無事に産まれてくれたらどっちでも大切にします~
もう、ベラース王国に来て一年近くなります~。
嫁さんも産み月が近づいて、ソーニャさんや、子供産んだことのある。使用人に常駐して貰ってます。
お医者、こちらでは女神教会の侍司祭様にもお願いしてありますので、
僕が出来るんは、女神様に無事を祈るだけです~。
『・・・・・じょうぶよ』
なんや、今のは随分懐かしい声が聞こえたした。
にわかに寝室が騒がしくなって来たで、破水したんやろか?、
ランドール「婿殿、座って待つが良い」
キイチ「そやかて・・・」
心配は心配です~、
ランドール「懐かしい物だ・・・」
キイチ「じいさん?」
なんだか遠くを見ているような眼差しであった。
じっと僕を見たじいさんは、僕ではない誰かを見ているような気がする。
ランドール「わしも最初の子であるトーマスの時は、婿殿のように狼狽えておったわ、そう言えば三男と婿殿はまだ会っておらなんだな」
そう言われれば確かにそうやった。
フフフと何かをおもいだして笑っていた。
ランドール「トーマスの時は、気が気じゃ無かったが、トリフォンの時は、妻の死を覚悟した難産であった。しかし三男のダリオンだけはあっさり産まれての~、妻も目が覚めたら大騒ぎじゃったぞ」
なんやて、寝て起きたら赤ちゃん産まれてたとか、僕も初めて聞いたで、
ランドール「女神教会の司祭も唖然としとっての~、反ってよく覚えてるものだな、ガハハハハハハハ」
そらそうやろ、呆れてもうたが、僕もにやら落ち着いて来たで、じいさんに感謝やな!。
あんぎゃ~、あんぎゃ~!
ランドール「ほれ、無事に産まれたようだぞ婿殿」
ああ~、なんやろ、この気持ちは、僕はなんでこないに不安なんやろか・・・、
ようわからんが、急に不安に襲われた。
侍司祭「男爵様、おめでとうございます。嫡男ですよ」
ランドール「おお~、おお~!、でかした」
バチン。おもいっきり背中を叩かれ、一瞬息が止まりかけた。
キイチ「ごほ、じいさん殺す気かいな」
ランドール「何を言うか、そんな不安な顔をしおって!、景気づけじゃぞ、ほれ行って褒めてやってくれ、それは子の親である婿殿にしか出来ないことじゃぞ」
そうや、その通りやで、男がこないなことでおたおたしたらアカンな!。
じいさん・・・。
ありがとうな、まるでおとんに怒られてもうた気分やったわ。
バチン、一発頬を張って、気合いれたわ、
ランドールは父の顔となったキイチを柔らかな笑みで見送った。
寝室前できちんと手を洗う、それからアルコール消毒を済ませる。
それを見ていた侍司祭は感心した顔であった。
侍司祭「男爵様は、毒気を払う方法をご存知でしたか?」
キイチ「僕の産まれた国は島国でな~、回復魔法よりも医学が進んでます~、偉い先生から僕らも学びましたんやで~、病は普段からの手洗いうがいで予防できるんやで」
侍司祭「確かに、利にかなってますね」
きちんと煮沸した。きれいな服に着替え寝室に入った。
「はっ、はっ、あなた・・・」
キイチ「よう、頑張ったな、偉かったで」
優しく嫁さんの頭を撫でて、その手を握る。
キイチ「ベストリアーネご苦労様やったわ。ほんまにありがとうな」
ベストリアーネ「・・・・ありがとうございます」
侍女「さあ男爵様、ご子息様を抱っこして上げて下さいませ」
真っ白い産着に包まれた。赤猿のような小さな命を僕は抱いた。
キイチ「ようこそ、ありがとうな僕のところえ」
あぶぶぶ~、あぶぶぶ~
じっと僕を見とる。うん、きっとこの子は僕のこと理解しとるに違いで、
キイチ「きっと僕の子供は天才やな!」
ベストリアーネ「まあ~、あなたったら、うふふふふ」
アサマ屋敷に、愉しげな笑いに包まれていた。
キイチ「おとん、おかん、僕は異世界で幸せに生きてます。子供も産まれたんや、見せたかったがな、まあ~、しゃあないで、楽しく生きてます。あんじょう宜しくな」
第六章 完




