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女監査委員の実力

 

「アリス!右からブラックファング!」


「了解!」


 ダンジョンの中に剣撃の音や魔法の詠唱が鳴り響く。ハルたちは、今10階層まで来ていた。6階層、7階層、8階層をクリアしてきた。6階層は特にこれといって目立ったモンスタは、出てこないで難なく進めた。7階層では、ゴーレムの大群が襲ってきたがハルの活躍により撃破できた。ゴーレムのゆっくりな動きをあざ笑うかのようにハルは目にも止まらぬ速さで的確にゴーレムの頭を粉砕、止めはアリスの下級魔法とアリスに疲労を感じさせなかった。

 8階層では、キングゴブリンの来襲、そして9階層では、スケルトン軍団。あんなに苦労して倒したキングゴブリンであったが、今回は1体だけだったので、ゴブリンを呼ぶ前に倒すことができたのだ。そうキングゴブリンは何体も出てくると脅威になるが、1体だけであれば上級ダンジョン者にとっては簡単に倒すことができるのだ。

 また、スケルトン軍団は、ダンジョン攻略者のようにまるでパーティーを組んでいるかのように連携が取れていた。苦戦を強いられていたが、パーティーの要となるスケルトンヒーラーを倒すことに成功し、その後は崩れたところに総攻撃を仕掛け、勝利。どの階層でもアリスやクレアの魔法を多く使うメンバーの疲労を最小限に抑え進むことができていた。なぜそんなことができたかというと理由があった。


「ハル、アリス!二方向からゴーレム2体!」


「「了解!」」


 ハルとアリスは逆方向から来たゴーレムに向かって駆け出す。しかし、


「!やばい!!前方にキングゴブリン!!誰か足止めを!!」


「私が行きます!」


 そうミーシャが言い、キングゴブリンに向かって走り出す。しかし、その必要はなかった。キングゴブリンがゴブリンを叫ぼうと口を開くが、


「狂歌」


 次の瞬間右から出てきた影に首を吹っ飛ばされた。その影とは


「おお・・・さすがリアナ」


「何度見てもすごい速さでパワーあるな」


「アサシンの十八番奪われた気分です・・・」


「いや、アサシンにはまた違ったいいところがあるんじゃない?」


「あなたたち!こっちには気にせず残りのゴーレムを倒しなさい!」


 リアナ・ルイヘンであった。リアナの体はあの白い肌に黒い文様が浮き出て、目はあの青い目から赤い目に変わっていた。


「さすが狂戦士ってところですかね・・・」


 狂戦士・・・拳士のように拳で戦う超近距離の戦うのを得意とする職業である。ステータスは基本的にパワーとスピードあるステータスである。そこまでは拳士と変わらないのだが、その特徴は《狂歌》というスキルである。《狂歌》は、一時的にステータスを数倍に引き上げる。その力は本人の実力よりはるか上にいる相手に対応できるほどである。しかし、時間は限られていて、使うたびに体力を消耗する。


「ふう・・・あらかた片付きましたかね・・・」


 あたりにモンスターがいなくなるとリアナはそういった。なぜここにリアナがいるか言うと・・・フォッカの差金であった。ミノタウロス撃破のために戦力の補強のために担当であるリアナを今回導入したのだ。


「しかし、こんなにリアナさん強いんですね。監査委員っていうからそんなに戦闘向きじゃないと思ってました」


「チームの中には無理やり力でねじ伏せようとしてくるものもいますからね・・・さあつきましたよ」


そして、ハルたちは、10階層のボスエリアの扉の前にたどり着いた。

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