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幕間 豊栄第日本帝国 概要説明

豊栄大日本帝国 政治・統治機構改革台帳(1942年現在)


0. 国体の根本法理(公武合体と大政委任)

帝国は、精神的権威である「京都朝廷」と、世俗的統治権力である「江戸幕府」の二重国体となっている。西洋的な立憲君主制や絶対王政とは完全に一線を画しており、「精神的・文化的権威(京都朝廷)」と「世俗的・軍事的な実権(江戸幕府・徳川宗家)」が、340年間一度も途切れることなく高度に調和・継続した二重国体(公武合体体制)を維持している。なお、元号は「豊栄」を公式な元号としているが、幕府関係者の間では江戸幕府開府を元年とする「府元ふげん」という和暦が用いられており、兵器等の正式名称はこの「府元」の年号を用いている。


◼︎ 精神的・文化的元首:京都朝廷(天皇)

天皇(天子)は天孫降臨以来の万世一系の血統であり、神聖不可侵なる帝国の霊的支柱である。地上の瑣末な政治闘争や、国際競争および覇権主義による拡張からは完全に超越した絶対崇拝の対象として京都御所に君臨する。国家の最高権威として「元号の選定(朝廷の勘申)」や位階勲等の授与を行い、帝国の不変の正統性を霊的に担保している。


◼︎ 大政の執政者:江戸幕府(徳川宗家)

徳川将軍家第十七代当主・徳川とくがわ 家正いえまさは、天子より「征夷大将軍」ならびに国政執行の長たる「太政大臣(内閣総理大臣・宰相)」に任じられ、帝国全土の政治・軍事・財政に関するすべての統治権を委任されている。対英自衛宣戦の打電もまた、天子より全権を委任された「徳川家正宰相」の署名によって初めて国際法理上の執行力を持つ。


◼︎ 親藩(徳川一門)における役割分担:御三家と御三卿 大政を委任された徳川将軍家(宗家)を支える絶対的藩屏である「親藩」も、決して無軌道に権力を貪る一枚岩の組織ではない。幕府は一門の血統に対しても、その家格によって「物理的な軍事力(外)」と「中枢の機密(内)」という冷徹極まる役割分担を課し、徳川内部での権力の暴走を防ぐシステムを構築している。


御三家(尾張・水戸・紀州)

尾張・水戸・紀州の御三家は豊栄大日本帝国の「物理的な藩屏(外の力)」として 広大な独立領地と莫大な富を有する、徳川一門の「武の象徴」である。江戸城の地下要塞や内閣といった中枢政治からはあえて距離を置き、水戸徳川家の重砲鋳造(水戸徳川造兵工機)や、尾張徳川家の巨大航空デベロッパー(葵航空工機)など、天領国軍を支える国策軍需産業のトップとして君臨する。強大化する外様財閥の武力・工業力に真っ向から対抗するための巨大な「重石」であり、帝国議会(諸侯院)においては親藩閥の重鎮として、外様の要求を物理力で牽制する役割を担う。


御三卿(一橋・田安・清水)

一橋・田安・清水の御三卿は「中枢の防人(内の力)」 として独立した領地や軍需企業を持たず、江戸城(またはその周辺)に居住して将軍家の「血のスペア」として機能する。領国経営の利権やしがらみを持たないがゆえに、一橋徳川家の徳川達道のように、「最高機密の管理」や「将軍直属の代理人(御側御用人)」として、幕府中枢(最高臨戦評議場など)の最深部に直接組み込まれる。国家の真の機密と意思決定のプロセスを、外様はおろか譜代大名にすら委ねず、徳川の純粋な血統のみで完璧に守り抜くための「中枢の防壁」である。


1、豊栄大日本帝国 中枢政治機構(1942年現在)

帝国の意思決定は、「国家」という巨大な資本を動かすための3層構造によって成り立っている。すなわち、方向性を決める「オーナー(評議場)」、それを近代法理で処理する「執行役員(内閣)」、そして巨大な富と武力を握る諸侯議員(旧大名)たちとの「利害調整(諸侯院)」である。


江戸城本丸跡の地下要塞に位置する、帝国の超法規的な最高意思決定機関。近代憲法の枠外にあり、行政の手続きを一切無視して「国家の命運(開戦や国家目標)」のみを決定する非公開の取締役会である。メンバーは純粋な親藩・譜代の重臣6名(六人執政閣)のみで構成され、内閣や官僚機構を完全にコントロールしている。


1. 【不可視のオーナー】幕府最高臨戦評議場(六人執政閣)

江戸城本丸跡の地下要塞に位置する、帝国の超法規的な最高意思決定機関。近代憲法の枠外にあり、行政の手続きを一切無視して「国家の命運(開戦や国家目標)」のみを決定する非公式の意思決定期間である。メンバーは純粋な親藩・譜代の重臣6名(六人執政閣)のみで構成され、公的機関である内閣や官僚機構を絶対的な権力でコントロールしている。


◼︎ 評議場総裁:徳川とくがわ 家正いえまさ 徳川将軍家(宗家)第十七代当主。

評議場の頂点として、最終的な大政の方向を決定する絶対的君主である。公式の顔としては「内閣総理大臣(宰相)」を務めるが、その真の力はこの地下要塞での「総裁」としての決断にある。イギリスの要求を呑めばデフォルトとなり巨大インフラを合法的書類で強奪されるという絶体絶命の危機に対し、法理と武力を冷徹に計算し、「開戦(ロンドン帳簿の物理的焼却)」を電撃内定した。


◼︎ 幕府大老(諸侯統制総覧):酒井さかい 忠正ただまさ 譜代筆頭・姫路酒井家当主。

将軍に次ぐナンバー2の地位を占める内政の巨頭。三百諸侯の領地境界の管理と、島津や毛利といった外様大名が私有する「快速陸戦隊(私兵)」の規模や武装を上から監視・統制する。公的機関である内務省や近代化された全国警察網を深淵から操り、白人スパイの動きや不穏分子を即時圧殺する治安の要でもある。


◼︎ 国家財務総監:水野みずの 忠徳ただのり 譜代名門・水野家当主。

島原の乱で松平信綱が敷いた「内なる火種を外の荒野で放熱する」冷徹な人的・資源循環のドクトリンを継承する、帝国全体のソロバンの総取締役。大蔵省や議会の予算編成の「台本」を密かに書く黒幕であり、各大名の利権が激突する帝国議会(諸侯院)を水面下の談判と帳簿の書き換えのみで完璧にハンドリングする。ドイツがロンドンを陥落させる直前に、将来の「対独戦支援」を非公然の条件として蘭印全域の合法的割譲をオランダ亡命政府に呑ませるなど、数十年先の地政学的変動すら見据えた財務と法理の天才である。


