第三部 第五章 提案
「仕方ない。そちらは三対一でやる気はあるのか? 」
山王が由宇と雄二を見て聞いた。
「「ありません」」
即答かよっ!
「お前等仲間を助けようと思わないのか? 」
俺が雄二と由宇に愚痴る。
「いやいや、お前みたいに不死身じゃ無いし」
「お肌に傷が付いちゃう」
由宇が可愛い子ぶって答える。
「男もいないくせに」
俺が愚痴ると石を投げてきやがった。
「童貞に言われたくないわ! 」
「やかましいわ。処女は黙っとれっ! 」
俺と由宇が醜い言い合いを始める。
「すまんけど、虚しいから止めてくれん? 」
雄二が悲しそうに呟く。
俺達は俺達以外に友人もいないから当然彼女もいない。
だから、恋愛と言うものに夢とこだわりを持っている。
その辺は由宇とも同じだが、だからプロとかと童貞を散らすのはしたくないのだ。
決して、二階堂家の縁者にそういうソープランドの経営者がいて、やはり年に何人かは嬢が怖い病気になられて、その場合お金を渡して最初からいなかった事にするとか、そう言うのでビビったわけでは無いのだ。
医者が出す嬢が病気してない診断書なんて、金出したらすぐ書いてくれるよとか言うのでビビったわけでは決してない。
ただ、子供の時から夢を追い続けているのだ。
恋愛と言う名の夢を。
「いや、何を考えてるか分かるから、それも止めて」
雄二が悲しそうに俺に呟いた。
「ずっとお互い言い合ってたもんな。悲しい」
「いや、だから口に出すなやぁ! 」
雄二が叫ぶ。
「まあ、このままだと会社デビューまで、そのままだよね」
由宇が寂しそうに呟く。
「あ、酒飲んで、そのまま持ち帰りされる計画は止めろよ」
「俺もそう思う」
雄二の突っ込みに俺も続いた。
由宇は酔っぱらうと、当たり構わず、関節技をかける癖がある。
実際、関節を外されただけで無く破壊された奴もいるのだ。
持ち帰りなんかしたら、それこそ、家に猛獣を入れるようなもんだ。
恐るべし。
「いや、まあ、俺はどっちでも良いんだが。そろそろ結論を出してくれないか? 」
山王が呆れた顔で見ている。
せつない。
「まあ、しょうがないや。おれも手伝うわ」
雄二がしょうがなさそうに岩から飛び降りた。
「まあ、腐れ縁の仲間だもんね」
由宇も岩から飛び降りた。
「もう、腐ってるけど……」
由宇が真っ暗な顔で俯いて呟いた。
「「だから、やめてぇ! 」」
俺と雄二が叫ぶ。
こうして、三対一の戦いに変わった。




