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シンとレンの十二の冒険  作者: くらいね
第一章 捜索編
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14話 最下層と二つ目の神器

 シンとレンは階段を下り、次の階層を歩いていた。


「あの生き物は一体何なんでしょうか?」


「さあな、ダンジョンに住む魔物ってところか?」


 二人がそんな話をしながら奥へと歩いて行く。分かれ道に迷いながらも歩いていると、二人の前に大きな広い空間のある場所が見えてきた。


「なんか、大きな空間のある場所があるな。行ってみよう。」


「そうですね。」


 シンが先頭に立ち、先に大きな空間のある場所に入り、その後をレンが付いて来ていた。すると、シンがその大きな空間に入った瞬間、シンが通って来た道に蔦が生え、道を塞ぎ、レンが通れなくなった。


「なんだ?!」


「どうやら、蔦が生えてきて道が塞がれてしまった様です。」


「大丈夫か?」


「はい、私は他に違う道が無いか探してみます。」


「分かった。気をつけろよ。」


「はい。」


「じゃあ、また、後でな。」


「あっ、シン!これを持っていってください。」


 レンがそういって蔦の間から渡して来たものは、レンが持っていた光源のジッポライターだった。


「でも、ライターないとレンが困るだろ?」


「私は予備のライターがあるから。」


 そういって、腰に下げているバッグから予備のライターを出してきた。


「もう一個あるなら最初から一個、俺に渡してくれたってよかったよな?」


 シンが細い目をして、レンのことを見つめた。


「もしものことがあった時に、燃料がなくなったら困るじゃない?」


 レンがちゃんとした理由があるから仕方がないでしょみたいな顔をしてシンを見つめ返した。すると、シンはそういう理由があるなら仕方がないけどみたいな顔をしていた。


「ありがとな。」


 シンが礼を言って、レンの手の平からライターを取った。


「どういたしまして」


 レンが、それでいいのよみたいな顔をしていた。そして、シンは大きな空間の場所の探索。レンはシンのところまで行くための他の道が無いか探しに、二手に分かれた。


(にしても、この空間は何なんだ?)


 シンがそんな疑問を思いながら、この大きな空間の中央まで来た。


「キャア”ア”ア”アアアアアア!!」


 金属音の様な音がこの空間に反響して物凄い音になっていた。


「何だ!?」


 物凄い音にシンはライターを落とし、両手で耳を塞がざるにはいられなかった。


(どっかで聞いたことある音だと思ったが、この音は入って来た時に聞こえて来た音と同じだ。)


 シンがライターを拾うと、天井に赤く光る二つの何かが見えた。その赤い光はシンの方に近づいて来た。だんだん近付いてくるとそれが何なのか、正体を確認することができた。その正体は翼を持ち、耳が大きい、全長は翼を広げると二十メートルは超えている蝙蝠の魔物だった。


「あっぶね!」


 その魔物はシンに向かって足を突き出してきたが、シンはそれを避けた。すると、突き出した足が地面に当たった。その場所は、抉れていて、足には鋭い爪が生えていたのが避けた時に見えた。当たったらほぼ即死だろうとシンは思った。


「キャア”ア”ア”アア!!」


 当たらなかったのが気に入らなかったのか、また金属音に似た音を叫んだ。すると、今度は翼を広げて大きく羽ばたき、飛んだ。


「おいおい、また、飛びかかってくる気か。あんなの勘弁だぜ。」


 そういうと、シンは壁まで走り、壁沿いを走り始めた。暗闇の中で自分の位置を把握しつつ、あの魔物に気を払いながら戦うのは難しいだろうという考えだった。シンが壁沿いを走っていると、この空間には出入り口がいくつかあるということが分かった。すると、また、魔物が襲いかかってきた。今度は上にジャンプをして避けた。すると、さっきまでシンがいた所の壁が爪の形に抉れていた。


「マジかよ。」


(このままだったらいつかは当たってしまう。だが、逃げようにも、レンと会うと約束している以上、レンがここにくる可能性が高い。そうなったらレンが危ない。戦うしかないな。)