◼︎ 幕府特務・防諜総監:小栗おぐり 忠純ただずみ 幕臣・小栗家当主。

三浦按針から続く地政学的防諜の精神を継ぐインテリジェンスの最高峰。外務省の枠を超越し、黒田精機や竹中数理演算所が構築した二重暗号『紫式部』を運用して世界の電磁的空間を掌握する。ロンドンのイングランド銀行地下へ特務調役の鳥居を潜入させて債務原本を強奪・回収させた特務や、ナチス・ドイツの目すら欺く非公然の国際法理戦を隠密裏に単独指揮する。情報という不可視の兵器で帝国の生命線を死守する影の総監である。


◼︎ 御側御用人(最高機密総覧):徳川とくがわ 達道さとみち 御三卿・一橋徳川家当主。

家正宰相の側用人の近代化版にして、将軍の「スペア」でもある御三卿の筆頭。国家最高機密である「極秘台帳」を物理的に管理・秘匿する。将軍の口から発せられた超法規的な内命を、霞が関や、ジャワ海の小沢艦隊といった前線司令部へと伝達する。徳川の意思を、軍事・行政の物理的行動へと直接結びつける「神経伝達」の要。国家の真の機密は他者に委ねず、徳川一門の鉄の血統によって守り抜かれている。


◼︎ 京都朝廷奏聞弁理:松平まつだいら 容大かたはる 親藩・会津松平家当主。

19世紀の外圧と近代化の激動期において「京都守護職」として江戸と京都の結びつきを命懸けで護り抜いた忠義の系譜を継ぐ、世俗権力(江戸)と精神的権威(京都)を繋ぐ法理の紐帯。豊栄大日本帝国の「二重国体」を成立させる最重要人物であり、新元号の選定における朝廷への勘申手続きや、外洋での勝利の戦果を天皇(天子)へと奏上する役目を担う。幕府の冷徹な政治・軍事的決定に対し、万世一系の天子からの「正統性の大命」という絶対的な霊的承認を付与する、精神的権威の防人である。


2. 行政執行機関(徳川家正内閣)

永田町の首相官邸および霞が関に展開する公の行政府。地下の評議場が下した「開戦の最高意思」を受け取り、それを近代国家の公法(法律・予算・戦時勅令)へとハイスピードで書類化し、巨大な官僚機構と帝国全土の物理力を動かすための「執行役員会」である。閣僚ポストは親藩・譜代大名の当主、および家正宰相が特権的に認めた実務の怪物(幕臣・御用商人)のみで完全に固められている。


◼︎ 内閣総理大臣(宰相):徳川とくがわ 家正いえまさ 徳川将軍家(宗家)第十七代当主(評議場総裁兼任)。

【実務・役割】 地下の評議場で内定した「ロンドン帳簿の物理的焼却」の最高意思を受け、全閣僚へノーディレイで公文書化を命令。議会への法案提出の全権を握り、自らの筆で「対英自衛宣戦ノ大命勅令」に署名調印を執行した、法制上の最高責任者である。


◼︎ 外務大臣:井伊いい 直愛なおよし 譜代名門(彦根井伊家当主)

【実務・役割】 帝国の正統なる外交の顔。大英帝国に対する「対英断交公文書(事実上の最後通牒)」を、国際法理上の一点の隙もない美麗な外交文体で白白と起草する。この清廉な公式文書作成の裏面で、小栗忠純(特務防諜総監)が通信中枢をハッキングし、ロンドンで暗号原本を強奪するための時間を完璧に稼ぎ出した。


◼︎ 大蔵大臣:鴻池こうのいけ 善右衛門ぜんえもん大坂の特権御用商人の当主(評議場特権列席者)。

【実務・役割】 国家財務総監・水野忠徳が密かに書いた台本に基づき、天文学的規模の「第一期豊栄戦時臨時軍事費特別予算案」を数日間でソロバン編成する。各大名銀行の決済ネットワークへ指令を飛ばし、ロンドンへの利払いを即時凍結。浮いた現物金をすべて国内の軍需増産へと強制転換させる冷徹な財務書類を完成させた。


◼︎ 陸軍大臣:松平まつだいら 頼寿よりなが親藩名門(高松松平家当主・評議場平評議員兼任)。

【実務・役割】 正規国軍「伝習隊」35個師団の臨戦体制移行を命じる「戦時国家総動員兵力配置勅令案」を作成。多良加や呂宋マニラの永久要塞線に対し、水戸徳川重砲の即時装薬充填を命じ、同時に外様諸侯が私有する「快速陸戦隊(遊撃兵団)」を先遣隊として進発させる法的動員令を書類化した。


◼︎ 海軍大臣:かつ 芳明よしあき伝統的幕臣の系譜(勝海舟の直系・評議場平評議員兼任)。

【実務・役割】 横須賀小栗工廠を核とする幕府直轄の「第一艦隊(大艦巨砲派)」と、島津・織田らの外様が保有する「外洋機動航空艦隊(航空主兵派)」を一本の指揮系統に統合する「連合艦隊臨時合体組織令案」を作成。英国東洋艦隊(Z部隊)をジャワ海で殲滅するための「出師の準備命令」を全鎮守府へ発付した。


◼︎ 内務大臣:間部まなべ 詮信あきのぶ 譜代名門(鯖江間部家当主)。

【実務・役割】 天領および全藩領の治安を臨戦統制下に置く「戦時戒厳および主要港湾臨検令案」を起草。酒井忠正(幕府大老)の帷幄いあくの指揮のもと、近代化された全国警察網へ「即時拘束令状」を一斉発付し、開戦に乗じたキリシタンの残り火や労働争議、白人スパイの動きを即座に圧殺した。


◼︎ 司法大臣:太田おおた 資博すけひろ 譜代名門(掛川太田家当主)。

【実務・役割】 英国による国債担保接収条項を完全に無効化する「帝国資産防衛非常措置法案」を起草。外様大名が私有する海外資産や鉱山権益を「幕府が戦時保護・接収中である」と国際法上で偽装定義し、敵国からの書類上の差し押さえを徹底的に防護する強固なリーガル・シールドを構築した。


◼︎ 商工大臣:土井どい 利永としなが 譜代名門(古河土井家当主)。

【実務・役割】 各大名諸侯の物資・生産を国家の胃袋へ直結させる「国家総物資動員割当法案」を作成。毛利の原油、伊達の鉄、細川のゴム、そして岐州重工・葵航空工機の発動機や機体生産ラインに対し、「堺公差(標準規格)」に基づくネジ一本に至るまでの「戦時一元増産割当表」を帳簿上で完成させ、諸侯院での談判の土台とした。


◼︎ 逓信大臣:永井ながい 直達なおたつ 伝統的幕臣の系譜(永井尚志の系譜)。

【実務・役割】 黒田精機(筑前)の電磁通信ハードと竹中数理演算所の論理ソフトを統合管理する行政府の窓口。開戦と同時に全世界の海底電信ケーブルを一時切断し、帝国全土と大艦隊間を二重暗号『紫式部』で繋ぐ「戦時電磁通信管理令案」を書類化。家正宰相の開戦電報を前線へノーディレイで送出する実務を指揮した。


