ヒロインもどきに埋もれたヒロイン
リタリィナ様が卒業後。
学園内を歩き回ったり、こっそり侍女(自宅にいる時はもれなく付いてくる)と街へ出たりした。
ちらほらヒロインもどきを見かけたが、攻略対象が学園からあらかた卒業したので大人しくなり各自身の振り方を考えているように思えた。
ある日、街の教会に行った時ヒロインもどきを見つけた。
教会の庭で子供達に絵本を読む彼女。
髪と瞳は薄いピンクで髪質にクセがあるのかふわふわしている。
ややタレ目でおっとりした感じ。
確か、おなじ男爵の位でルビアナと呼ばれていた気がする。
実は彼女の事はかなり前から気になっていた。
…たぶん、間違いないはず。
「こんにちは」
「ふわぁ!」
彼女に近づき声をかけたら驚かれた。
何故ビクビクしている?
「こ…こんにちは?」
おずおずと返答してくれた。
「はじめまして。セリーナと申します」
「は、はじめまして。ルビアナと申します」
「ちょっとお話ししても良いかしら?」
同じ学年だし、とりあえずお友達から始めてみよう。
子供達に許可をもらい、彼女を借りた。
教会の庭にあるベンチに座りしばらく話していると、同じ学園とわかってもらえたのもあり打ち解けられた。
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毎週教会で話をするようになってわかってきた。
彼女は隠そうとしているが、どうやら家での待遇が良くなさそうだ。
彼女の妹は華やかなお茶会などに参加しているが、彼女がそのような場に参加している話も聞かない。
実家から冷遇されているようだ。
たまにアザがある。
人づてに調べてもらったら、彼女の家はかなり借金がある。
なるほど。
商人に買われるエンドに繋がる理由がわかった。
商人エンド。
不細工な商人の男と多額のお金と引き換えに結婚させられる。
スチルでは悲しげな顔でドレスを着ていた。
…暗いシナリオだったから、ほぼほぼスキップしてゴメン。
とりあえず、本人が知っているか確認してみないと。
「ねぇ、ルビアナさん。学園卒業まであと一年もないけれど、卒業後のご予定は?」
「え、卒業後ですか?そう言えば昨日、お父様に卒業後は相手が決まってるから遊び歩かないで勉学に励めと言われました」
…なるほど。詳しくは説明されていないのか。
だが、商人と結婚するのは間違いはなさそう。
結婚相手の商人はそう悪くない。
商売上手で人当たりも良く性格も良い。
ただ、顔に出来物がたくさん出来ているため不細工とされ、そのせいで自分に自信がない。
だが、そこが狙い目だ。
「ルビアナさん。確か魔力判断テストで魔力を検出されてましたよね?」
「はい。3ぐらいでしたが魔力があるそうです」
よしっ!魔力あってよかった。
魔力は1〜10までの階級に分けられる。
10や9なんて幻レベルで居ないらしいので、3ならあるほうではないのかな。
うらやましい。
もっと胸張れば良いのに。
胸もかなりあるのだから。
…っと、いかん。
つい前世の目線で見てしまった。
「まぁ!3もあるなんて凄いですね」
「そんな事ないですよ」
手をパタパタと振って謙遜された。
「本当にうらやましいぐらいです。ちなみに何か魔法練習などはされましたか?」
「ええ、教会で役立てればと水属性と浄化を少しだけ追加授業で習っております」
「素晴らしいです!」
やった!浄化を覚えてる!
「ルビアナさん。貴方にお話したい事があるの。そして、一つ試していただきたいの」
はやる気持ちを抑え、彼女に伝える。
…やっぱり、本物のヒロインは彼女で間違いはなさそうだ。
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