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三象の消滅

御高(おたか)の呪いごっこにつき合わされた三象(さんしょう)はすさまじい神通力の消耗に見舞われていた。


三象がもだえ苦しんでいた。


「うあああああ!!!うああああ!!!」


三象は神朽(かみくい)の呪いを何度も食らってさらに神通力をたくさん消耗させられていた。


一方の御高は満足した様子で三象にこう言ったのだった。


「かなり楽しかったわ三象。たくさん神通力も減らせたみたいだし、また遊びましょうね。」


御高は楽しそうにそう言うと後ろに下がっていったのだった。


「ざけんなあああ!!イカレ人形が!!」


三象は再び別の神器であるロマネスの槍を使おうとしたが、ハッっと我に返ったのだった。


「ダメだ。これ以上神器を消滅させてしまったら、いくらリグロ討伐の功績ができてもセルティア様の逆鱗に触れてしまう。」


そして取り出した神器を泣く泣く片づけたのだった。


三象が大声で怒鳴り散らす。


「くそう!!この三象様が大女神セルティア様の代行者たるこの三象様が何もできないなんて!!オバケごときにリグロごときに遅れを取り続けるなんて!!さっきから神通力を失うばっかりだ!!神通力が回復さえすればこんなゴミ連中に一発でやっつけてやるのに!!!くそう!!くそう!!」


一方のリグロ達は御高をねぎらっていたのだった。


「御高殿、大活躍でしたな。」


御高がリグロに言った。


「ありがとう。」


無色が御高に言った。


すると三象がこう言ったのだった。


「ええい、くそ、何の価値もない奴を頼るのは正直嫌だが、こうなったらそんな事も言ってられない。おい、フウキ!!テメエの神通力をよこせ!!」


この三象の命令にフウキは黙っていた。


「こんなゴミ共の始末もできない無能なテメエでも神通力でなら、この三象様の役に立てるわけだ。だからさっさとテメエの神通力を全て渡せ!!お前なんか消えたって何の問題もないからな。」


三象はフウキに神通力を全て差し出すように命令をしたがフウキは相変わらず黙っていた。


三象が大声で怒鳴りつける。


「おい!!フウキ、さっさと神通力を渡せ!!この三象様の神通力はもう1割を切ってるんだよ!!テメエみたいな何の価値のない神なんざ消滅したって全然構わないが、このセルティア様の代行者たる三象様が消滅する訳にはいかないだろうが!!テメエみたないなゴミみたいな神でも神通力のたしにはなる。だからさっさと寄こさないか!!」


するとここまで黙っていたフウキが三象にこう話したのだった。


「それはできません。」


三象は意味が分からないように答えた。


「なに?」


フウキが三象に言った。


「三象?あなたにはここで消滅してもらうのですから。」


三象がフウキに言った。


「なんだと??どういう意味だ??」


フウキが三象に言った。


「まだ気がつかないのですか?先ほどから神通力の回復ができていない、それが何を意味するかは三象あなたもよく知っているはずですが?」


「ま??まさか???」


三象はフウキの言いたい事にようやく気が付いたようで、慌てて九木礼町の聖域の確認を行ったのだった。


三象が驚いて言った。


「なんて事だ??セルティア様の聖域が消失してるだと??しかも忌むべき土地になってやがるじゃないか。」


フウキが三象に言った。


「忌むべき土地とは言ってほしくないですね。ようやく九木礼の人々を天の導きという悪しき呪縛から解放する事ができたのですから。」


三象がフウキに言った。


「フウキ!!テメエ裏切りやがったのか!!」


フウキが三象に言った。


「はい、私は晴南さん達を守りたいと思いました。ですのでゼルゴン殿と手を結びました。この地は黒輪(こくりん)殿の復活により、セルティアの聖域が消えて、闇の勢力圏に戻っています。」


三象がフウキに言った。


「ふざけんな!!この三象様を裏切るなんてあってはならない事だ!!神のくせに魔王と手を組むなんて!!ましてやこの三象様を裏切るなんて到底許されない事だぞ!!分かってんのか??」


するとリグロが三象に言った。


「勝手な言い草だな。セルティアやお前はこの世界の人々に対して非道の限りを尽くしてきたではないか??そんなお前がフウキ殿をどうこういう資格があるとはとても思えないが?」


三象がリグロに言った。


「馬鹿野郎!!この三象様はセルティア様の代行者なんだから何をしてもいいんだよ。お前らはゴミ共はダメなんだよ!!そんな事常識だろうが!!」


無色はリグロに言った。


「まったくお前達の考えは理解に苦しむ。なぜ自分達の非道だけ問題ないと考えられるのだ??」


三象が大きな声で言った。


「いいか!!セルティア様の行いやこの三象様の行いはどんな時でも正しいんだよ。どんな非道な行いでもこの三象様が行えばそれは善行であり、ありがたい奇跡なんだよ。逆にお前らゴミ共が善行を行ったとしてもそれは善行じゃねえ、お前らゴミ共が行う行為は全て悪行であり間違っているんだ!!それぐらいちゃんと理解しやがれ!!」


