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レモンピューレー公爵家の四姉妹長女は冒険者貴族の我が家にて楽しく発明します!便利なモノでいつでも快適にグルメだって再現したい  作者: リーシャ


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11髭剃り開発

 今回の光の調律師は、もっと日常に寄り添った、誰もが手軽に使える魔導具を目指して開発してみたのだ。


「明るさを自由に調整できる照明器具ってないんだよね。夜はいつも、ロウソクとかオイルランプの頼りだし、明るさも一定じゃないから、不便なことも多いと思って」


 前の生活で、当たり前だった電気の便利さを思い出し、同じような快適さを提供したいと考えた。


「光源となる魔石の選定と、光量をスムーズに調整する仕組みに、苦労しましたよね」


 カルラミネーは、ランプの内部構造を分析する。


「うんうん!色々な魔石を試してみたんだけど、なかなか思ったような明るさにならなくて。それに、急に明るくなったり暗くなったりすると、目が疲れちゃうから、ゆっくりと明るさが変わるように工夫したんだ」


 強さを調整するために、特殊な魔力回路と、光の透過率を微調整できる魔力レンズを組み合わせた。

 カルラミネーは複雑な回路を理解し、さらに効率を高めるための改良案をいくつか提案してくれる。


 工房には様々な種類の魔石や大きさの異なる魔力レンズ、光の量を測定するための魔導具が並べられ二人はそれぞれの知識とアイデアを出し合いながら、より使いやすいランプを目指して研究をすることに。


「わぁ、キャロル姉さまの新しいランプ、すごく便利そうね。これで、夜でも本が読めるわ」


 ユミスは完成した光の調律師の優しい光の下で嬉しそうに読書を始めた。


「これがあれば夜のダンジョン探索も、もっと安全になりますわね!明るさを調整できるのはすごく助かります」


 ミーチェは冒険者としての視点から、ランプの実用性に感心していた。


 ソフィアは、暗い部屋で光の調律師の光を色々な強さに変えて遊んで、光が作り出す影の形を楽しんでいる。お父様とお母様も新しい魔導具の便利さに目を丸くする。


「これは素晴らしい発明だ!夜の見回りの時にも使えるし、何より、家の中が明るくなるのは良いことだな!」


 お父様はすぐにいくつか光の調律師を注文し、屋敷のあちこちに置く。家族みんなが喜んでくれるのを見てとても嬉しくなった。

 光の調律師が生活をほんの少しでも快適にできるなら、とても素晴らしいこと。手軽さと便利さから瞬く間に広まっていった。


 夜間の移動が多い商人や小さな子供がいる家庭などで重宝され、優しい光は心を安らげ、温かい気持ちにさせてくれるとも。生活を豊かにする身近な魔導具の開発においても、才能を発揮することとなった。


「ねぇ、カルラミネー君、ランプに、色を変える機能を追加できたら、もっと面白いよ」


 アイデアを提案した。


「色を変える、ですか?それはまた、興味深い発想ですね。光源となる魔石の種類を増やし、切り替える仕組みが必要になるでしょう」


 すでに次の開発に向けて、思考を巡らせている。


 *


「ん~~、お父様、また髭が伸びてきましたわね」


 朝食の席でユミスが優しい口調で言った。お父様は朝から元気いっぱいですでに公爵としての執務をいくつか終えてきた様子。


「ん?ああ、そうだな。冒険に出るとなかなか剃る暇がなくてな。男の勲章というやつだ!ははは」


 お父様は豪快に笑ったが少しだけ頬をポリポリと掻いている。顔を見てアイデアがピカッとひらめいた。


「ねぇ、お父様のためにもっと快適な髭剃りを作ってあげない?」


 提案するとユミス、ミーチェ、ソフィアは目を丸くした。


「髭剃り、ですの?今使っている剃刀でも十分では……?」


 ユミスが首を傾げる。剃刀は現代のものに比べると切れ味が悪く、肌への負担も大きいのが現状だ。


「ううん!もっとすごい。肌に優しくて、あっという間にツルツルになる、魔法の髭剃り」


 電気シェーバーを思い出しながら目を輝かせた。毎日冒険や執務で忙しいお父様が、もっと楽に、快適に身だしなみを整えられるようにしてあげたいという願い。


「まずは、髭を剃る部分の設計。刃を使わずに、どうやって髭を処理するか」


 工房で設計図を広げた。刃物を使わない安全な髭剃りのアイデアは新たな挑戦。


「魔力で髭を燃やしてしまうのは、少し危険が伴いますし、肌への負担も大きいでしょう」


 カルラミネーが思考を補完するように意見を述べた。魔法と人体に関する膨大な知識を活かし、安全かつ効果的な方法を模索。


「そうだよね。じゃあ、魔力で髭の根元を弱らせて、そっと抜き取る、みたいなのはどうかな?」


 アイデアにカルラミネーは深く頷いた。


「なるほど。特定の魔力波長を髭に集中させ、毛根を緩める。微細な吸引魔法で髭を吸い取るという原理であれば、肌への刺激も最小限に抑えられますね」


 二人は髭を弱らせるための魔力波長の調整と、髭を吸い取るための吸引魔法の強度調整に没頭した。


 工房には様々な種類の魔力発生装置や、髭のサンプルが並べられているし、時には魔力波長が強すぎて髭が焦げ付いたり、吸引力が弱すぎて髭が残ってしまったりすることもあったが二人は諦めず。


「キャロル姉さま、カルラミネー様!この薬草、肌荒れを抑える効果があるそうですわ〜」


 ミーチェが公爵家の庭で栽培している薬草の中から、特別なものを見つけてくる。肌を気遣い、髭剃り後のケアに使える素材を探してくれた。


「すごい!ミーチェ。これを髭剃りの魔導具に組み込めば、肌に優しくなる」


 ユミスは公爵家が所有する古文書の中から、古代の美容術や、肌に良いとされる薬草の情報を探してくれた。


「魔石は、肌の再生を促す効果があるようですわ。もしかしたら、髭剃り後の肌を健やかに保つために役立つかもしれません」


 ソフィアは、キャロルたちが作った試作の髭剃りを、優しく手に取って見つめ、彼女が魔導具の持ちやすさや、安全な形状について、小さな声でアドバイスをくれる。

 手のひらに収まる流線形の美しい魔導具紳士の滑らかさを完成させた。


 表面には肌に優しい魔力を放出する特殊な加工が施され、中央には髭を吸い取るための小さな穴が開いている。広間にはお父様とお母様、姉妹たちが集まっていた。


「お父様。これ、私たちからのプレゼント」


 キャロルが言って、紳士の滑らかさを手渡すと、お父様は、少し戸惑いながらもそれを受け取った。


「これは……髭剃り、か?」


「ええ!どうぞ、お試しくださいませ、お父様!」


 ユミスが優雅に促す。半信半疑といった表情で魔導具を頬に当てた。

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