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クリアしたゲームの力が使える能力でダンジョン無双  作者: そら


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1/8

はじまり

世界は残酷だ。


若者が目標を持って行動しても、実力以外の要素に道を阻まれることは多い。

自宅で毎日ゲーム三昧のレンもまた、そんな一人だった。


「よっし! ゲームクリア! 今回も最速かなー」


俺、立花レンは現在18歳。高校生であれば卒業を迎える歳だ。

そんな俺は高校を辞め、ほぼ毎日ゲームだけをして生活していた。


理由は、よくあるいじめだ。


いじめられたきっかけも、今ではよくあることと言えるのかもしれない。

ステータスの存在だ。


5年前、世界は大きく変わった。


突如として世界各地に出現した、ダンジョンと呼ばれる場所。

なんと、そこに一度でも足を踏み入れると、自分自身のステータスが見られるようになり、レベルを上げられるようになるというのだ。


俺は当時中学生で、剣道部に所属していた。部内では最強と言われ、全国大会に出場したこともあった。

だが、その日、スポーツの概念は消えた。

同級生の一人がダンジョンに入り、なんとモンスターを倒してレベルを上げたらしい。


俺はその同級生とは友人であり、ライバルのような関係だったが、剣道の試合で負けたことは一度もなかった。


ステータスによってレベルを上げたその子は、俺に勝負を持ち掛け、全員の前で俺をボコボコにした。

どうやら以前から恨まれていたらしく、そこからは取り巻きと一緒に俺をいじめ始めた。

世界の変化も残酷だった。

ステータスの存在によってスポーツのすべてがなくなり、すべてを失った気持ちになった俺は、学校へ行くのをやめた。


「レンー、ごはんできたわよ!」


一階から母さんの声が聞こえ、エンドロールが流れるゲームを消す。

もうそんな時間か。


「今行くよ!」


二階の自室を出て一階のリビングへ向かうと、母さんと妹の二人がダイニングに座っていた。


「お兄、おはよう!」


妹のマヤが元気よく挨拶してくる。

マヤは16歳の妹で、現在は俺が通っていた高校に通う高校生だ。

時間は気にしていなかったが、もう朝になっていたようで、ばっちり制服を着て朝ごはんを食べている。


「ああ、おはよう」


挨拶を返すと、嬉しそうににこっと笑い、すぐ横にいるのに手をぶんぶん振ってくる。

マヤは兄が言うのも変だが、他人から見ても絶世の美少女というやつだろう。

幼い顔立ちに、つやつやとしたきれいな黒髪。スタイルまで抜群ときた。


……本当に俺の妹か?


マヤは食事を終えると、急いで身支度を整え学校へ向かった。


「ごちそうさま」


俺もご飯を食べ終え、食器を洗う。

母さんは何も言わずにいてくれているが、このままでは駄目なのは分かっている。


「ゆっくりでいいからね」


何がとは言わず、そんな優しい言葉をかけてくれる。

自室へ戻り、求人サイトを開いて自分にできそうな仕事を探す。


「ハア……ハア……」


家にいるはずなのに、外へ出ることを考えるだけで鼓動が速くなる。

駄目だ。一度眠ってから考えよう。


ベッドに寝転がり、目を閉じた。


……


一階からバタバタと駆け上がる足音で目を覚ました。

ガチャ! と勢いよく扉が開き、そこにはひどく焦った様子の母さんがいた。


「レン! どうしよう! マヤがダンジョンに入ってしまったみたいなの!!」


勢いよく心臓が脈打つ。

ダンジョンに一般人が入るのは自殺行為だ。


「通報は!?」

「したけれど、救助部隊を編成してからになるって言われて……私……!」

「……俺が探してくる」


なぜ入ったのか。

それをなぜ母さんが知っているのか。


気になることはあったが、一刻を争う状況に、俺は寝巻きのまま外へ飛び出した。

母さんが後ろから呼び止めたが、足を止めることはできなかった。


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