◼︎ 鉄道大臣:牧野まきの 貞亮さだすけ 譜代名門(笠間牧野家当主)。

【実務・役割】 本土の東海道幹線、および豊秋津島(豪州)を縦横に貫く数千キロの大陸鉄道網を軍事優先へ切り替える「全土鉄道網戦時非常運行管理令案」を起草。伊達の西秋津鉱山から港湾へ、資源を24時間ノンストップでピストン輸送する「竹中数理自動運行ダイヤ」を実務書類として現場ラインへ落とし込んだ。


◼︎ 文部大臣:柳沢やなぎさわ 保承やすつぐ 譜代名門(大和郡山柳沢家当主)。

【実務・役割】 若き血統を生産と戦地へ送り出す「豊栄開拓学徒戦時動員令案」を起草。初代家康・松平信綱以来の「内なる熱を外洋へ放熱する」ドクトリンを徹底した戦時教育指導要領を作成し、多良加の密林や豊秋津島の荒野へ赴く次世代の技術兵・武装開拓要員の思想的基盤を書類上で担保した。


農林大臣:酒井さかい 忠良ただよし 譜代名門(庄内酒井家当主)。

【実務・役割】 米英の経済包囲網を嘲笑う「帝国完全食糧自給割当令案」を作成。紀州徳川家(御三家)が率いる巨大アグリビジネス『紀州徳川兵糧本廠』の絶大な生産力を法的・帳簿的に統制し、本土の米穀統制のみならず、呂宋マニラや豊秋津島東部からの「戦時兵糧」の強制徴発・備蓄計画を立案。多良加や南太平洋の最前線へ10年分の兵糧を送り届ける兵站補給帳簿を完成させた。


3. 帝国議会・諸侯院

内閣が作成した予算案や法案を公式に審議・可決し、白人列強に対して「近代法治国家としての合法的決議(挙国一致)」の体裁を担保する立法調整機関。地下の評議場から閉め出されている外様大名たちは、この「諸侯院議員」の議席を最大の政治的闘争舞台としており、大手町の諸侯会館での水面下の談判(水野忠徳との帳簿相殺)による非公然の合意を経て、公式の議場で予算案を満場一致で即日可決する。


◼︎ 審議のメカニズムと非公然の合意

島津、毛利、伊達、細川といった外様財閥群は、中央の行政や軍の中枢から排除されているため、この議席を唯一の「合法的抵抗の場」としている。彼らは国家の戦費や軍事動員を承認する(国に協力する)ことと引き換えに、「自らの海外藩領に対する免税」や「私兵たる快速陸戦隊への兵器・予算の増額」を露骨に要求する。

この剥き出しの利害要求に対し、国家財務総監の水野忠徳が、大手町の諸侯会館で事前の「水面下の談判」を執り行う。外様が前線で獲得・維持した資源(多良加の原油増分や鹵獲品の接収権など)と、国家が拠出する戦費とを、非公然の帳簿の書き換えだけで冷徹に相殺・調整していく。

この密室の談判で完全に利害の合意が形成されると、親藩の松平慶民(諸侯院議長)が仕切る公式の議場では、一切の反対意見が出ることなく「戦時特別予算」が即日・満場一致で可決される。この圧倒的な根回しと利益配分のスピードこそが、諸侯連衡国家の強さの源泉である。


◼︎ 諸侯院の勢力図・議員内訳(1942年現在)

豊栄大日本帝国の「諸侯院」における議員総定数は343名。

議場における座席や勢力図は、近代的な政党ではなく、1600年の関ヶ原の因縁と血統に基づく「藩閥はんばつ」によって完全に分断されており、これが予算審議における激烈な利害衝突を生み出している。


1. 諸侯議員(各大名当主):計 293名 各大名の当主がそのまま自動的に議席を持つ、文字通り「三百諸侯」の系譜を引く議員群(特命一万石格となった竹中家を含む)。


◼︎ 親藩(一門)閥:28名

主な議員:徳川義親(尾張徳川家)、徳川圀順(水戸徳川家)、徳川頼貞(紀州徳川家)、松平頼寿(高松松平家)、松平康昌(越前松平家)、徳川達道(一橋徳川家)、松平容大(会津松平家)など。

スタンス:将軍宗家の絶対的藩屏。水戸の「巨砲」、尾張の「翼」、紀州の「兵糧」という国策産業を牽引する御三家を筆頭とし、陸軍(伝習隊)の重防御ドクトリンを強く支持する保守本流。一橋家や会津松平家のように、地下の評議場に直結する中枢の防人も内包しており、議場においては強大化する外様の要求を圧倒的な物理的・政治的重圧で牽制する役割を担う。


◼︎ 譜代閥:144名

主な議員:井伊直愛(彦根井伊家)、酒井忠正(姫路酒井家)、水野忠徳(水野家)など。

スタンス:「最高臨戦評議場」の実務メンバーや内閣閣僚を輩出する中央官僚の母体。天領の防衛と標準規格(堺公差)の維持を最優先とし、議場では常にキャスティングボートを握る最大勢力。


◼︎ 外様閥:121名

主な議員:島津忠重(薩摩島津家)、毛利元道(長門毛利家)、伊達興宗(陸奥伊達家)、細川護立(肥後細川家)、鍋島直泰(肥前鍋島家)、織田信恒(美濃織田家)など。

スタンス:海外領土(豊秋津島や多良加)に広大な独自の版図を持つ「巨大重工業財閥(独占資本)」の連合体。中央の政治・軍事中枢から排除されている彼らにとって、この議席は唯一の「合法的抵抗の場」である。戦費承認と引き換えに実利を幕府へ吞ませるための、最も獰猛な圧力団体として機能させている。


2. 特任議員(大名以外の国家勲功者):計 50名

大名(1万石以上)の血統ではないが、帝国の近代化や外洋放熱(棄民・開拓政策)、および近代金融に多大な貢献のあった家系から、将軍の内命と朝廷の勅許によって特権的に議席を与えられた議員。

伝統的幕臣の系譜:小栗忠純(小栗家)、勝 芳明(勝家)、榎本武英(榎本家)など。

特権御用商人の系譜:鴻池 善右衛門(鴻池家)など。

スタンス:実務のプロフェッショナル集団。各大名の身分的なエゴのぶつかり合いを、小栗の防諜、鴻池の算盤、勝の海軍実務といった「物理的な実力」で調停・ハンドリングする。


