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子どもにまつわるあれやこれや

ポイント、感想、まことにありがとうございますm(_ _)m

「子どもの名前?もう決めたの?」

「私じゃないですけどね。長男ならルシウス様、長女ならお義母様が名付けるんです」

「何その棲み分け」

「三人目まで名前が決まってたお義母様へ、ルシウス様の決死の交渉術が実を結んだんです」

「頑張ったのね。で?具体的には?」

「ルシウス様はまだ検討中です。お義母様は長女ならカトリーヌと決めてらっしゃいます」

「カトリーヌ!いいわねそれ、うちの子にもらいたいわ。いいかしら?ミュー」

「……はい、どうぞ」

「ありがとう。メリッサ、お母様に伝えてくれる?カトリーヌはわたくしが長女を産んだら使いますって」

「かしこまりました」


コロコロと笑うお義姉様。

心なしふっくらとされてるように見えるのは、先入観なのだろうか。



はい、お義姉様もご懐妊です。

アイゼンバーグ公爵夫妻、一気に孫が二人生まれます。



父親になるより先に叔父になるルシウス様は、父親になった途端伯父になるお義兄様と何やら密談中。

夫婦揃って訪問されたお二人は、どうやら育児仲間が増えたことを喜んでるらしい。

お義姉様は私と、お義兄様はルシウス様と、それは楽しそうに今後について語っていた。



◇◇◇◇◇◇◇


私の懐妊が分かり、命名権の交渉もなんとか無事に終わり。

心配性と過保護を募らせたルシウス様がまとわりつくのを適度にあしらい、初心者妊婦生活をスタートさせた直後、報せはやってきた。



「お義姉様も?」「姉上も??」


ピトっと張り付く夫を横にお茶を楽しんでいた時、手紙と共に訪れたお義母様が教えてくれたのだ。

「……ミュー、それ鬱陶しくないの?」

「多少は。我慢出来なくなったら引き剥がします」

「そうしてちょうだい」

「そうなったら、言ってくれればちゃんと離れるよ、たぶん……」

自信なさげに言われてもね。

「とにかく。ローズも妊娠してたそうよ。あの子まったく病気とかしない子だったけど、悪阻もなかったみたい。少し太ったかも?って思ってたらしいわ」

えええ。

そんな悠長な。


「え、この間座談会に来ていただいてましたが、大丈夫だったんですか??」

まさかの妊婦を呼び寄せてしまってた。


「あの時点で気付いてなかったけど、もう安定期だったらしいの。何事もなく過ぎたから良かったようなものの、後から公爵家全員冷や汗をかいたそうよ」


お義母様は呆れ顔だ。

そうね、私も今冷汗をかいた。


「とにかく。あちらから連絡をいただいた以上、ミューのことも知らせるわ。安定期はまだだけど、交流があるのに黙ってるのはやり辛いもの」


公爵夫人としての決定に、私もルシウス様も同意した。

本来なら安定期を過ぎてから周囲に知らせるものだが、身内には先に言っておかないと。

そんなやり取りの後にお義母様が祝いと報告の返事を出し、お義姉様夫妻が受け取り直後に突撃訪問してきた。



◇◇◇◇◇◇◇


「レスター公爵家では、もう周知したんですか?」

「来週よ。今日は準備の息抜き」

「なるほど」

「と言う建前で、旦那様がパパ友を作りに来たの」

「なるほど……?」

「わたくしが気付くの遅かったから、テオドール様もまだ浮かれ中なのよ。同じような浮かれ義弟と一緒にいたら、ちょっとは落ち着くかもって」

「無理じゃないですか?」

「そうね、たぶん無理ね」


ルシウス様が落ち着ける訳ないし、そんなルシウス様と一緒にいたらより一層浮かれること間違いなしだ。

夫たちのいる方を見ると、何かを拡げてた。


「……?アレ、なにしてるんですか?」

「ミューなら知ってると思ったけど。グリフィス領の商人が持ってきたのよ?」

「うち、ですか?」

「まだ公表する前の、テオドール様が厳しい顔で浮かれてた頃にね。『何やら喜ばしい気配が致しましたので、お呼びでないことは承知の上で馳せ参じました』って」

「その口上はポルカ商会ですね。あそこは耳が長くて早いのが特徴です」

「それでアレを渡して来たの。『ご一読いただき、お気に召したらばぜひとも当商会をお使いくださいませ』ですって」

「怪しさ満載ですけどね。使いました?」

