9話 想い
・・・フェルフィスカの
・・・一族なの?
深夜 1時
フェルク騎士団 訓練施設
リアナ「・・・
水色の輝きが
リアナの周囲を
漂っている
アズベス「なんだ
フェルフィスカって?」
シユ「・・・
・・・滅びの
・・・魔女だよ?
アズベス「滅び?」
シユ「・・・10億年前に
三回目の
エンド・ワールドを
起こした元凶
文字通り
世界を終わらせた
アズベス「・・・」
シユ「だから
隠してたんだわ
フェルフィスカって
今でも
忌み嫌われてるもん
クロス「・・・」
リアナ「・・・
・・・あなたを
・・・止める
クロス「・・・」
リアナ「・・・もう
・・・これ以上
悲しみを
背負わせはしない!!
クロス「オオオオオオ!!」
デルゼ「気をつけろリアナ!?
ルペンスの力か知らんが!!
そいつは
パワーも
スピードも
判断力も
桁違いだ!!
リアナ「・・・」
クロス「オオオオオオ!!」
リアナ「・・・」
デルゼ「・・・え
・・・かわした?
・・・しかも
・・・そんな
・・・簡単に?
リアナ「・・・」
クロス「・・・」
袈裟斬り!!
リアナ「・・・」
薙ぎ払い!!
リアナ「・・・」
逆袈裟!!
リアナ「・・・」
打ち下ろし!!
リアナ「・・・」
アズベス「・・・
・・・おい
シユ「・・・全部
・・・簡単に
・・・かわしてる
リアナ「・・・」
水色の輝きに
包まれるリアナ
デルゼ「・・・あのスピード
・・・あのパワー
・・・なんで
・・・かわせる?
デルゼ「パワーだって
怯えて判断が
鈍るレベルだぞ!!」
クロス「ウオオオオオオオ!!」
連続斬り!!
リアナ「・・・」
シユ「・・・
・・・それでも
・・・かわすのね
シユ「・・・でも
なぜ攻撃しないの?
シユ「・・・だって
攻撃しないと
相手は倒れない
デルゼ「攻撃できないのか!?」
リアナ「・・・」
アズベス「・・・」
リアナの表情を見る
アズベス「・・・違う
・・・攻撃できないんじゃ
・・・ない」
リアナ「・・・」
攻撃したくないんだよ
リアナ「(・・・どうする?
どう無力化する?
クロス「おおおおおおお!!」
斬撃!!
簡単にかわす!!
リアナ「・・・だって
・・・これ以上
・・・傷つけたく
・・・ないのに
リアナ「・・・これ以上は」
甘ったれたこと
言ってるなあああ!!
リアナ「アズべス?」
アズベス「お前が
死ぬぞ!?
リアナ「・・・」
アズベス「お前が死んだら!
誰がクロスを
救ってやれるんだよ!?
リアナ「・・・
・・・そう
・・・言われても
リアナ「・・・そう
・・・言われても
クロス「おおおおお!!」
クロス「!!!!!!!!」
クロスの両腕が
巨大な鎖で縛られた!!
リアナ「誰が!?」
ずいぶん
あまいわね?
リアナ・フェルフィスカ?
リアナ「・・・
・・・ルルゥ
・・・魔導士団団長
ルルゥ「やろうと思えば
“音の力”で
倒せるんでしょ?
リアナ「・・・」
ルルゥ「この子に
惚れちゃったのw?
リアナ「・・・」
よくやった
ルルゥ魔導士団団長
ルルゥ「フレシェル?
殺すなら今よ?
そうさせてもらう
フレシェル「終わりだ!!」
刀を振り下ろし!!
動けないクロスに
とどめを!!
フレシェル「・・・」
リアナ「・・・」
フレシェル「・・・
何をしている?
リアナ「・・・」
クロスを
庇ったリアナは
アズベス「おい!?」
デルゼ「・・・フレシェル
・・・大将軍が」
リアナ「・・・」
・・・フレシェルの
・・・斬撃で倒れた
アズベス「何やってるんだよ!?」
デルゼ「リアナ!?」
シユ「はやく!
回復魔法を!!」
フレシェル「・・・いや
・・・間に合うまい
アズベス「・・・
・・・てめえ
・・・フレシェル!!
デルゼ「やめろ!
アズベス!?」
シユ「あれは!
仕方なかった!!」
フレシェル「その前に
今度こそ
クロスに
とどめを
クロス「・・・」
あなたに
興味があるからよ?
クロス「・・・」
それだけで
充分な理由じゃない?
クロス「・・・」
さあ
帰っておいで?
クロス「・・・
・・・リアナ
アズベス「クロス!?」
デルゼ「意識を取り戻したのか!?」
シユ「・・・でも
・・・リアナは
クロス「・・・」
シユ「・・・もう」
クロス「・・・
クロスの周囲に
月色の光が広がる
シユ「・・・
・・・え?
その月色の光が
リアナの水色の光に共鳴する
アズベス「・・・どういうことだ」
フレシェル「・・・フェクト
・・・まさか
・・・お前は
ルナフェクトか!?
アズベス「・・・ルナフェクト?」
ルルゥ「・・・
10億年前
“魔女戦争”
フレシェル「ルルゥ?」
ルルゥ「真実の歴史は隠蔽された
フェルフィスカは
“滅びの魔女”ではない
“悲劇の魔女”なのよ
シユ「何を言って?」
ルルゥ「“魔法を使える”
“ただその理由だけ”で
フェルフィスカは
世界から追われた
ルルゥ「・・・その
・・・憎しみが
・・・フェルフィスカを
・・・“滅びの魔女”に
・・・変えた
ルルゥ「・・・そして」
クロス「・・・
月色の輝きが
水色と交じり
優しく
リアナを包む
ルルゥ「・・・そして
そんな孤独だった
フェルフィスカを
常に支えていたのが
ルナフェクトだった




