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バイス戦(2)

 

 アーサーが他のバイスのメンバーを倒していたころ、アリスはある3人組と向かい合っていた。


「あなたたちがクレアをさらったの?」


「キシシ!さらったなんて人聞きの悪い」


「そう俺たちは金目になるものをもらってきただけだぜ」


「・・・話を聞いてももう無駄のようね」


 アリスは人間の二人が言っていることに嫌気がさしてきて、臨戦態勢に入ろうとした。




 その瞬間。




 ガキン!!!!!



「な!」


 その硬質な音がしたと思うとアリスの後ろには何かにはじかれたように吹き飛ばされている3人組の一人の獣人がいた。


「オールリフレクト。あなたが後ろから狙ってくることぐらい予想できたわ。でも、結構速い。それはスキル?」


「く・・・お前ら戦闘態勢をとれ!」


「おう!」


 淡々というアリスに戸惑いながらも3人組は改めてアリスを取り囲んだ。そして、今度は人間の一人と獣人が突っ込んでくる。


「・・・エンチャント[戦姫の加護]」


 それに応じるかのようにアリスはステータス強化の魔法を唱え、剣を抜いた。


 カンカンカン!!!!!!ガキン!!!!!キンキン!


 突っ込んできた二人はものすごい速さで斬りかかってくるが、アリスはほぼ同時に来る剣を軽々と流す。


「おいおい、なんだそりゃあ・・・!」


「こいつ明らかに魔法使いじゃねえのかよ・・・!」


 斬りかかる二人はあり得ない状況に困惑していた。今までは不意打ちや1撃で殺せるものばかりだった。じゃあ、今のこいつはいったい何なのかと。


「降参するなら今」


「「ふざんけんなあー!!!!」」


 明らかに挑発するようなアリスの言葉に同時に突っ込んできた二人だったが、


「チェーン・ロック」


「「??!」」


 アリスが唱えたと同時に突っ込んできた二人の周りには突如鎖のようなものが出てきた。不意を突かれたということもあり、二人は鎖に巻きつかれ、地面に落下した。


「ぐうう」


「こんなことが・・・」


「チェーン・ロック・・・自分の1m以内に来たものを捕縛する鎖が出てくる。まあ、不意じゃないと決まらない」


 動きのとれなくなった二人を見下ろしながらアリスは言った。そして、


「あとは、お前だけ」


「キキ!!!」


 後ろにいた魔法使いに向かって歩いていくアリス。


「キキ!や、やめてくれ。分かった、俺が悪かった!」


「・・・」


 魔法使いはぺこぺこと頭を下げたがアリスは歩くのをやめない。


「キキ!勘弁してくれえ!!!!お願いだよお」


 後ずさりしながら懇願するがアリスには関係なかった。そして、


「いやああああ」


「これでおしまい」


 アリスが杖を振りかざす。























「キシシ!なあああああああああああああああんてああああああああ!」


















「?」


 急に豹変する魔法使いに首をかしげてるアリス。


「お前がゆっくりとしていたおかげでこの魔法は完成した!」


 魔法使いは杖を振りかざし、上機嫌に言う。


「くらえええ!






 スリープ・スリープ!





 」


 魔法使いがそう唱えるとアリスの周りには白い霧ができてきた。そして、その霧はアリスを包み込んでしまった。


「キシシ!どうしてあの魔族が眠らされたと思う?それはこの俺の睡眠魔法、スリープ・スリープなのさ!対象を一定時間見ていないと発動できないが、発動したら最後眠りにいざなう霧がお前を襲うんだよ!キシシ!」


 霧に包まれるアリスを見て高笑いする魔法使い。








 だが、










「なるほど。これでクレアを眠らせたのね。確かにこれはすごい」









「キキ!?」


 そこには何もなかったかのように立っているアリスの姿があった。


「お前なんで・・・!」


「私が何も用意してないと思ったの?」


「な・・・に?」


アリスの言葉に動揺が隠せない魔法使い。そしてアリスは言う。


「エンチャント[精霊の加護]・・・全種類のダメージ軽減、そして・・・状態異常無効化」


「な!」


そうアリスはこのアジトに来る前にエンチャント[精霊の加護]をつけていた。何が起きても大丈夫なように。


「・・・覚悟はいい?」


「キシ!!?お願いしま・・・」









「ボルカニックタワー」







ボアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!



「ぎゃあああああああああああ」


アリスはまた懇願しようとした魔法使いの言葉は最後まで聞かず、魔法使いを赤い炎の柱に包んだ。


「燃えて悔い改めて・・・あなたたちはどうする?」


「「ひいいいいいいい」」


アリスの繰り出した魔法に恐怖した二人はただ叫ぶしかなかった。


「あとは、頑張ってハル」


アリスは目の先にいる男の子に向かうようにそういった。


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