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クリアしたゲームの力が使える能力でダンジョン無双  作者: そら


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3/8

ステータス確認

※マヤ視点が含まれます

あたり一面は森。


確かに今までも森だったが、まるで違う。

見たこともないほど大きなキノコや、煌びやかに光るキノコ。


……思ったよりキノコばかりだな。


初めてのダンジョンに緊張しつつも、現状を確認する。

持ち物はスマホのみ。武器なんて持っているわけがない。


見渡す限り、あたりに魔物と呼ばれる存在は確認できないものの、いつ襲われてもおかしくない状況だ。

気になるのは、ダンジョンに入った時に聞いた謎の声だ。

聞いたことがある。


稀に、ダンジョンに初めて入った際、スキルを授かる者がいるとか。


「ステータス」


ネットの情報を頼りに何となく呟いてみると、視界にはまるでゲーム画面のような数値が表示された。


立花レン


Lv1

HP 3

MP 4

ATK 6

DEF 5

SPD 4

MAG 5


スキル:


EXスキル:ゲーマー


数値の意味は、ゲーマーなので何となく分かる。

ネットで調べたところによると、確かレベル1の平均は5だった気がする。


ほぼ平均だが、ATKが少し高いのは剣道の影響だろうか。


ステータスもだが、やはり気になるのはEXスキルだ。

ふと浮かび上がる文字に指で触れてみると、説明画面が表示された。


【ゲーマー】

クリアしたゲームの能力がランダムでスキルとして使えるようになる。


クリアしたゲーム?


クリア――それがストーリークリアのことを指しているのなら、すでにいくらでもある。

だが、スキル欄には何も記載がない。


……今は考えていても仕方がない。


急いでマヤを探しに行こう。

ステータス画面を閉じ、場所が分からないため、魔物に気を付けながら走った。


------------------------------------------


私は今、下校中に呼び出され、別のクラスの同級生3人に囲まれている。


「マヤ、あんたさあ、天道君からの告白断ったんだって?」


クラスが違うため名前までは分からないけど、学校で何度か見かけたことのある女子生徒が睨みつけてくる。

天道君とは、私・立花マヤと同じクラスの、いわゆる目立つ生徒で、容姿も整っており、女子生徒が噂しているのをよく耳にする。


この日、私は天道君に昼休みに呼び出され、告白を受けた。

特に興味もなかったので断ったけど、どうやらそれが不満なようだ。


「そうだけど、あなたたちに何か関係があるの?」

「っ! あんたね! みこが振られたの知ってんでしょ!? よくそんな言い方ができるね!」


みこさんは、今私に話しかけている蘭さんの横で泣いている女子生徒だ。


「悪いけど知らない。みこさんとはそんなに話したこともないし」

「それでも天道君から告白されて断るわけないでしょ! あんた彼氏いるの?」


どうにか優しい言葉で返そうとするが、うまくいかない。

みこさんは泣くのをやめないし、蘭さんもいらいらしてどんどん口調が悪くなる。


「彼氏はいないよ。でも天道君のことはよく知らないし、ほとんど話したこともない」

「……あっそ。もういい。天道君を好きっていう子はたくさんいるし、あんたいじめられるよ」


――いじめ。


その言葉に兄のことを思い出し、私は蘭さんを睨んでしまった。


「何よその顔! ……ねえ、なんでここに呼んだか分かる?」


ここは日本でも数少ないダンジョンの入口、その裏側だ。


「そこの穴、入れよ」


彼女が指を差したのは、フェンス付近に不自然に掘られた穴だった。

断ったら殴る。

そう言われ、しぶしぶ中に入ってみると、すぐにダンジョンゲートの裏側へたどり着いた。


「あんたさあ、ダンジョンに入りなよ。そしたら今日のこと全部忘れてあげる」

「そんなことできるわけないじゃない」


ダンジョンは今では一般人も入れるものの、許可や政府職員の付き添いがある場合のみで、それ以外は危険だ。今では誰でも知っている常識だった。


「あんたの兄貴、昔いじめられてたの、あれうちの兄貴が率先してやってたから」

「!!」


名前までは知らなかったため、驚きが顔に出る。


「うちの兄貴、顔広いから。働くのか知らないけど、どこへ行ってもいじめられるよ」


そんなわけがないと分かりつつも、どうしても不安な気持ちになってしまう。

『ダンジョンに入って帰ってこられたら許してあげる』

そんな口約束を信じてしまうくらいには、私は兄のことが大好きだった。

ゲートに触れると、視界が歪み、体が浮かび上がるような感覚があった。


『エクストラスキル:【蘇生】を獲得しました。』


その声を最後に、視界に映る景色は、まるで異世界のように変わっていた。


なんて馬鹿なんだろう。

あの子たちが、こんなことでいじめをやめるわけがないのに。

そんなことを思いながら、とぼとぼ歩く。


ダンジョンについては全く知識がない。

兄のこともあり嫌っていたし、特に興味もなかった。


ザザッ。


後ろから、ふいに音が聞こえる。

何かが素早く動いたような音。


後ろを振り返ると、大きな牙に黒い体。

特徴としては蟻だが、見たことのあるサイズとは比べものにならないほど巨大なそれが、目の前にいた。


「キャーーーー!!」


とっさに走り出す。

握っていたバッグを投げつけ、とにかく走った。

後ろからは少し遅れて足音が聞こえる。

その音はだんだん近づいてきていることが分かった。


どうしよう!!


何か考えないと!


なんとか森の中へ入り、目についた小さな穴に飛び込んだ。

目がそんなに良くないのか、近くまでは来るが、私を見つけられていない。

ハアハアと息が切れ、足はがくがくで動かない。


怖い。


怖い、怖い。


助けて!!


そんな言葉も出せない状況に、体が固まる。

もうこのまま死んでしまうんじゃないか。


そんなことを思っていると、ふいに眠気が襲い、目を閉じてしまった。


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