リグロがため息をつきながら言った。


「相変わらず傲慢の限りだな。まあ今更といえば今更だがな。」


三象が大声で言った。


「そんな事よりもフウキ!!はやく神通力を渡しやがれ!!」


フウキが三象に言った。


「ですから、それはできません。」


三象がフウキに言った。


「おい、この三象様が負けてしまうじゃないか!!なんでもいいからはやく神通力をよこせ!!」


フウキが三象に言った。


「ですからそれはできません。」


三象が茫然と言った。


「おい??まさか??嘘だろう??このままだとこの三象様が負けてしまうじゃないか?この三象様が負けるっていうのか??こんな奴らに??こんなゴミ共に??」


フウキが毅然と三象に言った。


「そうです、あなたにはここで消滅してもらいます。」


三象が悔しそうに大声で叫び続けた。


「ちくしょう!!ちくしょう!!ちくしょう!!この三象様が負けるなんて!!セルティア様の代行者であるこの三象様が、よりもよってこんなゴミ共なんかに!!!ちくしょうちくしょう!!!」


すると三象がこう言った。


「くううう!!こうなったら仕方ない!!」


三象は後ろを向くとそのまま走って逃げだしたのだった。


リグロが言った。


「さすがの三象も神通力の消失が大きくなりすぎて逃げるしかないようだな。」


リサーナがリグロに尋ねた。


「リグロ様??このまま三象を追撃をかけたいと思います。どうかご指示を。」


リグロがリサーナに言った。


「いやその必要はない。事は終わった。リサーナそれにパテウスはここでしばらく待機していてくれ。」


リサーナがリグロに言った。


「リグロ様??三象の撃退には成功したましたが、このまま三象に明井田まで逃がすのがいい手とは思えません。」


パテウスがリグロに言った。


「リグロ様、リサーナの申す通りであると思います。三象が明井田の地にて体制を立て直そうとしているのは明らかかと。ここは三象を明井田まで逃がさぬのが肝要かと思いますが。」


すると御高がパテウスに言った。


「その心配はしなくていいわ。三象は明井田まで逃げられないわ。あいつはもう詰んでるわ。」


「詰んでる??」


「ええそう、三象は逃げきれないわ。」


リグロがパテウスに言った。


「御高殿の言う通りだ。それに我々が追いかけてしまったら二次被害も出かねないからな。」


すると御高がリグロに言った。


「そろそろあの子達を連れてきてもいいんじゃないかしら。」


「そうですな。」


一方の三象は大声で怒鳴りつけながら道なりに進んで明井田に戻ろうとしていた。


「くそう、ふざけやがって!!フウキの奴、覚えてやがれ!!ここから出たらテメエをいの一番で潰しに戻ってきてやるからな。幸いあのゴミ共は追撃の重要性も理解していないみたいだからな。この調子ならなんとか明井田まで逃げきれるだろう。まあ所詮はオバケふぜいにそんな知恵があるわけもないな。」


そして三象は九木礼トンネルの前までやってきたのだった。


「ったく、辛気臭いトンネルだな!!明かり一つないとはな。」


三象は大声で怒鳴り散らしながら九木礼トンネルの中を進んでいったのだった。


「くそう!!こんな場所をこの三象様が歩く羽目になるなんてな!!」


「まあいい、この町の外まで戻るまでの辛抱だ。神通力さえ回復させればあんなゴミ共なんかどうとでもなる!!他の価値のない神々と一緒に容赦なく消してやるからな!!ギャハッハッハ!!ざまあみやがれ!!!フウキ!!リグロ!!!」


三象が大声で喚き散らしていると、幽霊達がどこからともなく三象の周りに集まってきたのだった。


そして三象は幽霊達に取り囲まれたのだった。


その幽霊達を見た三象が大声で怒鳴り散らした。


「なんだテメエらは??価値のないゴミ幽霊共がとっとと消えやがれ!!この三象様の行く手を遮るんじゃねえ!!!」


三象は大声でそう叫んだが幽霊達は一向にどく様子はなかった。


それどころかどんどん幽霊達の数が増えていったのだった。


幽霊達は恨めしそうに三象を睨みつけたのだった。


「おい!!ゴミ幽霊共!!聞いてやがらないのか!!とっととどきやがれって言ってんだろうが!!!オバケふぜいがいきがってんじゃねえぞ!!このゴミ共!!この俺様が誰か知らないのか!!セルティア様の代行者の三象様だぞ!!!テメエらごときがこの三象様の行く手を遮るなんて許されねえんだよ!!」


