表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/17

13

 見慣れない天井、見慣れない寝巻き。腕には点滴がつながれている。

 真っ白で清潔な病院のベッドの上に、私は寝かされていた。

 目を開けた私を見て母親が泣いた。父親は「よかった、よかった」と笑顔を見せた。

 窓の外には夕暮れの空が広がっている。私は修二に頭を叩きつけられて、しばらく意識を失っていたらしい。

「あんたの会社の上司だって人が頭を下げたわよ。息子のことはこれで勘弁してくれって、私たちに金を差し出して……だけど母さん言ってやったわ。冗談じゃない、娘をこんな目に遭わされて訴えてやるってね」

 母はベッドの脇でそう言った。私は修二のことを想って「やめて」と言った。

「私は自分の意志で彼の部屋に行ったの。逃げようと思えばいつでも逃げられたけど、私がそうしたかったからそこにいたのよ」

 母が私の、やせ細ってあざだらけの腕を怪訝そうに見つめる。

「とにかく今日は何も考えないでゆっくり眠りなさい」

 父は今まで聞いたこともない優しい声でそう言って、母と一緒に病室を出て行った。

 私はベッドの上で目を閉じる。

 修二のことを考えようと思ったけど、すぐに眠りに落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