第三部 第四章 決闘
「さあ、勝負だ! 待ちに待った戦いの始まりだ! 」
山王が叫びながら、その右手で俺を一閃した。
俺の目の前に空が見えたり地面が見えたりしながら空を吹っ飛んだ。
「ゴンッ」
そして、十メートルくらいある岩に激突した。
そして、静粛が流れる。
「あれ? 」
山王が困った顔をしている。
「ほらほら、起きてあげろよ。全然効いてないだろ」
「クマさんが困ってますよ」
雄二と由宇が囃す。
「あのなぁ! 」
せっかく、死んだふりをしようとしてたのに、邪魔すんなやぁ!
「おお、まさに伝承の通り。まさしく二階堂だ」
「どんな伝承なんだ? 」
「四代前の山王との戦いでは何度も何度も吹っ飛ばされたのに二階堂は全く平気で、三日三晩も投げ飛ばされて、とうとう四代前の山王が根をあげて引き分けで終わり。その後は兄弟のように仲良くなったと言う伝承だ」
「え? 三日三晩投げられないといけないの? 」
俺が衝撃を受ける。
「うはははは、わしは四日間は続けてやるわぁぁぁ! 」
山王が叫びながら俺をまた吹っ飛ばす。
今度は俺が木にぶつかって落ちた。
「こんなのきりが無いじゃん」
俺が愚痴るたびに空を飛んでいる。
そして、岩や木に当たる。
それを延々と繰り返す。
本当にきりがない。
「タフだなぁ」
「本当だ」
雄二と由宇が俺を見て感心している。
すでに三十回は投げられた。
「ねえ、提案。このまま持久走やっても仕方ないし、あの二人を参加させて三対一で戦わない? 」
俺が山王に提案した。
「ええええ? 」
「ふざけんなぁぁ! 」
雄二と由宇が叫ぶ。
「いや、だってきりが無いだろ」
俺がうんざりして答える。
「ちゃんとお前はいろいろやってるじゃん! 」
「そーだ、そーだ! 」
由宇と雄二が叫ぶ。
そうなのだ。
投げられながら相手の関節に微妙にひねりを入れて少しずつ壊していってんだけど、頑丈過ぎて時間が凄くかかりそう。
俺の切り傷も増えて来たし、しんどくなってきた。
「本気で、ここで四日も戦うの? 飯が無くなっちゃうよ」
俺が真顔で二人に言う。
「ああ、そうか」
「三日分くらいしか米とか貰って無いもんな」
由宇と雄二が呟いた。
「山王さんもさぁ、三対一で戦った方が格好良くない? 」
俺が山王に提案した。
「わしは一騎打ちがしたいのだがな」
「いや、だから、こちらの食糧が無くなっちゃうんだけど」
俺が必死に頼んだ。
こんなもん、無理だぁぁ。




