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open the story 005 最終話

沢山並んでいる中に、僕も静かに並んでいる。店の中からは、にぎやかな声が聞こえてくる。グラスの音、笑い声・・・・。

新入生歓迎会、それは門出だろう。


しばらくして、戸が開いた。数人が室内から出てくる。


 「マジ、緊張したわっ」

 「先輩面白かったな」そんな声が弾んている。


その時僕はある音に気付いた。

コツコツ、カクカクゆっくりとした歩き方で急がない。

胸の奥がふっと温かくなる。


"この足音、間違えない、僕の持ち主だ"


足音が近づき、靴を探している気配・・・。


 「あっ、これだ」

小さな囁き。少し安心した声だった。次の瞬間足が入った。ゆっくり体重がかかる。


帰ってきた、この足に。僕も安心に包まれる。



僕は色んな足を知った。

 迷い足、泣き足、悩み足・・・・、どの足もそれぞれの人生を歩いていた。


靴はそのすぐ下でそのすべてを感じている。


持ち主は友達と歩いていた。持ち主とは違う人生を少しだけ知った。之はどこかでつながる道なんだと、こうして、戻れたからそう思う。


僕はただのローファーの靴だ。話すことも、道を選ぶことも、できないけれど、僕の経験値は増えた。


そしてこれからも、この足と一緒に歩いていく。

夜の道に足音が響いていた。


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