表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

114/122

23 周囲の反応が、少し違う


「すごいわね、時雨くん。たった一人で魔界から生還するなんて」


 肩を抱くようにしてしがみついてきたのは葉月だった。


 至近距離から話しかけられ、吐息で耳をくすぐられてドキッとする。


「苦労したけどな……はは」


 俺は苦笑しながら答えた。


 ただ、手放しで喜べる状況じゃないのも確かだ。


 最終決戦が魔界で行われる場合、俺は戦力になれない可能性があるのだから――。


 俺が本当に魔界に行けなくなったのか、早急に確かめる必要があるな。


 もし行けないとしたら、その制限を解くための方法を探さなきゃいけないし。


 あるいは、制限が解けないとしたら、その状態で魔王軍に勝利するための戦術を考えなきゃいけない。


 対魔王軍の戦力の要は、俺なんだから――。


「なあ、お前……本当に時雨なんだよな?」


 そう言ったのは、豪羅(ごうら)だった。


 鋭い目で、まるで俺を疑うような視線を向けている。


 いや、『まるで』じゃないな。


 あからさまに疑っている。


「例えば、魔族がお前に化けてる……なんてことも考えられるぜ?」

「そ、そんな!」


 那由香が叫んだ。


「だってよ、こいつは魔界から来たんだ。人間がたった一人で魔族の世界に行って、また戻って来られるのか? いくらこいつが強くても、生き延びるのは無理だろ」


 豪羅が顔をしかめる。


「もし偽物が時雨のふりをして来たんなら、城に留まらせるのは危険だ。俺たち全員、寝首をかかれるかもしれない」

「――それは問題なんじゃないかな。確か魔族を見つけるための魔法、っていうのがこの世界にあるはずよ。王国の高位神官ならその魔法を使えるって聞いたわ」


 と、葉月。


「じゃあ、そいつを受けろよ。身の潔白を証明しろよ、時雨」

「ああ、望むところだ」


 挑発的な豪羅に、俺は平然とうなずいた。


 こんな奴とケンカしても仕方がない。


 それに豪羅の言うことにも一理はあるからな。


 俺としても自分が魔族じゃないことを明かし、みんなの心配を取り除いておきたいところだ――。




 その日の夜。


 城の自室で休んでいると、数名の騎士が俺の元を音売れた。


「お休みのところを申し訳ありません、時雨様」

「なんでしょう?」

「国王陛下からの命により、あなたを拘束します」


 ……は?


夜天宮(やてんぐう)時雨は魔族と通じている疑いがある――と。これは王命です」


 言うなり、騎士たちがいっせいに剣を抜いた。

【読んでくださった方へのお願い】

日間ランキングに入るためには初動の★の入り方が非常に重要になります……! そのため、面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや★で応援いただけると嬉しいです……!


ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!


未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