進め進め!
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
進む。ただひたすら。ゴブリンを1匹倒した後はとにかく切ることしか考えることができていなかった。
「あー剣ボロボロ。体痛すぎ・・・・なにこれ、あはは」
笑うことしかできないくらい体はボロボロ。けど
「進むんだ・・・・・!」
そのことしか頭になかった。
グルルルル・・・!
「新手の登場か・・・・」
僕の前の前にいたのはオオカミのような黒い毛をしたブラックファングが数十頭。
「絶体絶命か・・・・いいけど別に、来いよ」
グルルルルルルルルルルルッルル!!!!!!!!!!!!!!!!!
それを聞いたブラックファングの群れが襲い掛かってきた。
「よいっしょ!」
キャウン!
僕はまず一匹を蹴り倒し2匹目を剣で受け止めた。
ガブ!
「ぐ・・・・」
2匹の相手をしている間に後ろから3匹目が肩にかみついてきた。
「ど・・・け!」
キャン!
僕はそれを振り払い、2匹目を切り裂く。そして、3匹目が攻めてくる前に前に倒れるように剣を押し付けた。
「・・・三匹目」
(・・・くそ、痛い。肩上がらない)
しかし、すぐにブラックファングの群れは僕に襲い掛かってくる。
あーまだいるのかと思いつつ、
「きやがれこのやろう!」
再び剣を構えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、気づいた時には目の前にあるのは床だった。
(ここ、どこだ。あれなんで。やばいやばい。立てよ。いつ倒れた?ブラックファングは・・・もういないみたいだ。けど、ここダンジョンのど真ん中だぞ?)
そして、ハルの耳に聞こえるのは床に響く足音。
「・・・な・・・んだ?」
見上げた先には
巨大なゴーレムがいた。
そんななかハルは思ってしまった。
(ああ、頑張って進むなんて言ったのに体痛いし、指一本動かねえ。まあ、最後にあんなゴーレム見れたからいいかな。あーでも)
そして、巨大なゴーレムの足はハルの頭上に
(やっぱりもっと)
落ちて
「頑張って生きたかったなあ」
「・・・・マジックボール[ファイア]」
ボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
誰かが言ったその一言でゴーレムはハルの頭に足が行く前に倒れた。
ハルはそれを見て、
「なん・・・・だ?」
と声をかすかに出し、
「・・・・大丈夫?」
目の前にいる女の人の声聞いた瞬間
気を失った。