プロローグ 親愛なる小さな魔法使いへ
親愛なる小さな魔法使いへ
——昔々、イギリスには「魔導士」と呼ばれる魔法使い達がいました。
彼らは、魔法という不思議な力を使い、動物と話したり誰かの願いを叶えたりしながら、楽しく穏やかに生活していました。
しかし、戦争が始まると、魔導士達は敵国を殲滅するために利用されるようになったのです。
誰かを笑顔にするための魔法は、誰かを傷つけるための力に代わり、多くの人の命を奪いました。
しかし、それと同時に、多くの国民の命を守ったことも事実です。それなのに……イギリスの人々は、魔導士を恐れるようになりました。
やがて、魔導師の命を奪う魔導師狩りが始まり、多くの魔導師が命を落としました。
それを止めるために、1人の魔女が立ち上がりました。
彼女は、イギリス政府直属の魔導士狩り専門組織……Line of defense against magic──通称LODAMという組織の長官と交渉し、魔導師狩りを終わらせました。
その後、イギリス政府との約束で、武力を分散させるために、魔導士達は世界中に散らばります。
世界中の多くの人々は、魔法という力を怖がり、魔導師達を言葉や暴力によって傷つけました。
多くの魔導士が泣きました。多くの魔導士が苦しみました。
これから先も、そんな日々が続くかもしれない。でもね、忘れてはいけません。
魔法は、人を笑顔にするものです。
魔法を受け入れてくれる人もいるのです。
だから、全てを拒絶しないで。私の愛しい小さな魔法使いさん。
あなたの世界は、あなたが思っているよりずっと優しくて美しいのよ。
そのことを、どうか忘れないでね。
アリス・スチュワートより




