ハムは散歩に出かける
今回はまゆみの飼い猫ハムの一日に注目ハムはどんな人と触れ合いどんな一日を過ごすのか
「ハムー、仕事いや~! ハムをもふもふしたいー!」
ハムはメス猫で、ゲリラ豪雨の時にまゆみに拾われた猫だ。
「でも仕事行かないと、あのたぬきになんて言われるか……」
まゆみは嫌々仕事カバンを持ち、ハムにキスをして出かける。
「ハム〜、エサはそこのから自動で出てくるからね〜! 行ってきます~!」
まゆみは階段を降りて行った。
◇
今回は、まゆみの愛猫・ハムに注目して、ハムの一日を見てみよう。
ハムはどんくさい猫で、まゆみに拾われてから1週間ほどが経つ。
朝7時、ハムは自動餌やり機からご飯を食べると、まゆみがいつも閉め忘れる窓から出て、散歩に出かけた。
だいたい、まゆみが帰ってくる時間には戻ってきている。
「あら〜、ハムちゃんじゃないの。相変わらずどんくさい顔ねぇ」
ハムに声をかけたのは、商店街で今では珍しい煙草屋をやっているお年寄りだ。
ハムに会うと毎回エサを食べさせるので、ハムは最近少し太ってきた。
「ハムちゃん〜、たーんとお食べ」
「にゃ〜!(ご飯美味い、ご飯美味い!)」
ハムがすごい勢いで食べていると、そこに煙草屋で飼われている猫のシュガーが出てきた。
「にゃ〜にゃ〜(ハム、あんた食べ過ぎよ。この私みたいなスリムな身体になれないわよー)」
「にゃ〜にゃ〜、シャー!(そうだね。でもこのご飯は美味いよ! だけどご飯は渡さん!!)」
ハムはご飯を食べ終えると、煙草屋のお年寄りにスリスリして、さらに散歩を続ける。
◇
駅前を歩いていると、見覚えのある人間を見つけた。
(にゃ~? にゃにゃ? にゃ!!)
(あれは誰だったかな……? ご主人がよく『竹内』って人間の写真を見てる時、幸せのニオイがするけど……あれは竹内ってやつかにゃ? うーん、竹内にゃ!!)
ハムは、食堂から出てきた竹内の後をこっそりついて行った。
「はー、まゆみ先輩はすごいよなあ。あんな人がお嫁さんだったらいいのに……」
竹内は公園のベンチに座りながら、空を見上げている。
「にゃ~」
ハムは、竹内に気づかれるように鳴いた。
「あっ、猫ちゃん! どうしたの、可愛いね。お散歩かな~?」
ハムは竹内の隣にちょこんと座った。
「にゃ~にゃ~、にゃにゃにゃ~?(竹内よ、我がご主人のことが好きなのは本当か? 幸せのニオイがするが?)」
「猫ちゃん、何言ってるかわからないけど……なんか質問かな? まあ、人間の言葉はわからないかもしれないけど、聞いてね」
竹内はぽつりぽつりと語り始めた。
「まゆみ先輩に初めて会った時は、すごい仕事熱心な人なんだと思っていてね。……可愛いなあとも思っていたよ。そこから一緒に仕事したり、昼休みにご飯を食べたりしてね。そこから『可愛いなあ』が、『好き』って感情になったんだ」
竹内は少し困ったように眉を下げた。
「だけど、まゆみ先輩がどう思っているのか気になっていてね……。もし私が一方的に好きだったら恥ずかしいし、告白して断られたらと思うと怖くてね……」
(うーん、これは両思いって気づいてないパターンだにゃね……)
ハムは心の中でそう思った。
「どうしたらいいと思う、猫ちゃん? 告白するか、しないか……」
「にゃ~」
ハムは励ますように、優しく鳴いた。
「猫ちゃん……ありがとう。こんな話を聞いてくれて。おかげで楽になったよ。頑張って糸口を見つけてみるよ。バイバイー!」
竹内はそう言うと、仕事カバンを持って颯爽と去っていった。
ハムはそんな後ろ姿を見送りながら、まゆみの家へと帰っていった。
お久しぶりでーす渡り鳥です久しぶりに書きました本当にお待たせしましたまた書く意欲湧いたら描きたいと思います




