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・渇れた『腕』・

 「たったすけてくれ〜っ、!!」


 奴等に色々と突っ込みを入れるよりも前だった。アウトワーカー達が、飛び込んで来た。後ろからコミュニティの職員が追って来る。男達はーーおそらく『仲間』を抱えてた。



 なんだありゃ?




 担ぎ込まれた男の『腕』が、ミイラになってた。ーーーーー



 俺達は慌てて駆け寄った。近くで其れを見たーーが、何か『出来る』レベルじゃあーー無い。


 男はつらそうに腕を抱えてた。痛むのだろう。真青だった。こんな事出来る魔物バトラー…………いたか?不死アンデッド系にしちゃ異常だな…………………状態が可怪しいだろ………………片腕やられて、生きてるのもな。……………………何なんだ?



 「ごめんちょっとみせて。」


 俺の後ろから、例の美青年が言ったのだった。目が俺に退く様に語ってるな。……………やりよう無いだろ………………こんなの。可哀想だがな。


 「何する気だ? どうしようも無いぞ? それより『痛み』を『緩和』する方法を……………」


 「いいから『みせて』。」


 優男美青年の眼差しは、引かなかった。何だこいつーー瞳に怒気に似たものが孕んでた。



 「巧〜? 治せる~? その人『痛そう』だよ?」


 美少年の方が言った。ミイラ腕の男が、ちいさく唸った。



 その声を聞いて、優男美青年は俺を無理矢理退かしやがった。と、思う間も無くーーふっと『男』の『表情』がーー和らいだ。腕から自然と『腕』を退けた『男』は、自分の『腕』を『信じ難い』表情でーー見ていた。





 『治って』いたからだ。ーーーーーーーーーーーーーはあ?! 何でだ!



 「どう?『動かせ』る? 違和感無いかな? 『』と違って『未熟者・・・』だからさーー『ボク』。『上手く』せなくてごめんなさい。大丈夫?」



 優男美青年はそう言ったのだった。治療された『男』はーー初め信じ難いものを『みた』目をしたーーが、直ぐに表情を変えた。歓喜したのだ。



 言葉に為らない声で、『御礼』を言っていた。担ぎ込んだ仲間達も、漸くか事態を呑み込んだ様で、やはり礼の言葉を口々に囃し立てた。



 なのに優男は『上手・・く』治せて無いよーーと、恐縮した。「『完璧』じゃないから、くれぐれも『無理』はしないで。暫く『休んで』ね。」ーーそう言ったのだった。



 美少年が其の横で、『リュウニイちゃん居たら良かったね。』とーー言ったのだ。



 『兄』は、『その上』ーーだとーー?



 今の優男の『力量』ですら神業なのに、その『上』?



 どんな術士だよーーーー有名人かーーーー高名な奴かーーーー何方にしろ『優男』ーー此の美青年『達』の『名前』を聞いとく必要が在るなーーーー



 その時『マサル』が言ったのだった。



 「あの~、君達、『陽藍ヨウセイ』サンにーー『顔』がてるよね?」



 『関係者』かーー?と。



 は? 似てーーーー? ーーーーーる?ーーーーな、言われてみりゃ。先ず美形な所が。其処は疑いも無く。ーーーーーー確かに。




 彼奴の比率もオカシカッたが、コイツラも十分に『可怪オカシイ』ーーからな。




 美青年優男は顔をしかめた。そして言った。



 『は?』と。綺麗さが崩れる。が、それはそれでだ。




 「どうして『こんな場所』に、『お父さん』の『知り合い』が『いる』の? 貴方は誰? 父と『どういった』いですか?」



 美青年『優男』はマサルにそう言ったのだった。しかし、


 「あの……………では……………『リク』さんの……………?」


 ユリシアが言ったのだった。美青年へと。美青年優男は一瞬面食らったが、美少年の方が『あっ!』と言ったのだった。『わかった!』と。



 「『友理奈ユリナ』さんに!似てるんだ!」と、ユリシアを指して。



 「流石、」  「海君、」  「出た『友理奈』サン『マニア』w」  「はっ!俺出遅れ?!」  「加野、ーー競うな。諦めろ。」



 「海君、『ユリシア』さんだよ。巧さん、だそ~です。すみません先に言わなくて。」


 「あ、そういう事か。こんにちは、ユリシアさん? 僕は『華月 タクミ』と言います。陸の『弟』ですーー『兄』が『理解る』ーーという『事』は。ーー『父』か『コン』ーーあ~『ポンタ』と名乗ったかもーーしれませんが、何方かに『会った』ーーという事でしょうか? 」



 『違いましたか?』ーーーー優男美青年はそう言ったのだった。



 ユリシアは応えた。『はい』と。



 「『お二人』一緒でした。」と。そして、「又『来て』くださるーーそうです。」と。



 彼女は答えたのだった。俺が口を挟むより前に、



 「成る程。じゃ、やっぱり『もっと』『深刻』なんだ。」


 『タクミ』と名乗った優男が言ったのだ。そして、ポート・リーダーに向った。




 「申し訳ありません。手前勝手ですが、急いでいまして。此の子達の『合格』チップって、早急に用意していただく事って『可能』ですか? 無理なら諦めますが。出来れば『10分』以内・・で。」



 タクミとやらは、そう言った。ポート・リーダーは『?!』となった。『10分?!』と。



 『対処?!ーーいや、善処します!ーーっが!』と。タクミとやらは、『じゃあお願いします。で。』ーーと、頼んだのだった。そして、




 「海、『留守番』してて?」ーーーーーと言ってから、消えた。俺の目は点になったのだった。






 えたけど?





 「ちょっ、巧! ずっる。あ~も~」


 美少年がーー苦言していた。少年のひとりが言った。『海君カイクン』と、ーーーー




 「仲~間w」と。『カイ』と呼ばれた少年はーー「ーー嬉しく無い。」ーーと答えていた。





 ラッシュも職員もアウト・ワーカーの面々も『騒然』とする中、『彼等』だけはーー『冷静』だった。そして、何故かーー『ユリシア』も又。






 冷静だった。




 冷静じゃ無い『俺』は、『アウト・ワーカー』のひとりに、聞いたのだ。



 腕を『怪我・・』して駆け込み連れて来られた男にーーだ。



 『大丈夫なのか?』とーー男は答えた。『なんともない』ーーと。



 「痛みも無いし、『普通・・』に『動かせ』るーーただちょっと未だ『ダルい』だよーー」と。



 意味がーー理解らない。あの『状態』から『一瞬』でーーか?『木乃伊』だったんだぞ?干涸らびてたんだぞ?『』が。『』みたいにーーな。





 冷汗をかく俺に気付いてか気付かないでかーー美少年ーー『カイ』が言った。




 「お水『沢山』飲むと『良くなる』よ。出来れば『塩』と『糖質』入りの『ドリンク』だな。」と。そして『誰かスポドリ有る~?』~と、聞いたのだった。






 『スポドリ』って何だか説明しろや、美少年。後『ギャップ』どうにかしろ。おまえの話し方気合抜けんだよ。間延びするのやめろや、此の『美少年』。見た目にそぐわねーんだよ。




 緊張感が………………保てなかった…………………『スポドリ』とやらを『貰った』男は、………………………良い『飲みっぷり』だった。




 『スポドリ』って、『酒』か?ーーーーもしかして?ーーーーー気に為るわ。

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