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15 剣咲VSラン、カースト上位の決戦1


 今回の合同演習は全部で四つの部隊を対象に行う。


 俺たち『勇者』はそれに合わせ、各部隊の指揮に三人ずつ――合計で十二人が招集されていた。


 つまり、今から始まるのは、残り二つの部隊での模擬戦である。


 一方の部隊には、クラス内で最強と噂される藤堂(とうどう)(らん)ことランがいた。


 彼が外国の血が入っていて、金髪碧眼の端麗な容姿をしている。

 とはいえ、性格はキツく、俺もこいつには嫌な思いを何度もさせられている。


 他にもクラスで上位のスキル持ちである月白(つきしろ)葉月(はづき)もいた。

 長い黒髪に抜けるような白い肌、学内でナンバーワンと称されることもある清楚系美少女だ。


 対するもう一方の部隊には、あの剣咲がいた。


「……ちっ」


 剣咲は俺の方を見て、舌打ちした。


 やっぱり、この前のことで恨まれてるのかな。


 とはいえ、俺は那由香を守るために戦ったまでだし、退くつもりはない。

 もしも、彼がまた那由香に絡むようなら、次も叩きのめす――。

 と、


「よう、剣咲」


 ランが剣咲の元に歩み寄った。


「お前、時雨ごときに負けたんだって?」

「てめぇ……!」


 剣咲がランをにらみつけた。


 試合開始前だというのに、すでに一触即発だ。


「がっかりだよ。俺は強い奴とつるみたいんだ。お前がそんなに弱いんなら連れとしては認められないな」

「舐めてんじゃねーぞ、ラン!」


 ランの挑発に激高する剣咲。


「舐められるような醜態をさらすからだろ」


 ランは馬鹿にしたように言った。


「まあ、文句があるなら模擬戦で俺に勝ってみせろ」

「上等だ」


 どうやら遺恨がたっぷり残る試合になりそうだった。




 模擬戦が始まった。


 ランや葉月のスキルは、よく知らない。


 彼らの他にもう一人、男子生徒がいて、こいつはヒーラー系のスキルを持っているはずだ。


 一方の剣咲の部隊は、彼の他に女子が二人――近接戦闘系と遠距離攻撃系が一人ずついる。


【獣化】を持つ剣咲を含め、全員が攻撃的なスキルだからか、部隊全体が中央突破を狙って、ガンガン進軍してきた。


 対するランの部隊は遠距離魔法を駆使しながら、距離を取ろうとしている。


「はっ! 俺たちを近づけさせたくない、ってか! 無駄だ!」


 吠えて、剣咲の全身がボコボコと盛り上がった。


 いきなりの【獣化】だ。

 一瞬にして、サイの頭を持つ獣人へと変身する剣咲。


 サイのような強烈な突進力と圧倒的な防御力を兼ね備えた、まさに攻守ともに完璧な戦闘形態。


「ぎゃあっ」

「ぐあっ」


 立ちはだかる騎士たちを次々となぎ倒し、降り注ぐ魔法攻撃にも彼の装甲皮膚はビクともしない。


「やれやれ、ザコどもじゃ足止めもできないか」


 ランが騎士たちの向こうから歩いてきた。


 数メートルの距離を置いて、ランと剣咲が対峙する。


 いきなりのエース対決だ。


「いつも思ってたけど、お前のスキルって格好悪いよな」


 ランがせせら笑った。


「ああ?」


 剣咲がすごむ。


「だいたい剣道部なのに、なんでサイなんだよ」


 ……それは俺もちょっと思っていた。


「うるせぇ!」


 吠えて剣咲が突進する。


 ごうっ!


 すさまじいスピードと摩擦熱でツノの先端部が赤く輝いた。


 あんなものを食らったら、いくら戦場全体が防御結界で守られているとはいえ、ただでは済まないだろう。


「攻撃が原始的なんだよな、お前は。やっぱスキルってのはさぁ」


 ランが剣咲を見据える。


 その両目が鋭い眼光を放った。


 あれは――!?


 ごうんっ!


 轟音とともに、剣咲が大きく吹き飛ばされた。


「ぐおっ……」


 倒れたまま、しばらく起き上がれない剣咲。


 その胸元の装甲皮膚が無残に陥没し、ひび割れている。


「俺のスキルは【処刑】――」


 ランが静かに告げた。


「その名の通り、今からお前を処刑してやるよ、剣咲」

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
[気になる点] >吠えて、ランの全身がボコボコと盛り上がった。  これ、剣崎の間違いじゃないですか?
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