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凡人プロトコル  作者: 赤石ギルモブ
3/3

凡人のプロジェクト

「あきちゃん、ママですよぉ〜」


間延びした声が聞こえる。

視界は未だぼやけていて、その声の主を見る事ができないが、俺はこの声を知っている。

先程自分で言っていた通り、俺のお母さんだ。


後藤叶(ごとうかなえ)


俺のお母さんの名前で、俺の唯一の親である。

年齢は今現在で、たしか24歳である。

年の割にのんびりとした人で、ニートの俺にも愛情を注いでくれた、数少ない人物の1人だ。


唯一の親、つまりはひとり親で、お父さんの方は物心つく頃にはもういなかったので、気にしたこともない。


ひょっとすると、この時点ではお父さんにも会えるかもしれない。

しかし、お父さんと言うものを俺は知らずに生きてきて、不便に思ったことはなかった。

あるとすれば、会ったことのない、お父さんはどんな奴か気になる、そういった、純粋な好奇心であり、父の愛情が、とか、よくも俺を放置したな! とか、そう言った感情は不思議なほど沸いてこない。


まあ、その分、お母さんに可愛がってもらったから問題ない、だからお父さん、お達者で。


そう無駄思考していると、やはりあれは夢では無かったのだなと思う。


あれは夢じゃない、その証拠に俺の中には確固たる夢がある。

それは、凡人が何処までも進む夢、凡人が希望を掴む夢。

その夢の実現の為に俺は、今度こそ諦めない。


と言ったけど、赤ちゃんだし、どうするべきだ?

やっぱり目標とか決めるのが先決だよな。


まずは最終目的地を決めるとするか。

夢と言ってもまだ具体性があまりないんだよなぁ俺の場合は。

サッカー選手と野球選手とパイロットと消防車とユーチューバーと海賊王に俺はなる! なんて子供でも不可能だってわかる。


なら、1つに絞って狙い撃ちが妥当だろうな。

成功者とは人それぞれであるが、俺から言わせれば、全ての共通点としてお金を持っていて、なおかつ有名人である。

これが成功者の最低条件。


それは良いんだけど、金持ちで有名人になるって、これも漠然としすぎだよな。


そこまで考えて、死ぬ前に見たテレビを思い出す。

そこで映し出された、テレビ番組はちょうど、夏休みの人をターゲットとした歌番組で、日本の有名人アーティストを集めた生放送のライブだった。


歌か………わるくない!。

有名人になれば印税で金持ちになれて、さらに有名人になり、それまた印税でガッポガッポ。


俺の目的とも合致する。

それに、あの日、俺に夢を与えてくれたバンドグループに影響を受けているのは間違いないよな。

まあ、即断即決。

どうせ何をするにも、同じくらいの努力が必要なら、少しでも無駄な時間はなくす。

タイムイズマネー、時は金なり。

どこかの偉い人もそう言っていたし、目指すはミリオンヒットのオンパレード、使いきれない程の金を稼ぐ、ナンバーワンアーティスト!。


では、早速、アーティストになる為に何をするか、考えないとな………あれ? アーティストってどうやってなるんだ。


アーティストやアイドルなど、歌に関係する人をテレビで見た事はあるが、それがどう言った経緯でそうなったのかを俺は知らなかった。


多分オーディションとかに受かれば、いいと思うんだけど、オーディションって何やるの?

そもそもどうやって応募するの?


この圧倒的な無力感!、今まで俺は何をやっていたんだ! はい、自宅警備員でしたテヘペロ


落ち着け、ビークール、ビークール。

歌が上手くて、楽器が引ければ、プロになれる! きっとそうだ! 詳しい情報は外を動き回れる様になってからだ。


まずは、今できることをしていこう。

たしか赤ちゃんから幼少期にかけての人間の脳みそは誰もが天才だと、聞いた事がある。

つまりはボーナスタイム。


昔、いや、未来には、ピアノをやっている友達がいた。

その友達曰く、ピアノなどの指先の細かい動作を行うには、幼少期にどれだけやったかが、大切らしい。


取り敢えず、指を握ったり開いたり、それに慣れたら、指先のを一本ずつ曲げる練習、それに慣れたら、一本ではなく同時に何本か。

これを繰り返すことできっと指先は器用になるだろう。


次に歌だけど、これはまだ発音が上手くできないので、声を出す練習から、そして、喋れる様になったら次は英語の練習だ。

俺も音楽を多少なりとも聞いていたが、英語の歌詞をネイティブに歌える歌手はかっこよかった。

その為にはリスニングと発音に付き合ってくれる先生が欲しいところだけど、それについては心配いらない。

俺は幼少期を日本の中にある数少ない米軍基地がある所に住んでおり、小学校二年生で引っ越す事になる。

時間は限られているが、幼稚園の頃から割と周りにアメリカ人が多かった。

ならそこで友達を作り、英語を教えてもらう。

勿論、子供では不安があるが、その場合はその友達の親に教えてもらえばいい。

前世?では親の脛をかじっていたんだ、今世では友達の親の脛もかじってやりますとも!。


よし、当分のやることも決まったし。

まずは発声練習から、いまの俺の意思表明をこの夢へのプロジェクトの最初の一歩として。


あう、ううあうあ!(俺は成功者になる!)


「あらあら、あきちゃん、またおしめぇ?」


ママちがうよぉ………

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