第三部 第六章 トリプルアタック
「で、刀とか使っても良いんだよね」
雄二が山王に確認した。
「ああ、構わんぞ。俺も爪を使わせてもらう」
山王がジャキリという感じで爪を十センチ以上伸ばした。
まるでナイフの束みたいだ。
「分かった! じゃあ、トリプルアタックだ! 」
雄二が叫んだ。
「「は? 」」
俺と由宇が唖然とする。
「いや、漫画とかアニメであるだろ。三人で並んで連続攻撃みたいな奴」
「ああ、いろいろとあるな」
雄二の話で俺が頷いた。
「で、正面は誰なん? 」
「そりゃ、お前」
「当たり前でしょ」
雄二と由宇が冷やかに答える。
くそっ。
仕方あるまい。
とりあえず、俺と雄二と由宇が縦に並んで山王と相対する。
「ほほう、三連続攻撃か。面白い」
両手から爪を出して、山王が笑った。
「行くぞっ! 」
雄二の合図で俺達が突進する。
で、俺が宙を飛んだ。
今度は爪で斬られている。
そして、岩に当たった。
雄二と由宇は刀と鉈で斬りつけるも、山王が上手く避けて当たらないようだ。
あの図体でたいしたものだと言いたいところだが、由宇はともかく雄二なら斬れると思うのだが。
「よし、再度、トリプルアタックだ」
雄二が叫ぶので、仕方なく、また最初のように並んで突っ込む。
そして、俺が宙を舞う。
これを三回繰り返して気が付いた。
「ちょっと待てやぁぁぁ! 俺、単なる盾じゃん! 」
「そうだぞ」
「タンクってそういう役じゃ無いの? 」
雄二と由宇が冷やかに答えた。
「いやいやタンクなら、盾くらい持ってるだろうが! 何で盾が無いんだよ! 盾を持ってないタンクなんておかしいだろうがぁぁ! 」
「いや、鉈持って攻撃すれば良いのに」
由宇が呆れ顔をした。
「そしたら、投げられながら相手の関節捻るの無理だろう? 」
だから、ずっと投げられながらそれをやっていたのだ。
微妙に相手の関節を巻き込んで捻る。
人間なら壊れてるけど、山王はモンスターなんでうまい事効かない。
「じゃあ、我慢しなさいよ」
由宇が無茶苦茶言う。
「いや、そもそも、雄二ももっと斬りこめるだろ? 」
「山王さん、結構凄腕なんで、下手すると相打ちになりそうで入れんのよ」
「相打ちしろよっ! 」
「いやいや、お前みたいに不死身じゃ無いもん」
雄二も断言した。
「だからって、ずっと俺が攻撃食らってるんだぞ! 」
「「大丈夫だよ」」
「大丈夫じゃねーよ! 」
本当に糞だ。




