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16 剣咲VSラン、カースト上位の決戦2

 強い――。


 俺は息を飲んだ。


 剣咲はクラス内でトップクラスの近接戦闘能力を誇る。


 その彼を近距離から攻撃力で圧倒するとは――。


 しかも、ランの真価はまだ発揮されていないような気がした。

 まだ――何かを隠し持っているような雰囲気がある。


「おいおい。今のは小手調べだぞ?」


 ランが微笑んだ。


「ここから本気を出そうと思ったのにな。お前なら――俺の本気にも耐えられるだろうから」


 ずずず……。


 地面が震動する。

 ランの全身から黒いモヤのようなものが漂った。


 あれは――?


「お前……!」


 剣咲がうめいた。


「お前の能力は『指定した範囲を消滅させる』ことだったよな……」


 ランをにらむ。


「なんだ、それは――」


 その表情がこわばっていた。


 はっきりと。

 恐怖の様子を浮かべて。


「俺は、知らない……」

「ああ、見せたことがなかったからな」


 ランが微笑む。


 戦場にそぐわない涼しげな笑み。


「こいつができるようになったのは、つい最近さ。俺のスキルはどうやら成長しているらしい」


 言って、ランは背後を指し示した。


 そこに異形が浮かんでいた。


 黒いフードとローブをまとった人影。

 手に巨大な大鎌を持ち、髑髏の仮面をつけている。


 なんというか、これ以上ないほど明確な――死神っぽいデザインのシルエットだ。


「スキルの第二段階、ってやつだ」


 ランが言った。


「っ……!」


 俺は息を飲んだ。


 今までクラス内で『勇者のスキルが成長する』という話は聞いたことがなかったし、だからこそ俺はあのダンジョンで自分のスキルが次の段階に達したときに驚いたものだ。


 だけど――まさか俺以外にも次の段階に達している奴がいるなんて。


「いや、むしろ……当然か」


 勇者のスキルはクラスの全員が持っているんだ。


 俺以外のスキルだって、第二段階に成長しても何もおかしくない。


「へっ、気味の悪いモン出しやがって……そんなんでビビるかよ、俺が!」


 吠えて、ふたたび剣咲が突進する。


「突進からの渾身の体当たり、あるいはその派生の格闘……バカの一つ覚えだな」


 ランがため息をついた。


「お前、戦いのセンスがねーよ」

「そうか? そう思うんなら――」


 ばしゅっ!


 その瞬間、剣咲の体が弾けた。


「何……!?」


 いや、違う。


 奴が身にまとう装甲皮膚を『脱ぎ捨てた』んだ。


 その下にはメタリックな皮膚――こいつの【獣化】って、こんな機能が備わっていたのか!?


「こいつが俺の奥の手だ! おら、死ねよっ!」


 音圧衝撃波を飛ばしつつ、さらに加速する剣咲。


 おそらく重い装甲を脱いだことで、格段にスピードアップを果たしたんだろう。


 すさまじい速度でランに向かって迫る。


「さあ、こいつで決着だ!」

「決着か、ならそうさせてもらう」


 剣咲とランの一撃が、交錯する――。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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