◼︎ 主要列席議員・議事進行役

諸侯院議長:松平まつだいら 慶民よしもと

親藩・諸侯の上層議会を差配。大手町での密室の合意を永田町の公式議場へと引き継ぎ、予算案を即日満場一致で可決させる。


国家財務総監:水野みずの 忠徳ただのり

評議場より差遣 大手町の諸侯会館にて非公然の極秘台帳を武器に諸侯院議員(外様大名当主)たちへ水面下の談判を行い、公式議場での可決を密かに担保する。


諸侯院議員(薩摩島津家当主・西国重工総帥):島津しまづ 忠重ただしげ

有力な外様大名議員として、自らの私兵(快速陸戦隊)や兵器供給の拠出と引き換えに、藩領の経済主権を死守する法理を盾に予算案へ賛成票を投じる。


諸侯院議員(長門毛利家当主・防長石油総帥):毛利もうり 元道もとみち

大名議員の巨頭として、多良加の原油供給権を背景に幕府の財務査定と対峙し、非公然の合意のうえで予算可決に賛同する。


諸侯院議員(陸奥伊達家当主・奥州鉱業総帥):伊達だて 興宗おきむね

豊秋津島の上流資源供給を代表する議員として、戦時特別予算案の合法的承認(賛成投票)に加わる。


諸侯院議員(肥後細川家当主・南海殖産総帥):細川ほそかわ 護立もりたつ

全軍の足回りを握る大名議員として、挙国一致の公式な体裁を整えるための可決プロセスを支える。


諸侯院議員(肥前鍋島家当主・佐賀精密機械総帥):鍋島なべしま 直泰なおやす

標準規格化を推進する技術派の大名議員として、議会での予算承認を主導する。


諸侯院議員(美濃織田家当主・岐州重工会長):織田おだ 信恒のぶつね

海軍の翼を供給する外様雄藩の議員として、尾張徳川家(親藩の葵航空工機)との競合を公式議場でもにじませつつ、対英開戦の合法的議決に加わる。


◼︎ 帝国情報通信産業の勃興を担う両雄(外様議員)

諸侯院議員(筑前福岡藩主・黒田精機総帥):黒田くろだ 長礼ながみち

外様有力諸侯(52万石)。「通信機械躯体ハードウェアの黒田」と称される。佐賀精密機械の超精密加工をベースに、電磁真空管、大容量銅線ケーブル、無線通信用アンテナなどの物理的回路製造を独占。帝国の神経網となる電磁通信インフラを物理的に供給する。


諸侯院議員(美濃岩手藩主・竹中数理演算所主):竹中たけなか 重明しげあき

国策特命により一万石格に列せられた「論理数理命令ソフトウェアの竹中」。始祖・竹中半兵衛の戦盤数理(未来予測)の系譜を電磁自動算盤へと転化。黒田精機が削り出す通信回路を制御・運用するための「論理命令アルゴリズム」や「運行制御数理」の供給を独占。小栗家の防諜局と組み、暗号『紫式部』の論理ロジックを水面下で記述した帝国の脳髄。


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豊栄大日本帝国 最上流五大名門財閥・企業リスト

下流の各軍需メーカーや地方の下請け網(巨大生産流通網)をその巨大な資本力と資源コントロールによって支配し、米英の資源に依存しない「ブロック経済」を成立させている帝国の最高頂点「五大名門財閥」、およびそれらを法理とソロバンで統制する「幕府・天領系特権統制資本」の総覧である。


Ⅰ. 五大名門財閥(外様系資本)


幕藩体制という封建制度を維持したまま産業革命を成し遂げたこの国において、かつて領地を治めていた西国や雄藩の大名たちが、その莫大な富と権力を近代的な重工業財閥へと脱皮させた異形の怪物たちである。


【上流:資源採掘・独占部門】

1. 伊達家:『奥州鉱業』

総帥:伊達興宗(陸奥伊達家当主)

本拠地:陸奥国仙台 / 豊秋津島(豪州)西秋津ピルバラ

支配領域:鉄鉱石、石炭、ボーキサイト、ニッケル、レアメタル

財閥概要:豊秋津島(豪州)の大地から無尽蔵に出土する重工業資源の、採掘・初期流通を完全に掌握する資源の巨頭。中堅の上杉製作所などを傘下に収め、帝国全土の戦車、重砲、戦艦に使用される「鉄」の絶対的な供給源である。


2. 細川家:『南海殖産』

総帥:細川護立(肥後細川家当主)

本拠地:肥後国熊本 / 南太平洋保護領

支配領域:最高級天然ゴム、南太平洋諸島資源

財閥概要:南太平洋から東インド諸島に及ぶ広大な熱帯領土から産出される最高級天然ゴムを独占する。下流の「細川ゴム工業」を直卒し、自動車化突破を支えるタイヤから、戦車の無限軌道パッド、艦艇の防弾燃料タンク用シールに至るまで、「軍隊の足回り・密閉技術」の生殺与奪の権を握る。


【中流:精錬・化学工業部門】

3. 毛利家:『防長石油・防長化学』

総帥:毛利元道(長門毛利家当主)

本拠地:長門国萩 / 多良加直轄領(タラカン油田)

支配領域:原油精錬、100オクタンガソリン、新型高爆速火薬、基礎化学原料

財閥概要:帝国固有の領土であり最大のエネルギー心臓部である「多良加タラカン」の密林にそびえ立つ、近代的な巨大原油精錬プラントを独占。精製なしでそのままディーゼル燃料に使える軽質油から、航空機用の100オクタンガソリン、さらには天領の「青山火薬」や中堅の「池田化学」へ供給する爆薬の基礎ケミカル原料までを完全に支配する、帝国の「血液」の管理人。


【兵器製造部門】

4. 島津家:『西国重工』

総帥:島津忠重(薩摩島津家当主)

本拠地:薩摩国鹿児島 / 豊秋津島南天カルグーリー

事業領域:大和型戦艦、装甲空母『大鳳』、重巡洋艦を始めとする大型艦艇、長距離(伊号)潜水艦、巨砲、重戦車

財閥概要:棄民たちの血の歴史が産んだ、帝国最大の重厚長大兵器デベロッパー。南天カルグーリーの大金鉱床から得られる無尽蔵の現物金ゴールドの富を背景に、欧米列強を畏怖させる巨艦・巨砲を組み上げる。天領海軍の主力艦建造は、この島津のドックなしには成立しない。


5. 鍋島家:『佐賀精密機械』

総帥:鍋島直泰(肥前鍋島家当主)

本拠地:肥前国佐賀 / 長崎

事業領域:高度油圧兵装、工作機械、輸送機械、近接戦闘兵器、自動小銃、光学測距儀、通信機器

財閥概要:幕末の長崎テクノロジーを純粋進化させた精密加工の覇者。天領海軍の巨砲を動かす油圧兵装、工業のマザーマシンである工作機か、近代戦に欠かせない輸送機械。そして快速陸戦隊の火力を支える自動火器を独占製造する。堺の商工組合と組み、ネジ一本から規格を標準化する「ソロバン式コモン・プラットフォーム」の仕掛け人でもある。


Ⅱ. 幕府・天領系 特権統制資本(金融・法理の番人)

