのは探さないです。元気だろうで終わるんで……」
「だよなぁ。やっぱり、そうかぁぁぁぁ」
和弘おじさんが凄い暗い顔をしている。
「そうだよね。達也がどぶで大怪我した時も、家族はお母さんが後で病院に支払いに行っただけで、誰も気にして無かったもんね」
由宇が呆れた顔で呟いた。
「おおざっぱだもんな」
雄二まで呆れた顔だ。
「ああああああああああ! 」
和弘おじさんが叫んだ。
そういや、おじさんは二階堂家にしたら繊細だったとかって話だったもんな。
悲しい。




