三象の苦戦
三象は一気に片をつけようと天地煌々(てんちこうこう)を発動したのだった。
リグロはうまくこれを回避していたのだが、三象はリグロを倒したと思い込んでいたのだった。
三象は不満げに言った。
「ったく、てこずらせやがって。まさか天地煌々(てんちこうこう)まで使う羽目になるとはな。まあこれでリグロを倒す事ができただろう。さあてとあとは勇者様を探すだけだ。さっさと勇者様を始末して辻褄を合わせないとセルティア様にバレてしまう。」
すると三象後ろから声が聞こえてきたのだった。
「残念だがまだ消滅はしていないぞ。」
「なに?」
三象が後ろを振り向くとそこにはリグロ達の姿があった。
リグロ達は地下坑道から出てきて、三象と雌雄を決するためにやって来たのだった。
「リグロ??テメエ??この三象様の天地煌々(てんちこうこう)を食らって無事だったのか?」
リグロが三象に言った。
「ああ、私も我が部下を無傷だ。全くダメージを負っていない。」
三象が苦々しい口調でリグロに聞いた。
「天地煌々(てんちこうこう)を回避しただと?テメエどんな手を使いやがった?」
リグロが三象に言った。
「そんなもの教える訳ないだろうが。」
三象がリグロに言った。
「まあいい、どんな手を使ったかは知らねえが、もう一度天地煌々(てんちこうこう)を使ってやるだけの事だ!!」
リグロが三象に言った。
「天地煌々(てんちこうこう)ほどの奇跡はとてつもない量の神通力を使うはずだ。いくら膨大な量の神通力を持っているとはいえあれほどの奇跡をポンポン発動する事ができない事ぐらい我々でも分かるぞ?」
すると三象は高らかに笑いながらリグロに言った。
「はっはっはっはっ!!なんでのこのこ出てきやがったのか、不思議だったがそういう事か。残念だったな!!確かに一時的にはこの三象様の神通力が4割近く減っている状態だ。この三象様でも天地煌々(てんちこうこう)を連続して使う事はできない。だがな、神通力っていうのは回復させる事ができるんだよ。セルティア様の聖域の中にいる限りこの三象様は神通力の供給をいくらでも受ける事ができるんだよ。そして地球上は全てセルティア様の聖域なんだ。つまりこの三象様はどんだけ神通力を減らそうがいくらでも回復できるのさ!!」
「まあテメエら魔物ふぜいはそんな浅はかな考えがお似合いだぜ!!今度こそ全員消滅させてやるからな!!覚悟しやがれ!!」
すると三象の後ろより声が響いてきた。
「リグロ殿、ご加勢いたします。」
「うん?」
三象がそちらを振り返ると黒輪や無色や御高を始めとしたオバケや幽霊達の姿があった。
オバケ達がリグロの所に駆けつけてきたのだった。
御高が言った。
「やっほー、遊びに来させてもらったわ。」
無色がリグロに言った。
「リグロ殿、我々も手を貸します。これ以上三象の好き勝手を許してはなりません。」
「おお、黒輪殿、無色殿、それに御高殿、感謝いたします。」
三象はオバケ達を見てとても驚いたのだった。
「なんだ?オバケ共がなんでこんなにウジャウジャといやがるんだ??」
三象が大きな声で言った。
「フウキの奴なにやってやがったんだ!!全く!!まだこんなにオバケ共が残ってやがるじゃないか!!全くどこまで使えないんだ、フウキの奴はよう!!」
御高達も大きな声を張り上げる三象を取り囲んでいったのだった。
リグロが三象に言った。
「形成逆転だな。」
三象がリグロに言った。
「はん、形成なんて全然変わっちゃいない。リグロ、テメエはこの三象様に消滅させられる運命から何も変わっちゃいない。」
リグロが三象に言った。
「そんな余裕ぶった事を言っていていいのか三象?数ではこちらが圧倒しているのだぞ?」
三象が笑いながら言った。
「はっはっは!!いいに決まってるだろうが!!数では圧倒している??それがなんだっていうんだ??いいかカスがどれだけ集まろうがカスでしかないんだよ!!カスごときがどれだけ集まろうがが何の問題にもならねえんだよ!!このセルティア様の代行者である三象様がお前らみたいなカス共なんぞに負けるわけないだろうが!」
