15話 現実
「ところで、レンは今どこにいるんだ?」
「あなたと一緒に入ってきた人は者はあなたが倒した魔物のところですね。」
「そうか。なら無事って事だな。」
シンはレンが無事だったことに安堵した。
「では、私はこれで。」
「待ってくれ!」
何処かに行こうとするフロリアをシンは呼び止めた。
「まだ何か?」
「どうしても聞きたい事がある。レンが来るまで待ってくれ。」
神器を渡したフロリアは何処かへ行こうとしていたが、シンの呼び止めた顔が真剣な眼差しだったので、その場に留まった。すると、そこにレンが降りてくる足音が聞こえてきた。
「シン!無事だったんですね。」
レンがほっとした、といったような顔で階段を降りてきた。
「レン、無事だったか。」
シンはレンの顔を見て安心した。
「この部屋はリネオスのダンションと造りが似てますね。」
レンがこの部屋に一言感想を述べたところで、シンがフロリアに聞きたかった本題を口にした。
「このダンジョンには不治の病も治せる薬があるかもしれないと聞いてここまできた。その薬があるのかないのかを聞きたい。」
レンはその話を聞いて最初は戸惑っていたが落ち着きを徐々に取り戻した。
「フフフフ…」
「何がおかしい!こっちは真剣に聞いているんだ」
フロリアが笑っているのを不快に思ったシンが怒鳴った。
「これは失礼しました。不治の病に効く薬の有無でしたね。結論から言いますと、ございません。」
「……そうか。」
シンは落胆していた。そもそもこのダンジョンに来た理由はレンの妹、レイナの不治の病を治すために来た。つまり、その当てが外れたということは、レンの妹のレイナの死を意味することになる。シンは、自分のことのように思い、肩を落とした。すると、レンはシンの肩に手を乗せ、悲しい顔でシンを見つめた。
「なんとなくだけど…そんな気がしてたの。不治の病に効く薬があるなんて、そんな都合のいい事があるのかなって…そう思ってた。半年も旅をして見つけられなかったんだから、仕方がないわ」
レンはシンを納得させる為にそう言っているつもりだったが、シンにはその言葉がレン自身を納得させるために言っているということに直ぐに気がついた。レンは今にも泣き出してしまいそうな顔で、目は涙で潤んでいた。
「おいおい…泣きそうな顔で言われても説得力ないぞ?」
シンはそう言って、笑顔でレンの目から涙を拭き取った。
「そうですね」
レンが微笑んで答える。
「あなた方にこれ以上情報を与え過ぎるといけないので私は行きます。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「妹さんに会いに行きなさい。妹さんはあなたの事を待っている筈ですよ。それでは…」
そういうと、今まであった光が消えた。
「私、一度妹に会いに故郷に戻ります。故郷を出て半年以上経ちました。もう会えなくなる前にもう一度、会いに行きたいです。」
「分かった。俺も一緒に行くよ。ここまで一緒に旅してきたしな。それに、レンのことも心配だ。」
シンがそういうと、レンは笑顔で『ありがとう』と言った。レンの顔に涙がなかった事が、シンはとても嬉しかった。
次回、サニアの使い方
のんびり書いていきたい。
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