五大財閥が物理的な資源と製造を支配する一方で、国家全体の資本を中央集権的に一箇所へ集中させる「近代的な中央銀行制度」を持たない帝国の弱点を、特権的な法理計算と「帳簿の操作」で補う、徳川宗家直轄の統制階級。


最高財務査定官室(水野家資本)

役割:戦費調達・財閥間利権相殺(ソロバン統制)

概要:五大財閥の出資比率を監視し、天領国軍が消費した戦費と、外様財閥前線で獲得・維持した資源(多良加の原油増分や豊秋津島のインフラ免税など)を、裏帳簿の書き換えだけで相殺・処理する帝国経済の絶対推移のコントローラー。


外務防諜局(小栗家資本)

役割:海外シード・テクノロジーの買収、二重暗号『紫式部』管理

概要:小栗上野介の系譜。ロンドンのシティで起債した「ポンド建て国債」の担保接収条項から多良加や豊秋津島を守るため、国際法理戦を裏で指揮。横須賀小栗工廠などの国策インフラの資本も握る。


鴻池・大坂金融工作所(特権御用商人)

役割:国内藩札・小判の流動性管理、外貨ポンド代替現物のファイナンス

概要:各大名の金庫に唸る米や小判、藩札といった国際市場で通用しないローカルな富を、豊秋津島から産出されるゴールド(現物金)とリンクさせ、強引に「ポンド決済」の代替信用として機能させていた幕府御用商人。ロンドンから原本を強奪した今、次なる国際通貨覇権の帳簿構築を目論む。


豊栄大日本帝国 総合軍需企業録(1942年版)

かつて「最上流五大名門財閥」「海軍デベロッパー」「軍需メーカー」「生産拠点台帳」などに分散していた記録を統合し、帝国を支える巨大軍需企業群の全容を記す。

Ⅰ. 幕府・天領・親藩・譜代系(国家資本・重防御ドクトリン)

重厚長大、永久要塞、正面粉砕ドクトリンを支える国策巨大資本群。徳川天領の国策拠点を核とし、製造コストよりも絶対的な堅牢性と信頼性を重視し、国家の威信をかけた兵器製造を担う。


横須賀小栗工廠(幕府直轄天領) 【本拠地・生産拠点】 相模国横須賀

【管轄・主導】 外務防諜局(小栗家資本)/海軍造船造機部

【主要分野】海軍・造船:超大型主力戦艦(大和型など)の建造、艦載用大型高圧蒸気タービン、海軍造船総統括

【特徴・概要】幕末に勘定奉行・小栗上野介が礎を築いた横須賀製鉄所を起源とする、帝国最大にして最高権威を誇る国策海軍工廠。現在は二重暗号『紫式部』を操り国際法理戦を裏で指揮する外務防諜局(小栗家資本)の管轄下にあり、天領の重厚長大ドクトリンを象徴する聖地として君臨する。大和型戦艦をはじめとする主力艦の船体設計および組み立てを独占しており、深部で唸る超精密な「小栗式高圧ボルト・タービン」の製造も一手に引き受ける。一方で、極端な自前主義には陥らず、電子兵装は筑前の黒田精機、光学系は肥前の佐賀精密機械(鍋島家)から買い付けるなど、外様の最先端技術も冷徹な合理主義のもとに取り入れている

水戸徳川造兵工機[水戸徳川家] 【本拠地・生産拠点】 常陸国水戸

【管轄・主導】 親藩・御三家

【主要分野】陸海軍・重砲:陸軍大口径重砲(150ミリ重加農砲等)、要塞砲、46センチ(18インチ)級超大型艦砲、大口径徹甲弾、装甲用特殊鋼

【特徴・概要】 幕末の水戸反射炉の伝統を濃密に汲む、帝国最大の「火砲の巨人」。マレー戦線で英軍のコンクリート陣地を土砂もろとも粉砕した陸軍の150ミリ重加農砲のみならず、天領海軍の象徴たる大和型戦艦群の「主砲」の鋳造を完全に独占する。水戸の超大型反射炉から生み出される砲身の強靭さは、白人列強からも畏怖の対象となっている。鋼材の粗原料は伊達家(奥州鉱業)の豊秋津島鉱山から買い付け、自家の重工業技術で精錬する。さらに、備前の池田化学と共同開発する新型爆薬と組み合わせることで、敵陣地を正面からすり潰す絶対的な破壊力を提供する。


越前松平重工業[越前松平家] 【本拠地・生産拠点】 越前国福井

【管轄・主導】 親藩

【主要分野】

陸軍・特殊:戦車車体、重装甲板、国策重機

【特徴・概要】 徳川宗家からの直接出資を受け、陸軍戦車製造の元請けを担う親藩名門。マレー電撃戦の渡河作戦で活躍した九七式中戦車改や、次世代中戦車の極厚圧延防盾など、強固な装甲と車体の製造に特化している。特筆すべきは、心臓部となるディーゼルエンジンを自社開発にこだわらず、外様である加賀の前田発動機に完全に依存している点である。幕府の堅牢な鉄と外様の速度を融合させる、この柔軟な経済的合理性こそが、天領国軍(伝習隊)の進撃を支えている。


葵航空工機[尾張徳川家] 【本拠地・生産拠点】 尾張国大江・大幸・三河工廠

【管轄・主導】 親藩・尾張徳川家

【主要分野】

陸軍・航空:陸軍主力戦闘機、重襲撃機の機体および翼体、防弾鋼板架装、大馬力発動機

【特徴・概要】 尾張国を単独領地として支配する尾張徳川家が大本拠に直卒する、天領国軍(伝習隊)の「空の盾」を担う巨大航空デベロッパー。大江や熱田の湾岸工場で巨大な陸軍機の最終機体組み立てを行い、大幸のラインで精緻な大馬力発動機を自社製造する。隣国・美濃の織田家(岐州重工)が追求する軽量・高運動性能に真っ向から対抗し、越前松平の防弾鋼板や細川ゴムの防弾タンクを大江のラインで強引に詰め込んだ、質実剛健で被弾に強い「重防御の翼」を量産する。伊勢湾と木曽三川を挟んで激しく技術と予算を競い合う「中京・濃尾航空産業圏」の片翼を担っている。


井伊銃器[井伊家] 【本拠地・生産拠点】 近江国彦根・国友小火器工廠

【管轄・主導】 譜代大名

【主要分野】

陸軍・歩兵銃:ボルトアクション制式小銃(三十八年式小銃など)、精密狙撃銃、次世代自動小銃

【特徴・概要】 伝統的な近江国友鉄砲鍛冶の強固なネットワークを近代化した、帝国小火器の総本山。職人気質の銃工たちが極限まで精度を調整した三十八年式小銃など、伝習隊の「不敗の小銃」の元請けであり、すべてここで最終調整され、厳格な検収を経て江戸へ送られる。現在は、外様である鍋島家(佐賀精密機械)および和泉堺の商工組合と組み、ネジ一本からの規格統一を目指す「鍋島・堺・井伊プロジェクト」を主導。次世代自動小銃の共通規格化という巨大な転換点においても、確固たる主導権を握っている。