三象は自分を取り囲んでいるのが下っ端の幽霊達だと勘違いして、お構いなしに大声で怒鳴りまくるのだった。それが致命的なミスであるとも知らずに。


一方リグロや御高達は晴南と優斗と晃太を連れて九木礼トンネルの出口へとやってきていたのでした。


晴南が柚羽に尋ねた。


「どう??柚羽??」


幽霊の柚羽が晴南に言った。


「予定通りの展開になってるよ。さっきから千亡(せんもう)さんの霊力拡散が始まっている。さっき千亡(せんもう)さんにもうすぐ三象がやってくるから気をつけてくださいって伝えてきた所だよ。


リグロが言った。


「あいかわらず千亡殿の霊力拡散はすさまじいな。」


柚羽がリグロに言った。


「千亡さんは霊道の重なる場所に根を下ろしているから、いくらでも霊力拡散ができるからね。」


晃太が柚羽に言った。


千亡(せんもう)さんは敵に回すと厄介だが、味方にすればこれほど頼もしい相手もいないな。」


するとリサーナがリグロに言った。


「なるほど、リグロ様はこれが分かっていたのですね。」


リグロがリサーナに言った。


「ああ千亡殿は音を出されるのを嫌われるからな。下手に三象を追いかけて大勢で九木礼トンネルにでも入ったら千亡殿の怒りを買ってしまう事も考えられるからな。」


御高がリサーナに言った。


「三象が九木礼トンネルを通って明井田に逃げようとした時点でこの勝負は決まったわ。三象の性格からみて千亡を怒らせずこの九木礼トンネルを無事に抜けるなんて芸当はできないはずよ。」


すると柚羽がみんなに言った。


「みんな??千亡さんの霊力拡散が終わったみたい。」


リグロが柚羽に言った。


「片がついたみたいだな。」


すると三象がトンネルの中からボロボロになりながら出てきたのだった。


「なっ??まさか九木礼トンネルを無事に抜けてくるなんて。」


慌ててリグロ達が身構えたがすぐに警戒を解いたのだった。


するとリグロが言った。


「いえ大丈夫のようだ。三象の神通力はもう完全に尽きている。もうこやつには何もできない。残っている残滓も少しすれば消えるはずだ。」


晴南が安堵した様子で言った。


「なんだ、ビックリした。」


すると三象は何かを尋ねているようだった。


「・・・な・・ぜ・で・・す・か?」


ゆっくりとした声で三象が晴南に尋ねたのだった。


「勇者様方??なぜですか?なぜこの三象ではなくリグロの味方をするのです?」


晴南が三象に言った。


「そんな事言わなくても分かるでしょう?あんた達が地球の人達にひどい事をしてるからでしょう。」


三象が小さな声で言った。


「そいつは魔王の手先なのですよ。」


晃太が三象に言った。


「肩書きどうこうの問題じゃない。お前達がやっている非道な行い自体が大問題なんだ。」


優斗が三象に言った。


「セルティアや三象?あなた達は地球の人々に対して外道の限りを尽くしました。そして態度も傲慢そのものだった。一方のリグロさん達はちゃんと僕達に対して礼を尽くしてくれたし、僕達を守ろうとしてくれた。どっちの味方をするかなんて聞くまでもないんじゃないですか。」


晴南が三象に言った。


「そうよ、三象?リグロさん達の味方をするに決まってるでしょう!!」


リグロが三象に言った。


「お前が滅ぶのは全て自業自得と言わざるおえない。」


三象がかすれゆく声で言った。


「理・・解・・で・・き・・な・・い・・。」


三象は最後にそう言うとその場に倒れたのだった。


リグロが言った。


「三象は完全に消滅した。」


晴南がリグロに尋ねた。


「リグロさん?私達は勝ったっていう事?」


リグロが晴南に言った。


「ああ、三象は倒された。我々の勝利だ。」


晴南は大喜びするのだった。


「やったー!!!勝った!!!」


御高が晴南に言った。


「おめでとう。でもまさか本当に三象を倒してしまうとは思わなかったわよ。」


晴南が晃太に言った。


「私達やったのね!!」


晃太が晴南に言った。


「ああ、俺達が勝ったんだ。」


優斗が晃太に言った。


「一時期はどうなる事かと思ったけど、うまくいってよかったよ。」


晃太が優斗に言った。


「ああこれもみんなで力を合わせる事ができたから乗り越えられる事ができたんだと思う。」


優斗が晃太に言った。


「うん、僕もそう思う。」


すると晴南が大きな声で言った。


「さあ早く三象を倒した事をみんなにも知らせにいきましょう。」

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