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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第二章 七つの罪人編
180/208

180話 シン&レンVSアーク&ニール

「兄さん…」


「兄さん…?! それじゃあこの人が…」


 二人の前に剣を持ったニールが立っていた。


「感動の再会なのに余り嬉しそうじゃないね。やっぱり前に会ってるからなのかな」


(今回はレンがいきなり刺されることは無かった。もしかしたらサーシャが居ないことでこうなったのか…)


「…この人、前にどこかで…」


 レンがニールの顔を見て過去のことを思い出そうとする。

 と、その時、


「お前らの命をこの剣に捧げる」


 そう言ってニールが剣を構える。


「兄さん…」


 それに倣うようにシンもサニアとイニルを構える。


「兄弟の感動の戦いという訳だ」


「あなた…」


 レンが怒気のこもった声を漏らす。


(レンは接近しないと攻撃出来ない。アークの動きに慣れてないことも考えると俺がアークと戦うべきだろう。兄さんの方はレンに任せた方が…)


 シンがそう考えるが過去の出来事がフラッシュバックする。

 ニールにレンが刺されたあの瞬間を。

 シンの拳に自然と力が入り、鼓動が早く打つ。


(大丈夫だ。あの時は不意打ちだった。けど、今回は違う。レンを信じるんだ)


「レン、俺がアークの相手をするから兄さんの相手を任せていいか?」


「私が…? それはいいけど…」


「アークの動きは俺の方が分かってる。それに俺は近付かなくても攻撃できる手段があるからな」


「……分かった」


「うん…」


 と、二人が顔を合わせた時、ニールが走り出した。

 すると、シンとレンはお互いに背を預ける。


「ふむ。まあ、妥当な判断か」


そう言うとアークも走り出す。


(来る!)


 シンはサニアを迫ってくるアークへ振り下ろす。

 斬撃が地面を抉るが、アークはいとも簡単に躱す。


(やっぱり当たらないか…攻撃をするなら相手が俺に触れようと手を伸ばした時か)


 シンも走り出しレンから離れる。


(レンとは離れ過ぎず、近過ぎずの距離を保ってレンにアークが行かないようにしないと)


 と、その時、ニールがレンへ剣を振り下ろす。


「シンのお兄さんには申し訳ないけど…」


 レンはそう言ってリナザクラを構える。

 次の瞬間、ニールの剣がリナザクラの扇面に当たる。


「何?!」


 ニールの剣は弾かれて大きく体勢を崩す。

 そのチャンスを逃すまいと空かさず鳩尾目掛けて蹴りを入れる。


「くっ…?!」


 ニールは体を吹き飛ばし遠くへ飛ばされる。


「凄い蹴りだね。痛そうだ」


「お前にも後で喰らわせてやるよ!」


「フフ」


 攻防を繰り広げる二人。

 シンの攻撃は当たらず、アークの攻撃は躱し、お互いが傷一つ付かない状態が続いていた。


(このまま時間だけが過ぎていくのは避けたいが、無闇に攻めても洗脳されて終わるだけだ。もう一人、援護が来てくれればいいんだが…)


「女のそれは反射する神器みたいだね」


「だったらどうした」


「いや。僕は基本的に攻撃しないからね。あの神器は僕と相性がいいかもと思ってね」


「なんだと? つまり」


「ああ。殺して僕の神器にするのもありかなと…」


 そう言うとサニアの斬撃がアークの頬を初めて掠めた。


「躱したつもりだったんだけどね。これは驚いたよ」


「お前がレンを殺すって言うなら、尚更お前は俺がここで」


 シンがイニルを振り下ろす。

 すると、アークは今までと同じ容量で躱そうとするがそこで異変に気が付いた。

 躱した筈の自分に向かって軌道を変えて追尾してきたのだ。


「おっと……」


 アークはなんとか躱すものの髪と服が一部斬れる。


「その神器、追尾するのか」


「ああ。サニアでマークしたからな。お前はもう今までのように躱してばかりいられないぜ」


「ふむ。それは困った」


(これでサニアとイニル、同時に攻撃できる。状況はかなりいいと言っていい)


