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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第三章 危獣編
204/204

204話 二度目のダンジョン

 ルネイリアから再び地上へと戻ってきたシン達はツンドラによって雪が積もった砂漠の上を歩いていた。


「この辺りの何処かにある筈なんだけどな」


 シンは記憶を頼り辺りを見渡す。


「砂漠なのに雪があるから涼しくて丁度いいな」


「夜は寒いだろうけどな」


「勘弁してくれよ…」


「動いてる時に快適なんだからいいだろう」


「ん……まあ、いいのか?」


(そういえば前に来た時は暑くてサレサが水をがぶがぶ飲んでたっけな)


「雪冷たいね〜」


「そうだね」


「あんまりずっと触れてると手が痒くなったりするから程々にね」


「は〜い」


 レン達がそんな会話をしていると風が強くなり積もっていた雪が舞い上がる。


「これから夜だからそろそろ野営の準備をした方がいいかもな」


「そうだな。冷える前に体を温める準備をした方がいいだろう」


 ということでそれから適当な場所で一晩を明かす準備をするシン達。


「なあ、一度ルネイリアに戻ったらダメなのか?」


 グラートが周りを見渡しながら言う。


「いつダンジョンが現れるか分からないみたいだし、地上に居た方がいいだろう」


「んん…」


「何が不満なの? 私達寒いところには慣れてるでしょ?」


 と、不服そうな反応のグラートにレンが言う。


「それはそうなんだが…魔物に一回も会ってないだろ? なんか変に落ち着かなくてよ。なんかあるんじゃないかってな」


「グラートだけルネイリアに帰ったら? 何かあっても置いてけぼりだけど」


「おい! 俺を置いてこうとするな!」


 レイオーネに突っ込みをするグラート。

 と、その時、唐突に地面が揺れ始める。


「おお」


「なんだ!?」


「この感じ…」


 シン達は警戒しながら腰を低く保つ。


(この感じは前も同じだ。近くにあの移動するダンジョンが来たのかもしれない)


「準備してたところ悪いがダンジョンが近いかもしれない。周りを見てみよう」


「そうだな」


 それからシン達は野営の準備を止めて周りの探索を始める。

 暗い砂漠を即席で作った松明を持って練り歩く。


「夜は周りが見えないから本来はあんまり歩きたくないんだがな」


「今は緊急事態だからな。ダンジョンの為にこうやって歩いてる訳だし」


「サレサ、なにか感じたりしない? 野生の勘みたいな」


「ううん。全然分かんない」


「近くにあるのは分かってるんだ。このまま探せばなにか手掛かりが見つかるかもしれない」


「それを期待して歩いてはいるんだけどな」


「確かダンジョンの周りは砂の大穴みたいになってた筈だから歩いてたら違和感とかあるかもしれない」


「ふ〜ん。なるほどな。じゃあそれを見つけられることを期待して歩くとするかな」


「早く見つかるといいけど…」


 それからシン達は真夜中の砂漠を松明一本の明かりで歩く。

 本来は視界が悪い夜での移動は好ましくないがこのチャンスを見過ごす訳にも行かないので仕方なくだ。


 と、シン達が歩き出してから二、三時間程が経過した時だった。


「あった…」


 シンが呟いた。

 そこには前にも見たことのあるダンジョンとその周りを大きなクレーターのような大穴が守るようにあり、砂がその大穴に吸い込まれていた。


「ここだ」


「まあ、いかにもダンジョンって見た目ではあるな」


「落っこちたらあの世行きだな…」


「やってみる?」


「やらねえよ!? なんてこと言うんだよ!」


「私なりの冗談」


「その無表情な顔から言われると本当にやるかもしれないって思うから心臓に悪いんだよな…」


「じゃあ、こんな感じなら大丈夫?」


 レイオーネは作った満面の笑みで聞く。

 だが、


「いや、逆に怖いわ! 今までの無表情との差が凄くてなにか企んでるのかと思うわ!」


「う〜ん…難しい…」


 グラートの反応が期待した結果ではなかったことにレイオーネは気分を沈ませる。


「おいおい、いつまで漫才やってんだ? 行くぞ?」


 二人の会話を聞いていたゴウキが言う。


「漫才じゃねぇ!!! 命の危機かもしれないんだぞ?!」


「はいはい。分かったからもう行くわよ〜」


「あ、おい!」


 グラートは先に行くみんなへ置いていかれないよう走って後を追った。




「来たな」


 シンはダンジョンの入口の前で呟く。


「ここがフロリアの言ってたダンジョンか」


 と、その時、地面が揺れる。


「おお!?」


「あっ!」


 驚いていると、シン達が通ってきた場所から砂がどんどん下の大穴の方へ吸い込まれていく。

 そして、それが広がっていくとシン達はダンジョンに取り残され孤立した。


「逃げられないという訳か」


「ダンジョンをクリアしないと出られないダンジョン。なかなか珍しいのでは?」


「確かにな。大体出入りは自由なことがほとんどだ」


「そういうもんなのか」


「どっちにしろダンジョンは攻略しないといけないなら私達には関係ない」


「そりゃそうだ。んじゃあ早速行くか。ここで長話してもなんだしな」


「ああ」


 それからシン達はダンジョンの中へと入った。




 中に入ると、シンは見た事のある一人でに動く石の床を見る。

 空中に浮き、こちらとあちらを行ったり来たり、規則正しい動きをしている。

 そして、それが上の方まで至る所にあった。


「同じ、か…」


「上へ向かえばいいのか?」


「そのようですね」


「う、嘘でしょ……」


 レンは白い顔をしながらその場に座り込む。


「レンお姉ちゃんどうしたの?」


「いや…」


「ああ、高いところダメなんだっけ? 大変そうだね」


「……」


 不安なレンの心にレイオーネの何気ない一言が深く刺さった。

投稿遅れました、、、

見てくれてありがとうございます。

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