狂王戦(6)
アリスはその光景に圧倒されていた。ヴァンの姿は黒い鎧黒い兜、巨大なその紋様が黒く光る。その姿は化物としか言えないほどに凶悪で凶暴でその強さを物語っている。
ハルに当てようとする拳が地面を叩きつける。地面が揺れる。ダンジョンボスの部屋の床が粉々にされひび割れる。巨大な身体に見合わない素早い動きはハルをとらえるためにアリスでも、捉えられないような動きであった。目で追うのが精一杯である。しかし、そのヴァンの攻撃にハルは追いつきカウンターを繰り出す。
「アハハハハハハハハ。ソウダコレダ。オレノモトメテイタモノハ!!!!!!」
「く・・・!」
拳を当てたと思ったら逆に削り取られる腕。それでもいい、そんなことを考えているほどであった。ハルは、その隙をついて腕を切り落とそうとするが、ブライトバスターでも切り落とせないほどの強度であった。しかし削り取れる。
(コイツはさっきよりも速くて硬い装甲になってる。でも、壊せないほどでもない!!!)
ハルは止まるわけにはいかなかった。止まった瞬間この男の腕が俺を殺すと。そんなわけにはいかなかった。
「もうこれ以上!仲間を気づけさせない!!」
ハルは攻めていく。四方八方からくる攻撃をかわしながらハルは戦う。そして、後ろに周り込む。
「!!」
しかし、背中の装甲を削ることはできなかった。代わりに尻尾が襲ってくる。その尻尾をハルは剣で受け止め
「ナ!?」
腕で掴み、ヴァンを吹き飛ばす。
「ガアアアアアアアアアアア!!!!!」
尻尾を掴まれ投げ飛ばされたヴァンは呻く。ハルはその瞬間を狙って動き出そうとするが、
「グハッ・・・・」
全身が悲鳴をあげ、口からは血を出してしまう。その姿をみてヴァンは言う。
「・・・ソウダヨナ!イッカイ、オレガオマエノハラニアナヲアケテヤッタモンナ!!!」
そして、すぐに間合いを詰めてくる。そして、ヴァンは腕でハルを吹き飛ばそうとする。
「ぐ・・・」
間一髪のところでハルはブライトバスターを盾にして直撃を回避する。しかし、勢いは止まらず。吹き飛ぶ。
「ハル!!!!!!!!」
吹き飛ばされてしまったハルを心配してアリスは叫ぶ。しかし、その心配を吹き飛ばすようにハルは一瞬でヴァンの方に向かう。
「イイナイイナ!!!!ハル・タラリス!!!!!!」
迎え撃つヴァンの拳とブライトバスターが音を鳴り響かせる。
(もっと強くもっと強く!!!振り抜け!!!!!)
願い乞う剣士は剣を振るう。仲間のために仲間のためにと。そして、その願いは次第に叶う。
「!!!!!」
また、もう1度後ろに周りこんだ。ハルのブライトバスターはヴァンの尻尾を切り落とす。そのことがわかったヴァンは少し距離を取る。
(トウトウ、シッポマデキラレタ???!コイツハマダセイチョウスルノカ!!!!)
そして、ハルのブライトバスターを見る。さっきと変わらない。しかし、ハルは尻尾を斬ってきた。
「・・・」
「!!」
すると、ヴァンは赤い剣を構える。もう拳で受け止めるわけにいかなくなったと判断したからであった。そして、赤い剣を振るう。その剣を受け止めていくハル。普通はそれを持ったヴァンが勝つと思うだろう。しかし、そんなことはなかった。なぜなら、
「ガガ、ガガガア!!!!!」
「ああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
もう、ハルの成長速度はヴァンを上回る。ヴァンは日に日に剣を止められなくなる。削り取られる鎧、徐々に元の姿に戻っていく。
(ナンナんだこいつ!!ドレだけツヨクなる?)
しかし、ヴァンの中にはもう怒りはなかった。むしろ自分の限界を思い知らされていた。そして、ほぼ元の状態に戻っていた。もう限界であった。しかし、それはハルも同じであった。
(血が止まらない・・・でも、あと少しあと少しだけ保て!俺の体!!!!)
ハルの足元はハルの血で溢れかえっていた。そして、決着は近づく。
「はあはあ・・・」
「ぐあ・・・あ・・・」
動きが二人共止まる。そして、二人共剣を構えなおす。そして、次の瞬間
「「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」」
ふたりの剣が交差した。
そして、倒れたのは、ヴァン・デスモンド。
今回の勝者は
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ハル・タラリスであった。