三象がフウキに言った。
「おい、フウキ??あれを忘れているぞ??はやくやれ。」
フウキが何も答えずに黙っていると三象は大きな声でフウキに言った。
「おい!!フウキ!!はやくお前の奇跡でこの周囲を明るくしやがれ!!それぐらいなら無能なお前でもできるだろうが!!さっさと明るくしやがれ!!」
フウキは三象に何も答えずに黙っていた。
「いい加減にしろ!!フウキ!!この三象様のいる場所は常に明るくしておけと言ってるだろうが!!こんな真っ暗で辛気臭い場所にこの三象様を立たせてお前は何も感じないのか!!またっく!!」
すると三象は神通力の解放を行ったのだった。
「光の御座所!!」
三象は神通力を使って強力な光り輝く球体を出現させるのだった。
眩い光が三象の頭上に現れたのだった。
さらに三象は空中に浮かんでフウキに言ったのだった。
「いいか!!この三象様には光り輝く場所こそふさわしいのだ。光り輝く場所で優雅に振る舞う。これこそが三象様なのだ!!だからお前らみたいな何の価値もない地球の神はこの三象様の為に周囲を明るくしておおかなければならないんだよ!!ちゃんと覚えやがれ!!」
光の御座所によって三象の周囲がとても明るくなり、昼間のような明るさになっていた。
三象は基本的に明るい場所を好んでいるが、自分で周囲を明るくするだけの奇跡などは高位の自分がやるべき仕事ではないと考えて、フウキが神通力を使って明るくするのを待っていたが、いつまで待っても何もしなかったので自分で神通力を使って周囲を明るくしたのだった。
三象が大きな声で言った。
「さあ、この三象様が優雅にお前らを消滅させてやる。お前らには無様にのたうち回ってもらうぞ!!」
すると黒輪が三象にいった。
「いいや三象??暗闇の中で無様にのたうちまわるのはお主の方だ??」
「なんだと?」
すると黒輪は霊力拡散を始めたのだった。
「漆延黒展!!」
すると黒輪の真っ黒な球体からまるで墨汁が落ちるように真っ黒な闇が地面たくさんこぼれ落ちていった。
そして床に落ちた漆黒の闇が地面にどんどん広がっていき周囲の空間を漆黒へと染めていった。
周囲はどんどん暗くなっていきその漆黒の闇は三象の周りに集まっていった。
そして漆黒の闇が空中に浮かんでいる三象を包み込んで言った。
すると三象は地面に叩き落されて、三象が地面の上でのたうちまわったのだった。
「うあああああああ!!!」
漆黒の闇が三象を覆いつくしたのだった。
黒輪の霊力拡散によって三象が暗闇の中でのたうちまわっていた。
黒輪の霊力拡散が終わると三象はようやく暗闇の中で立ち上がったのだった。
「調子になるな!!!」
三象は再び光の御座所で周囲を明るくして空中に浮かぶと、大声でこう言ったのだった。
「オバケふぜいがよくもこの三象様を!!テメエから真っ先に消滅させてやろうか!!」
すると後ろにいた御高の声が響いてきたのだった。
「次は私にいかせて??」
「御高殿、お任せする。」
御高が三象の前に出ると御高自身も宙に浮かんで、三象と同じ高さまでやってきたのだった。
「さあ、今日は何して遊ぼうかしらね??」
三象は睨みつけながら御高に言った。
「あん?なんだテメエは??」
御高が三象に言った。
「私は御高っていうの??三象、あんたと遊んであげようと思って。」
三象が御高に言った。
「さっきから何言ってやがる??とっとと消えやがれ!!このイカレ人形が。」
「そうだ??お人形ごっこがいいわね?いいわ、そうしましょう。すぐに準備するわね。」
「おい!!ふざけた事ばっかりぬかしてるんじゃねえぞ!!このイカレ人形が!!この三象様の話を聞きやがれ!!」
「大丈夫よすぐに準備できるから。」
御高は三象には構わずに人形ごっこの準備を始めるのだった。
