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怪しい儀式

卒業の日。


卒業式後にすぐ商人と結婚させられるルビアナについて行った。

本人から許可はもらっている。


商人男…ルドルフを初めて見たが、黒いフードを深くかぶっていた。

ルビアナを怖がらせないようにと言う配慮かも知れないが、タキシードにフードって。


アサシンか。


隙間から見えた顔はイボだらけ、首もイボだらけだが手は綺麗でアンバランス。


…苦労してきたんだろうなぁ。



地味めの結婚式が終わり、夕方。

ルビアナと商人男…もといルドルフと三人。

庭で水の入った金盥を囲む。


怪しい儀式w


こんな怪しい儀式をルドルフさんは許可してくれた。

良い人やん。


しばらく無言で円陣を組んでいたが、金盥に月が映り込みはじめたので機は熟した。



「さあ、ルビアナさん。やっちゃって下さいな」


ルビアナさんの喉がごくりと鳴った。


「気楽で大丈夫ですよ」


緊張でガチガチになっているルビアナさんに軽く声をかけた。


「はい、頑張ります」


そして、ルビアナさんは目を瞑り祈るように浄化の魔法を唱え始めた。

ルドルフさんにも目を瞑ってもらう。


そこでアイテム、真実の愛(笑)!

指環ぐらいの小さなピンクの石で月の光にキラキラと輝くそれを金盥に投げ入れ、すっと一歩下がる。


すると、金盥からキラキラと光の粒子が上がってくる。

その粒子はゆっくりと二人を包み込み始めた。


しばらくして、詠唱が終わる頃に粒子は解けるように消えていった。

多分、ルドルフさんの付けていたペンダントは粉々になったであろう。


目を開ける二人。

見つめ合うかと思いきや、二人してこちらを見てくる。


なんで?


「…ルドルフさん。怖いかもしれませんがフードを外してみて下さい」


私に言われ、恐る恐るといった感じでフードを外したルドルフさん。

そこにはイボがひとつもない綺麗な肌をしたイケメンがいた。

ルビアナさんもビックリ。


「ルドルフ様!お顔が!」

「呪いが…解けたのか…?」


自分の顔に触れるルドルフさん。


…金盥の水に映して見ればよいのに。


「君のおかげだ!」

「いえ、そんな事は…」


ルビアナさんの手を取り感激しているルドルフさん。

そんな二人に漂う空気に居た堪れなく、フェードアウトする事にした。




さて、おわかりいただけたであろうか。


結婚してから解呪させた理由。

それは、ヒロインもどきに後から手を出させない為。

結婚してしまえばこちらもの。



のんびり月を見ながら歩いていたら、侍女が何も言わずについてきてくれた。

裏口から帰宅。



軽く入浴し、着替えを済ませてぽすんとベッドに横になり、天井をぼんやり眺める。


…ミッションコンプリートはしたが、エンディングが流れるわけでもない。

このまま死ぬまで生きなければならない。


今まではキャラクターたちの幸せを考えて過ごしてきた。

これからは自分の将来について考えねば。

新たな目標とかを作るべきか?



見えない将来への不安を抱えながら眠りに落ちた。

閲覧ありがとうございます。

そろそろ完結します。

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