 シンが考えていると、魔物はまた襲ってこようとこちらに向かってきていた。シンは、それを見て、魔物の攻撃のタイミングで壁を蹴り、魔物の後頭部に乗った。シンは懐から短剣を取り出し、魔物に突き刺した。すると、魔物は暴れ出し、振るい落とされそうになる。シンは振るい落とされそうになるのを抑えながら、手に持っていたライターを横に半分に切った。ライターには燃料となるオイルが入っており、オイルが魔物に掛かった。シンは次の瞬間、ジッポライターのネジを回し、火花が散る。すると、火花がオイルに引火し、魔物が燃え始めた。


「よし、上手くいった。」


 シンは魔物から飛び降り、様子を見る。魔物には火が効いたらしく、壁を蹴ったり、叫んだり、飛んだりして暴れていたが、次第に動きが鈍くなった。その頃になると、火が最初より弱くなっていたが、トドメを刺すには十分なぐらい衰弱していた。


(トドメを刺すには今しかない!)


 シンは再び魔物に近づき、短剣を頭に突き刺した。すると、それが致命傷となり、魔物をは動かなくなり、倒すことができた。


「危なかったな。」


 シンが安堵していると、まだ燃えている魔物の近くの道の先が薄っすら光っているのが見えた。


「さっき、こいつが暴れた時にこの空間と他の道とが繋がったのか。」


 シンは気になり、光っている方に行って確認するとそこには階段があった。階段の下の方から青白い光が漏れていた。


「この光はリネオスで見たものと同じ感じだな。行ってみるか。」


 シンは、レンを待ってから行こうとも思ったが、魔物も倒し、あの空間から光が見えたことや魔物との戦闘の音で分かるだろうと踏んで、階段を降りた。階段を降り、下まで行くと、そこにはリネオスと同じような造りをしていたが、壁が石造りではなく、全て蔦でできておりこのダンジョンの特徴が出ていた。それに加えて、足元には膝下まで水が溜まっていた。そして、部屋の奥には台座があり、蔦でできた宝箱見たいなものがあった。


「こんなものまであるのか、ダンジョンってのは。」


 シンが驚いていると、突然、台座の前が光り始めた。


「お久しぶりですね。」


 その光の正体はリネオスでも会ったフロリアだった。


「フロリアだっけ?ダンジョンには必ずいるのか?」


「そうですね。基本的にはダンジョンが攻略された時に、ダンジョン攻略者に会いに行き、神器を渡すのが私の使命ですから。」


「そうなのか。」


「もうすぐここにあなたと一緒に入ってきた人も来るはずです。」


「レンのことか。」


「先に神器をお渡しします。宝箱をお開けください。」


「だけどまだレンが、、」


 するとフロリアは首を横に振った。


「前回は一緒に部屋に入ってきたので神器の所有者をどちらにするか聞きましたが、今回はあなただけですので、あなたにしか渡すことが出来ません。」


「だけど、後で俺が神器をレンに渡したら結局、同じじゃないのか?」


「言っていませんでしたね。神器とは、一番最初に攻略した者だけが使えるのです。他の人が持っても、その形の物としてなら使えますが、能力は使えません。」


「そうだったのか…」


 シンが神器の知らなかった能力に感心していると、フロリアは更に会話を続けた。


「神器は持ち主を理解しているのです。もしも、神器の持ち主以外の者が能力を使おうと思ったら、神器の持ち主を殺して、神器を使える権利を奪わないといけないのです。」


「なるほどな…そういう制約があったのか。」


「話が長くなりましたね。では、宝箱をお開けください。」


 フロリアにそう言われ、シンは宝箱を開けた。すると、そこには二本の短剣が鞘に収まった状態で中に入っていた。


「これは…短剣か?」


 シンは二本の短剣を手に取り、鞘から出して見ると、片方は、血刀ティルボルグまでは赤くないぐらいの薄い赤色をした短剣、もう片方は、薄い青色をした、赤い短剣と剣の作りが全く一緒の短剣だった。


「その短剣は<双子の短剣>と言って、赤い短剣はサニア、青い短剣をイニルと言います。」


「へ〜、ちなみにこの神器の能力は教えてくれるのか?」


「それは自分で試行錯誤して、使い方を試して下さい。私の説明で使い方に個人差があるとよくないので神器の使い方の助言は致しません。」


「まあ、だと思ったけどさ。」


 シンは無事にダンジョンをクリアし、フロリアから神器のことを教わった。


次回、現実

のんびり書いていきたい。

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