青山火薬工機[青山家] 【本拠地・生産拠点】 摂津国大坂(大坂国策造兵工廠)

【管轄・主導】 譜代名門・青山家

【主要分野】

陸海軍・火薬:無煙火薬、砲弾装薬、艦砲用大威力主装薬、九九式手榴弾、艦載酸素魚雷用推進剤、各種機雷火薬

【特徴・概要】 「天下の台所」から「東洋一の火薬・兵器工廠」へと脱皮した大坂国策造兵工廠の心臓部を握る、譜代系の巨大火薬工廠。陸軍の陣地遅滞防御に欠かせない手榴弾や各種信管用の装薬から、海軍の各種水雷・艦砲用大威力主装薬、さらには酸素魚雷用推進剤に至るまで、帝国全軍が消費する爆薬・弾薬の最終組み立てを一手に担い安定量産する。化学原料は、多良加タラカンの原油利権を独占する毛利家(防長化学)の巨大な石油化学サプライチェーンから絶え間なく供給を受けている。


Ⅱ. 五大名門財閥(外様系巨大独占資本)

幕藩体制という封建制度を維持したまま産業革命を成し遂げたこの国において、かつて広大な領地を治めていた西国の雄藩たちが、その莫大な富と権力を近代的な重工業財閥へと脱皮させた異形の怪物たち。米英の資源に依存しない「完全独立ブロック経済」を成立させる、帝国の物理的な心臓部である。


奥州鉱業[伊達家] 【本拠地・生産拠点】 陸奥国仙台 / 豊秋津島(豪州)西秋津ピルバラ 【管轄・主導】 外様名門・伊達家

【主要分野】

上流資源・鉄鋼:鉄鉱石、石炭、ボーキサイト、ニッケル、レアメタルの採掘および初期精錬

【特徴・概要】 豊秋津島(豪州)の過酷な大地から無尽蔵に出土する重工業資源の、採掘と初期流通を完全に掌握する資源の巨頭。帝国全土の戦車、重砲、大艦隊に使用される「鉄」の絶対的な供給源であり、親藩である水戸徳川造兵工機の巨大反射炉へも粗原料を独占供給する。広大な西秋津ピルバラの鉄山防衛と開拓のため、傘下の中堅企業「上杉製作所」に不整地用の多軸快速装甲車などを製造させている。欧米の禁輸措置を無力化する「持てる国」の根幹を支える巨大資本である。


南海殖産・細川ゴム工業[細川家] 【本拠地・生産拠点】 肥後国熊本 / 南太平洋保護領 【管轄・主導】 外様名門・細川家

【主要分野】

上流資源・特殊化学:最高級天然ゴムのプランテーション経営、熱帯用特殊耐油タイヤ、戦車用無限軌道パッド、防弾燃料タンク、油圧カタパルト用高圧パッキン

【特徴・概要】 南太平洋から東インド諸島に及ぶ広大な熱帯領土から産出される、最高級天然ゴムの利権を独占する。単なる原材料供給に留まらず、下流の「細川ゴム工業」を直卒することで、マレーの泥濘を数十キロの速度で走破するトラック部隊の特殊タイヤや、航空機の生存性を飛躍させる防弾燃料タンク用シール、さらには空母の重い油圧カタパルトを作動させるための超高圧パッキンに至るまで、「軍隊の足回りと密閉・耐圧技術」の生殺与奪の権を完全に握っている。


防長石油・防長化学[毛利家] 【本拠地・生産拠点】 長門国萩・下関 / 多良加タラカン直轄領 【管轄・主導】 外様名門・毛利家

【主要分野】

中流化学・燃料:原油精錬、100オクタン航空ガソリン、新型高爆速火薬、潜水艦用高張力特殊鋼(毛利重金属)、基礎化学原料

【特徴・概要】 帝国の固有領土であり最大のエネルギー心臓部である「多良加タラカン」の密林にそびえ立つ、近代的な巨大原油精錬プラントを独占。航空機の怪物的な運動性能を支える100オクタンガソリンから、英戦艦の装甲すら紙のように引き裂いた新型高爆速火薬までを量産する。さらに天領の「青山火薬工機」や備前の「池田化学」へ爆薬の基礎ケミカル原料を安定供給し、帝国の全軍需産業と大艦隊の「血液」の循環を支配している。給油艦部隊への洋上補給網構築や、糧食艦『間宮』への巨大冷凍設備の提供なども担う。


西国重工[島津家] 【本拠地・生産拠点】 薩摩国鹿児島・佐世保 / 豊秋津島南天カルグーリー 【管轄・主導】 外様名門・島津家

【主要分野】

海軍造船・重機械:超大型艦艇(装甲空母『大鳳』等)、長距離潜水艦(伊号)、重巡洋艦、快速駆逐艦、重戦車、工作艦(明石型)

【特徴・概要】 棄民たちの血の歴史が産んだ、帝国最大の重厚長大兵器デベロッパー。南天カルグーリーの大金鉱床から得られる無尽蔵の現物金ゴールドを背景に、欧米列強を畏怖させる巨艦を組み上げる。天領の横須賀小栗工廠と並び、帝国海軍の主力艦建造の一翼を担う。装甲空母の強靭な飛行甲板の圧延や、地球を半周する隠密潜水艦の深海潜航技術において世界を凌駕する。自前の私費で「第一機動陸戦旅団」などの快速陸戦隊を編成し、マレー進攻や南太平洋での拠点強奪をも直接実行する、軍産複合体を地で行く獰猛な海洋財閥である。


佐賀精密機械[鍋島家] 【本拠地・生産拠点】 肥前国佐賀・長崎 【管轄・主導】 外様名門・鍋島家

【主要分野】

精密機械・輸送・自動火器:高度油圧兵装(空母用高圧カタパルト、巨砲用油圧制御等)、工作機械マザーマシン、輸送機械、光学測距儀、通信機器、近接戦闘兵器(百式機関短銃等)、自動小銃

【特徴・概要】 幕末の長崎テクノロジーの遺伝子を純粋進化させた精密加工の覇者。天領海軍の巨砲や空母を動かす高度な油圧兵装、全兵器産業を根底から支える工業のマザーマシン(工作機械)、そして近代戦のロジスティクスに欠かせない輸送機械に至るまで、帝国の「動く精密機械」を広く手掛ける。さらに、大艦隊の目となる大型光学測距儀や通信機器の製造、そしてマレー戦線の密林で猛威を振るう百式機関短銃や次世代自動小銃など、快速陸戦隊の火力を支える自動火器を独占製造している。また、和泉堺の商工組合と組み、ネジ一本から規格を標準化する「ソロバン式コモン・プラットフォーム」の仕掛け人として、徹底した生産合理化で帝国の兵站とマニュファクチャリングを裏から支配している。