すると御高はどこからともなく三象と書かれた人形と小さなハンマーを取り出したのだった。
御高が三象に言った。
「まずは私からね。」
すると御高はその人形を霊力で空中に固定させると、手に持った小さなハンマーでその人形を叩き始めたのだった。
御高はその人形をハンマーで叩いていったのだった。
すると10回ぐらい叩いたところで、その三象と書かれた人形はパカっと真っ二つになってしまうのだった。
すると三象が大声で苦しみ始めたのだった。
「うああああああーー!!!」
すると御高が三象に言った。
「どう?呪いの人形ごっこよ。神朽という神様専用の呪いよ、これなら神ですら朽ち果ててしまうわ。女神の代行者である三象あんたにも効果は絶大みたいね?」
御高の言うとおり、三象は大きなダメージを受けていたのだった。
「うあああああ!!!ぐああああああ!!」
三象は苦しみのあまりに地面に叩き落されるとそのまま、真っ暗な地面の上でのたうちまわっていたのだった。
三象の悲鳴が響き渡っていた。
「うあああああああ!!!」
御高が三象に尋ねた。
「どう、呪いのお人形ごっこは??気に入ってもらえたかしら?」
三象が大声を張り上げた。
「許さねえぞ!!!このイカレ人形が!!!!消滅しちまえ!!」
すると三象は光でできた聖剣をとっさに取り出すと、それで御高を真っ二つに両断してしまったのだった。
真っ二つにされた御高が地面へと落ちっていった。
もっとも三象の方も御高が行った神朽によって激しく消耗していたのだった。
「はあー、はあー。思い知ったか、このイカレ人形が。」
三象は少しの間笑みを浮かべていたが、すぐに顔を蒼くするのだった。
「あっ!!しまった!!セルティア様からお預かりしている聖剣ミルスをとっさに使ってしまった。」
三象は強力な神器をセルティアより預かっていたが、使用する場合は事前にセルティアの許可を取らなければならなかったのだ。
聖剣ミルスはセルティアから預かっている神器の一つであった。
三象は御高に追い込まれてとっさに聖剣ミルスを使ってしまったのだった。
三象は慌てて握った聖剣ミルスを確認する。
「ヤベエ、霊力に当たっちまってる。」
三象は神器の聖剣ミルスを確認すると、御高の強力な霊力に触れてしまいそのまま消えてしまったのだった。
「ああああ、どうすりゃいいんだ。セルティア様からお預かりした聖剣ミルスを消してしまった!!」
一方の御高は聖剣ミルスで真っ二つにされて地面に落ちてしまっていた。
その御高の元にリグロ達が駆け寄ってきたのだった。
「御高殿??大丈夫か??」
だが御高の人形の体は真っ二つにされてしまっており、とても大丈夫な様子ではなかった。
「残念です。」
「なんという事だ。御高殿。」
みんなが悲しみに暮れていると御高の声が響いたのだった。
「ちょっと神通力を払ってもらえない??」
みんな驚いてキョロキョロしたのだった。
「えっ??」
引き続き御高の声が響いた。
「霊力拡散で私の体についてる神通力を払ってほしいのよ。」
「ああ、分かった。」
すぐにリグロは霊力拡散を行って神通力を払い飛ばしたのだった。
「これでいいかな?」
御高の声が響いた。
「ああ、ありがとね。よいしょっと。」
そう言うと真っ二つにされた御高の日本人形の体が元通りにくっついたのだった。
そして何事もなかったかのように御高は立ち上がったのだった。
「よし、これで元通りね。」
リグロが御高に尋ねた。
「御高殿??真っ二つにされたのは大丈夫なのか??」
御高がリグロに言った。
「ええ真っ二つにされたぐらいなら全然平気よ。」
御高がリグロに尋ねた。
「ねえもう一回三象と遊んできてもいいかしら?神朽であいつの神通力も相当減らせるみたいだし。」
リグロが御高に言った。
「ああ、別に構わないが。」
「ありがとう、それじゃあ行ってくるわね。」
御高はそう言うと三象の所に向かっていったのだった。