「即日」

「早。で、なんですか?」

「名前を聞き取れなかったのよね。か、カタ……子ども向けの商品の情報が載ってるのよ」

「あぁ、カタログ?」

「それ」


懐妊した、と公表する前ならいくら公爵家とは言え子ども用の商品を買い集めるのは難しい。

商人を呼ぶにしたって、あらかじめ子ども向けの商品を持ってくるよう命じたら、そのことがどこかで漏れないとも限らない。

ポルカ商会の用意したカタログは、子ども向け商品を扱ってるお店の案内だ。

客が直接買い付けるのではなく、商会が仲介して荷の持ち運びをすることによって、どこの家へ何が届くかわからないようにする。

まあ、最初はそんな意図もなく「当てずっぽうで荷物持ってくとか、効率悪い!」て叫んだ令嬢がいただけなんだが。



「旦那様がすっかり嵌っちゃって。子供部屋に物が溢れたから取り上げたの。そしたらルシウスにも見せるから!て言い出したのよ」

「あらま。お義兄様がそこまでとは」

「ルシウスも、釘刺しとかないと際限なく買い付けるわよ」

「そうですね。……ルシウス様ー、私の許可なしで買った商品は返品しますよー」


ルシウス様に声を掛けると、弾かれたように顔を上げてあたふたし出した。


「ミュー!ちょ、ちょっと待って今説明に行くから!」

「プレゼンは一日一商品しか聞きませんー」

「え?!いや、これ、え、この服?こっち?義兄上、さっきどっちって言ってました?」

「コレとそこだな。だがその前にも見付けてなかったか?」

「あ、そうだ!こっちのページにも……あれ?ここ見たっけ?」


駄目だこりゃ。


「ノア、ルシウス様にメモ渡して。お義姉様、あのカタログは貸していただけるんですか?」

「驚くことにねミュー、アレ月齢別に三冊渡されたのよ」

「抜かりないわ……ルシウス様、お借りできるそうですけど。どこかに置きっぱなしにしたら、サリーに持ってかれますからね」


ギョッとしたルシウス様が、壁際のサリーに目を向ける。

サリーはまたもやニヒルに笑っていた。


「サリー!駄目だよ、これは僕が義兄上からお借りするんだから!」

「若旦那様。お言葉ですが、若奥様が忠告なされたのに置きっぱなしにする、これすなわち私めに下賜されるために置いておられると言うことです」

「違うよ?!」


焦るあまり常に携帯しようとするルシウス様にお義姉様がため息をつき、ノアが目を光らせることでようやく落ち着いた。


◇◇◇◇◇◇◇


「ルシウス、大喜びしたでしょう?」

「それはもう。大号泣でくっついてくるので、だいぶ蒸し暑かったです」

「鬱陶しかったら言っていいのよ?」

「もちろん。言いました」

「既に鬱陶しかったのね……」

「ひっついてくるくらいならそうでもないんですけどね。お腹を触りたがるんですよ」

「は?」

「経過を確認したいとかで。膨らんでいく様子を知りたかったそうです」

「何してるの……」

「初めは恐る恐る触ってたんですけど、段々遠慮がなくなって、なんかずっと触ってるんです。まぁそれでも今はまだ浮かれてるから仕方ないかと思ったんですけど」

「どんなに浮かれても、テオドール様はそんなことしなかったわ」

「浮かれ方の違いですかね?ただそれが騒ぎ出したのはさすがに耐え切れず」

「騒ぐ?」

「食後の膨れたお腹を触って『膨らんでる!すごい!』とか言ってたので、『セクハラで訴えますよ?!』って叱ったり」

「それはないわね」

「逆に消化して戻ったお腹を触ったら『萎んじゃった!子どもは無事?!』とか医者を呼びそうになって」

「鬱陶しい……」

「はい。『鬱陶しい!』て叫びました。案の定メソメソです」

「鬱陶しいわー」

「それも私の背後から抱き着いてきながらメソメソしてて、しかも結局お腹は触ってました」

「本当に鬱陶しい!」




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― 新着の感想 ―
うわぁ……ミューのマタニティライフ、すごぉく大変ですね ところでルシウス様の好みがミュー、って義父が言っていた件はあれは容姿が好みだったという意味でよいのでしょうか、 でもよく息子の好みの女性知って…
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