Ⅲ. 中堅外様財閥・テクノロジー・特殊自治都市

五大財閥や親藩の巨大重工業を「骨肉」とするならば、帝国の「神経、動脈、そして特殊な牙」を形作るのは、これら中堅の外様大名系テクノロジー企業と特殊自治都市である。実利主義に基づき、南太平洋で強奪した米軍重機の解析・導入にも貪欲であり、機動力や電子・化学戦を支える異能の集団である。


岐州重工[織田家] 【本拠地・生産拠点】 美濃国各務原・岐阜・北伊勢 【管轄・主導】 外様名門・織田家 【主要分野】

海軍・航空:艦載戦闘機(零戦、烈風等)、急降下爆撃機(流星等)、自社製液冷発動機『水星』、超々ジュラルミン軽量化技術

【特徴・概要】 外様大名・織田家が率いる、海軍航空隊の主力機とエンジンを一手に担う「空の覇者」。広大な美濃各務原でのテストフライトと、岐阜の機体組立、北伊勢工廠の精密発動機ラインが強固に連携している。限界まで軽量化した超々ジュラルミン製機体に自社開発の大馬力液冷エンジン『水星』を搭載し、米英の戦闘機を翻弄する怪物的な運動性能を実現した。隣接する親藩・尾張徳川家(葵航空工機)とは「中京・濃尾航空産業圏」において激しく技術と予算を競い合うライバル関係にある。


黒田精機[黒田家] 【本拠地・生産拠点】 筑前国福岡 【管轄・主導】 外様有力大名・黒田家 【主要分野】

通信・電子ハードウェア:通信回路、二重暗号『紫式部』自動暗号化躯体、野戦電波妨害機ジャミング、初期型電波探知機(電探)

【特徴・概要】 「通信ハードウェアの黒田」と称される電子機器の巨頭。開戦と同時に全世界の海底ケーブルを物理的に切断し、帝国全土と大艦隊を繋ぐ電磁通信網を独占する。大西洋の底から江戸城へ送られる特殊暗号の超長波通信技術や、米英のレーダー電波を逆探知・妨害する電子防諜装置の開発において、陸海軍双方から最高機密指定を受けている。


竹中数理演算所[竹中家] 【本拠地・生産拠点】 美濃国岩手 【管轄・主導】 特命一万石格・竹中家

【主要分野】

論理・数理ソフトウェア:『紫式部』論理暗号ロジック、大陸鉄道・兵站船団自動運行ダイヤ計算

【特徴・概要】 始祖・竹中半兵衛の戦術予測の系譜を、現代の「電磁自動算盤(コンピュータの雛形)」へと転化させた頭脳集団。黒田精機が削り出す通信回路に「論理命令アルゴリズム」を吹き込み、小栗家の外務防諜局と組んで暗号『紫式部』の心臓部を構築した。さらに、広大な帝国生存圏を縦横に走る列車や輸送船団の神業のような「運行制御数理ダイヤ」を弾き出し、帝国のロジスティクスをソフトウェア面から支配する。


前田発動機[前田家] 【本拠地・生産拠点】 加賀国金沢 【管轄・主導】 外様最大・加賀前田家

【主要分野】

陸軍・輸送機械:高出力ディーゼルエンジン、四輪駆動ギヤ、装甲車用内燃機関

【特徴・概要】 加賀百万石の圧倒的財力を、近代内燃機関エンジンの開発に全振りした「動く心臓」の供給源。天領・越前松平の戦車から、財閥遊撃隊のマレー走破用大型トラックに至るまで、陸を駆けるあらゆる兵器のエンジンと駆動系を独占する。米軍からの鹵獲エンジンのリバースエンジニアリング能力も帝国随一である。


藤堂製作所[藤堂家] 【本拠地・生産拠点】 伊勢国津 【管轄・主導】 外様大名・藤堂家 【主要分野】

油圧・土木機械:空母用艦載機昇降機エレベーター、架橋重機、高速渡河舟艇、揚陸用油圧ハッチ 【特徴・概要】 藤堂高虎以来の「築城土木技術」を近代油圧・機械工学へ完全転換した異色メーカー。マレー進攻においては、鹵獲したアメリカ製重機と自社の油圧架橋機材を見事に融合させ、伝習隊の重戦車部隊を対岸へ送り届ける絶対的な橋を架けた。また、海軍の空母用エレベーターなど複雑な油圧駆動システムでもシェアを急速に拡大している。


浅野港湾 / 浅野鋼材[浅野家] 【本拠地・生産拠点】 芸州国広島・瀬戸内 【管轄・主導】 外様大名・浅野家

【主要分野】

兵站・ロジスティクス:高速給油艦、強行輸送船、洋上補給システム、快速揚陸艇

【特徴・概要】 瀬戸内の流通を握る帝国の「動脈」。竹中数理演算所のダイヤに従い、多良加の原油を本土へ、また南太平洋で強奪した米軍レンドリース物資をマレー戦線へと強行ピストン輸送する高速船団を統括する。陸軍の快速陸戦隊と密に連携し、将来の「揚陸艦」の雛形となる前開き舟艇の設計なども主導する。


蜂須賀化学[蜂須賀家] 【本拠地・生産拠点】 阿波国徳島 【管轄・主導】 外様大名・蜂須賀家

【主要分野】

特殊化学・兵器:特殊火炎放射器、化学発煙弾、特殊消火剤

【特徴・概要】 毛利家(防長化学)の基礎ケミカル供給網の下流に位置する中堅化学メーカー。要塞の強襲突破や、「インフラ施設を傷つけずに敵だけを制圧する」ための外科手術的制圧に特化した特殊火炎放射器および消火剤の開発を得意とする。マレー進攻においては、この特殊火炎放射器が密林のトーチカ群を焼き尽くし、その威力を遺憾なく発揮した。


池田化学[池田家] 【本拠地・生産拠点】 備前国岡山 【管轄・主導】 外様大名・池田家

【主要分野】

爆薬・化成品:高性能新型爆薬、砲弾信管、駐退機および重機用油圧作動油

【特徴・概要】 蜂須賀化学と並ぶ中堅化学の雄。高度な化学合成技術を持ち、彼らが合成する新型爆薬は、天領・水戸徳川製の150ミリ重加農砲の破壊力を極限まで跳ね上げた。また、藤堂製作所などの油圧機械を支えるための特殊な作動油の開発・供給も担っており、重火器と土木機械の双方を化学の面から底上げしている。