 と、シンがそんなことを考えていると、


「じゃあ、ニール君。君の弟の命を奪いたまえ」


「何?!」


「分かった」


 今までレンと対峙していたニールはアークの命令によってシンへ標的を変え走り出した。


「! どうしていきなり…」


 レンもニールに遅れてその後を追う。


「これで自ずとあの女との距離が近付いた」


「こいつ…!」


 シンは咄嗟にサニアとイニルで攻撃を仕掛けるが、それを躱すとアークはレン目掛けて走り出す。


(くそっ!!! こいつの行動が読めない)


 シンはもう一度攻撃をしようとするが、


「久しぶりだな」


「兄さん…」


 シンの目にニールが立ち塞がる。


「レン! 気を付けろ!」


「人の心配をしている場合か?」


「……」


 (やっぱり兄さんとは戦わないといけないのか…)


 神器を構えるシン。

 すると、


「君を洗脳すれば僕の勝ちだ」


「!」


 レンが接近してくるアークを警戒しつつリナザクラを構える。


「その神器は攻撃を仕掛けない限り反応しない筈。僕との相性は最悪じゃないかな」


 アークはそう言って手を伸ばす。

 レンは頭には触れられないように距離をとる。

 そんな二人の様子を心配しながら見るシン。


「どうした? そんなにあの女が気になるか?」


「当たり前だ。その為にここまで来たんだからな」


「フン」


 ニールがシンへ攻撃を仕掛ける。

 シンはサニアとイニルでその攻撃を受け止める。


「兄さん…悪いが手加減はできない。俺はレンの為なら兄さんだろうと容赦しない」


「甘いな」


 お互い武器を押し合いながら睨み合う二人。

 と、


「だんだん余裕がなくなってきたんじゃないかい?」


「……!」


 アークの攻撃を捌きながら反撃をしているレンだったが、押されているようだった。

 と、次の瞬間、アークがレンの腕へ蹴りを入れた。

 リナザクラを避ける為に威力はそこまで強くはないが、その攻撃はレンの体勢を崩した。

 そのチャンスを逃さず、アークは追撃を仕掛けてレンの鳩尾へ拳を入れる。


「ぐっ…!?」


 レンはその場にしゃがみ込む。


「これで終わりだ」


 アークはニヤリと笑い、しゃがんでいるレンの頭へ手を伸ばす。


「レン!!!」


 その様子を見ていたシンが叫ぶ。

 と、その時、アークとレンの間に戦斧が突き刺さった。


「危ないところだったな!」


「?!」


 シンはその声がした方へ視線を向ける。

 すると、そこには周囲にいくつも神器を構えたゴウキがいた。


「英雄の参上だ」


「君が噂になっているゴウキ…」


「お前が七つの罪人のリーダーだな。俺が来たからにはもう安心しろ。こいつの相手は俺がする」


「ゴウキ…」


(助かった…)


 シンが安堵のため息を漏らす。

 と、


「君の噂は聞いているよ。世界最強の男って呼ばれるんだろ?」


「ん? まあ、俺はそう呼んでくれと頼んだわけじゃないんだが、なんか自然とそう呼ばれるようになった」


「フフ。そうか。僕も似たようなものさ。気が付いたら世界中で命を狙われる大犯罪者さ」


「それは今までのお前の行動が原因だろ?」


「まあ、それはそうなんだけどね。でも、僕はただ世界を少しでも良くしようとしているだけさ」


「どうだかな」


「ふん。おしゃべりはこの辺にしよう」


「いいぜ。俺も早くお前らを制圧して王城の方へ向かいたいからな」


 その時、アークが後ろの腰へ手を伸ばす。

 すると、漆黒の短剣を取り出した。


「ん? 情報にはあんなのなかったな」


「なんだあれ」


 初めて見るアークの武器に困惑するシン達。


「世界最強と呼ばれる男との戦い。楽しませてもらうよ」


 アークがそう言うと短剣を構えた。

見てくれてありがとうございます。

気軽に感想や評価、ブックマーク等をして下さい。嬉しいので。

週1〜3投稿予定。

投稿する順番を間違えました。これが180話です。

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