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095 アズサ、太古の神に人種だと認定されて喜ぶ

 太古の神、アラノス神のところにきている。陪神たちの動きがゆっくりで、見ていると眠くなる。陪神の一柱に取り次ぎをお願いしたけど、今年中に取り次いでもらえるだろうか?毎分十センチメートルしか移動しないよこの神様。


「アズサ、一応礼儀として取り次ぎを頼んだので、奥に行くのだ。奥の洞窟の中にアラノスはいる」



 グリムはズンズン洞窟の中に入った。大蛇な並の太さの鎖が見えた。


「ねえ、グリム、あの鎖は何なの?」


「アラノスはバシヌの前の最高神だったのだ。それを副官だったバシヌがクーデターを起こしてアラノスをこの洞窟に軟禁したのだ。あの鎖でアラノスの足首を縛っている」


「アラノスさんは放置で良いじゃないの? 地上にこれないのだし……」


「アラノスはこの星そのものなのだ。アラノスが動くと地上には大地震が起こるのだ」


 鎖を辿って行くと、鎖が徐々に細くなって一般的な鎖サイズになっていた。その先にアラノス神が寝ていた。天蓋付きのベッドに、大きさは身長百八十センチメートルで体重は七十キロくらいだろうか? 細身で筋肉質の男性が、キングサイズの天蓋付きのベッドの上で寝ていた。左の足首には鎖が巻かれている。


「グリム、このままアラノスさんには寝てもらっている方が良いのでは。その方が安心できそうというか?」


「アラノスは元最高神だけあって約束はたがえない。バシヌはチートで抜け穴を作って約束は守らないけどね……」


「アラノス、起きるのだ。もう、夜明けなのだ」


「バシヌの子が私を起こすとは、天界のシステムに異常が発生したのか?」


「アラノス、天界のシステムは正常なのだ。お願いがあってきたのだ」


「バシヌの子よ、天界のシステムにバグが発生している。お前の隣にいるのは間違いなく人種ひとしゅだ」


 この神様はとっても良い神様だと思う。


「バシヌの子に我が命ずる、バグを取り除け!」


 前言撤回。この神様はヤバい。


「アラノス、よく見るのだ」


「ああ、昇天前の亜神かつまらん。それで寝ている私を起こすとは良い度胸のバシヌの子、なんの用だ」


「バシヌが、アラノスが地上にいく命令書に署名をした」


「却下だ。部下が上司に命令書をだすなど、バシヌは思い上がっている。そういうことで、私は地上には行かん。もう少し寝かせておいてくれ」


「アラノスが最高神だった頃、仕事はすべてバシヌに押し付けていつも寝ていた。最高神の決済が必要な決済業務が滞ったので、やむなくバシヌ他六柱がアラノスをここに軟禁したのだけれど、本人は相変わらず最高神だと思っている。アラノスがそのことに気づいたら天界はなくなると言われている」


「天界も凄い爆弾を抱えているのね」


「私としては神魔人大戦が起これば、アラノスを動かそうと思っているのだが、問題はその巨大すぎる力をアラノスが制御できるのかどうかが疑問なのだ。言ってみればアズサみたいなものなのだな」


「私はちゃんと魔力が制御できるようになりましたよ」


「日常生活には支障にならない範囲だがな……」


「えっ、私って免許皆伝でしょう!」


「その上にはまだ印可というのがあるのだ。まだアズサは上級者の下なのだ」


「あっそうなの。まだ上があるんだ。知らなかったよ」


「アラノスさんの次は誰のところにいくの?」


「モイラだな。律儀な神ゆえ一番厄介かもしれないのだ」




「グリム、神殿街というかそこからどんどん離れているのですけど、モイラとヨミは神との交わりが薄いので、それぞれの神殿は神々がこないところにあるのだ」


「二神は姉妹なのだが、極めて仲が悪い。モイラは命を与え奪う。ヨミは奪うだけなので、モイラが私はの方が素晴らしいって毎回威張るので、ヨミが怒ってしまった。モイラの命を奪える力がヨミにはあるのにだ……。時間が経てば神は復活するので、モイラとしては休日をもらえるって感覚だろうけど」



「グリム、なんか嫌な気分になるのですが」


「当然なのだ、アズサも私もモイラからすれば招かざる客なので、その不機嫌さが伝わってくるのだ」


 小さなほこらだろうか神殿には見えない。


「ここがモイラの神殿だ、入口は目立たないように小さく、中に入れば質素なたたずまいなのがモイラの神殿の特徴で、私は好きなのだ」


「グリム、急に嫌な感じがなくなった!」


「私の気持ちが伝わったようでなによりだ。モイラには嘘は通じないから」




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