宗電子工作[宗家] 【本拠地・生産拠点】 対馬厳原 【管轄・主導】 外様大名・宗家

【主要分野】

海峡防備・電子機器:対潜音響兵器ソナー、水中通信機、海峡監視電子網

【特徴・概要】 国境の要衝を預かる対馬の地政学から、水中音響探知ソナー技術において世界をリードする特殊電子陣営。黒田精機の無線・暗号網の下流に位置し、海峡の防備を固めるだけでなく、ニュージーランド沖の完全封鎖においては英連邦の潜水艦の動きを完璧に封じ込める「見えない城壁」として機能した。


九鬼造船[九鬼家] 【本拠地・生産拠点】 志摩鳥羽 【管轄・主導】 外様大名・九鬼家

【主要分野】

特殊海洋兵装:隠密強襲用特殊潜航艇、高速魚雷艇、沿岸警備艇

【特徴・概要】 旧志摩水軍の伝統と誇りを近代の特殊艦艇建造へと継承した造船メーカー。沿岸防備用の高速魚雷艇や、敵泊地へ肉薄する特殊潜航艇の開発で急成長を遂げている。また、その高度な水雷技術を活かし、長距離潜水艦(伊号)の開発を独占する島津家(西国重工)の有力な下請け・部品供給網としても機能している。


上杉航空 [外様・上杉家] 【本拠地・生産拠点】 出羽国米沢 【管轄・主導】 外様名門・上杉(米沢)家

【主要分野】

海軍・航空:大馬力空冷星型発動機、艦上機(四二式艦戦『陣風』、三八式艦攻『天山』、四二式夜間戦闘機『月光改』など)

【特徴・概要】 複雑な液冷を嫌い、大馬力・空冷星型発動機と重装甲による「絶対的な稼働率と生還率」の追求。「義」の家風らしく、搭乗員の命を最優先に護るドクトリンを持つ。「最高速度では劣るが、ボタンを押せば必ず飛び、生きて帰れる」空冷タフネス機を武器に、海軍航空本部でのシェアを岐州重工(織田家)から強引に奪い取ろうと暗躍する最大のライバルである。



村上産業 [外様・来島家] 【本拠地・生産拠点】 伊予国来島・今治周辺 【管轄・主導】 外様小藩・来島家(旧来島村上水軍の系譜)

【主要分野】

特殊航空および海洋・水陸両用兵装:水上偵察機、特殊水上攻撃機、小型艦艇、支援艦艇、大型哨戒飛行艇、各種水陸両用装備、小規模艦艇用特殊艤装

【特徴・概要】

水軍として名を馳せた来島村上家の系譜。関ヶ原の戦いでは西軍に属したものの、その卓越した操船技術と瀬戸内の制海権を握る影響力を徳川家康に高く評価され、特例として伊予国・来島周辺(瀬戸内)に一万四千石の小藩として所領を安堵された歴史を持つ。

島津や織田のような巨大財閥が持つ大規模な量産ラインは持てないが、瀬戸内海を支配した水軍の造船技術と海の知恵を近代装備開発へと昇華させ、航空機に限らず、小型艦艇、支援艦艇をはじめ水陸両用装備や小規模艦艇への特殊装備なども幅広く手掛ける「一品モノの職人集団」として生き残りを図った。

フロート(浮舟)の空力設計や高度な防水・防食加工において帝国随一の技術を誇り、大企業が手を出したがらない「塩害対策」「水空両用設計」の分野を独占している。島津(西国重工)の潜水艦部隊に搭載される特殊攻撃機や、陸軍の水陸両用戦車(カミ車)の浮力装備、さらには九鬼造船が手掛ける特殊潜航艇や魚雷艇の細かな防水艤装に至るまで、海軍・陸軍を問わず「水に関わる特殊兵器」の隙間を完璧に埋め合わせる、帝国軍需産業に不可欠な存在である。


相模航空廠 [譜代・大久保家] 【本拠地・生産拠点】 相模国厚木周辺平野部 【管轄・主導】 譜代名門・大久保(小田原)家

【主要分野】 陸軍・航空量産:大ペイロード多発機、近接航空支援機、輸送機、主力機のライセンス量産

【特徴・概要】

帝都の防衛圏である相模国・厚木周辺の広大な平野部を丸ごと工場地帯と化し、巨大な四発重爆や輸送機が離着陸できるテスト滑走路を擁する国内最大のアッセンブリー工場。葵航空工機(尾張)が嫌がる「近接航空支援機」や、自らの重さで滑走路を砕く「四発機」の製造を一手に引き受ける。「設計の葵、量産の相模」という強固な幕府側の連携を構築しているが、全軍の航空兵站の生殺与奪を握っているため、時に量産力を盾にして親藩の設計に口出しをする「実務派譜代の野心」を秘めている。


立花飛行機 [外様・立花家] 【本拠地・生産拠点】 筑後国柳川 【管轄・主導】 外様名門・筑後立花家

【主要分野】

局地迎撃・特殊航空:局地戦闘機、次世代ジェット戦闘機、次世代ロケット戦闘機

【特徴・概要】

立花道雪・宗茂から続く「雷神」の系譜。長大な航続距離や巴戦の能力を完全に捨て去り、「圧倒的な上昇力と一撃離脱」のみに極振りした局地戦闘機(迎撃機)の急先鋒である。爆撃機迎撃に特化し、九州および西日本の防空の要として「一撃必殺の空飛ぶ対空砲」を造り出す。岐州や葵の汎用戦闘機では対応できない「対大型爆撃機迎撃」のシェアを完全に独占している。


出羽航空 [外様・最上家] 【本拠地・生産拠点】 出羽国山形 【管轄・主導】 外様名門・出羽最上家

【主要分野】

情報戦・双発多用途機:戦略偵察機、双発重戦闘機/対地襲撃機

【特徴・概要】 「謀将・最上義光」の血を引く情報重視のドクトリン。「双発機」のポテンシャルを極限まで引き出し、主力機が届かないニッチな戦略領域を支配する異端児。武装を捨てた超高速の戦略偵察機で黒田精機の通信機と連携し敵の情報を丸裸にしたり、大口径機関砲を積んだ双発重戦闘機を開発するなど、特定の任務を完璧にこなす割り切った運用で、陸海軍双方から引っ張り凧となっている。奥州鉱業(伊達家)から資源を供給されつつも、伊達とは異なる知略の道で台頭している。


和泉堺・鍛冶商工組合(堺公差) 【本拠地・生産拠点】 和泉国堺 【管轄・主導】 自治商業都市・堺商工組合(幕府直属代行)

【主要分野】

生産管理・規格統一:共通公差規格(堺公差)のマネジメント、小火器部品の分散製造

【特徴・概要】 自らは巨大な完成兵器を作らないが、帝国兵器のネジのピッチやスプリングの引張強度などの「共通規格」を厳格に管理する総元締。幕府(井伊)と外様(鍋島)の兵器の互換性をネジ一本から担保する「ソロバン式コモン・プラットフォーム」を確立している。前線における異常な修理速度と艦隊の限界稼働率を実現する、帝国兵站の影の支配者である。

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