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66話 ミドリムシはダンジョンでミドリムシを歓迎する


 バン!


「みんなただいま!」


 緑はそう言って部屋のドアを勢いよく開けた。


「あれ? まーちゃんは?」


 部屋を見渡した緑が呟く。その言葉を聞き蟲人達が下を向く。


「え? もしかてでていっちゃった?」


 そんの事を言った緑は目に涙をため始める。


「っくっくっく・・・・ あはははは」


 そんな緑の様子をみた見慣れぬ女性が笑い始める。


「貴方はだれですか?」


 笑い声に気づきその女性を見た緑が尋ねる。


「おお、この姿を見せるのは初めてであったな。こちらの方が狭い部屋では都合が良かったのでな」


 そう言うと女性は姿を変えてゆき魔緑を乗せていた3mほどの狼の姿になる。


「あ! あなたは、まーちゃんを乗せていた狼さん!


「そうだ、私はまーちゃんを乗せていた狼だ。ふふふふ」


 そう言って狼の姿から人の姿に戻った女性は緑が開けた扉を指さす。


 不思議そうにしながら緑が扉を閉じると扉の後ろで魔緑が顔を抑えて座り込んでいた。


「あ・・・・ まーちゃんごめんね」


 その様子を見て察した緑が魔緑に謝る。


「この馬鹿力が・・・・」




 その後、緑がダンジョンで歓迎するからダンジョンに入って欲しいと言うと魔緑が待ったをかける。


「俺の家族はこいつだけじゃないんだ。外に待たせているからそいつらも呼びたい」


「まーちゃんの家族なんだね。なら迎えに行かないとね」


 そう言って緑達は部屋を出るのであった。




 緑達は城から離れ森の中に入る。


「おーい、お前らいるだろう?」


 そう魔緑が言うと2人の女性が森から出てくる。


「おっそーい、まちくたびれたよー」


「ほんま、ほんま、隠れるの疲れるでー」


 出てきた女性2人は魔緑に文句を言う。


「って緑が2人おる!」「緑リンが2人?」


 2人は緑を見て驚きの声を上げる。


「2人共、落ち着いて私の話をききなさい」


 そう言って狼の女性が2人を落ち着かせる。




「なるほどなー緑リンはもともと1人でこっちの世界に来た時に分かれちゃったんだ」


「ほんまに、そっくりやなー 黙って立ってたら見分けがつかんでー」


 説明を受けた2人はまじまじと緑と魔緑を見る。


「という事で我らの旦那様はまーちゃんと呼ぶことにする」


「「はーい」」


「ちょっと待て! 百歩ゆずって緑達が呼ぶのはしょうがないとしてもお前たちがまーちゃんと呼ぶ必要はないだろうが!?」


「「そっちのが可愛い」」


 3人が声をそろえて言う。


「お前たちは可愛いがすべてなのか!?」


「「そうだ(や)」」


「・・・・もう、まーちゃんでいい」


 3人が声がそろえてした返事に魔緑はあきらめるのであった。


「まーちゃんの方が可愛いよ」


「お前がいうな!? ならお前はみーちゃんか!?」


「まーちゃんがそう言うならみーちゃんでいいよー」


「私もみーちゃんと呼びます」「私もみーちゃんって呼びます♪」「みーちゃんですね~」


 緑の言葉に反応した蟲人達が反応する。


「じゃあとりあえず皆ダンジョンに入ろうか」


 そう言って緑はダンジョンの入り口を開けるのであった。


「「わあああああ」」


 初めてダンジョンに入る3人の女性は驚きの声を上げる。


「これは見事な!」「めっちゃきれー!」「すっごいです」


「おお、すげーな」


 そんな事を言いながら魔緑達がダンジョンの中を見ていると周りから地響きが聞こえてくる。


 ドドドドドドド


 そのれに気づいた魔緑達が辺りを警戒する。


「おいおい、どうなってやがる! すげー数の魔物が集まって来るぞ」


「何やら変わった匂いのする者もいるな」


「なんや、この数は!?」


「すっごい沢山集まって来ます・・・・」


「みんな安心して、僕の家族が集まって来るんだ」


「お前の家族? この量が? どんなけ嫁が居るんだよ!」


「僕のお嫁さんは3人だよ?」


「どんだけ産ませてんだ・・・・」


「まぁ皆が集まったら紹介すね」


 それから子供達が集まるのにしばしの時間がかかるのであった。


「みんなに紹介するね! ここに居るのはもう1人の僕のまーちゃんとそのお嫁さん達です! 仲良くしてね!」


 チキチキチキ


「よろしく頼む」「よろしくの」「よろしくやで」「よっろしっくねー」


 チキチキチキ


 子供達が魔緑達に声をあげ、足を使い敬礼する。


「すごいな正に軍隊だな」


「特に厳しいルールはないんだけれど、皆いつからか敬礼をするようになったんだ。みんな集まってくれてありがとうね」


 再び子供達は敬礼をし散っていくのであった。


 その後、緑達は食堂に向かい食事の準備をする。




「うめ~!」「うむ、実にうまい」「うまー」「すっごくおいしいです!」


「そう言ってもらえると嬉しいな、よかったら今晩は泊って行ってください」


「よいのか?」「ええの?」「すっごいうれしいです」


「ぜひ!」


 先ほど城で今晩だけは居ると言った魔緑が難しい顔をしていた。


 魔緑が蟲人達の方を見ると全員がニコリと笑い頷く。


「じゃあ、泊っていくよ」


 それを聞いた緑もニコリと笑うのであった。


 その後、食事が終わると魔緑が立ち上がる。


「それじゃ泊めてもらう事だし自己紹介をしようか、琉璃、凛、珊瑚」


 魔緑が3人の女性を呼ぶと3人も席から立ちあがる。


「まぁ、琉璃が狼になるように3人の本来の姿は別だから、それも含めて自己紹介させる」


 魔緑がそう言うと立った3人のうち狼の女性が一歩前に出る。


「では、私からかな自己紹介しよう」


 そう言って女性は狼に変貌するのであった。



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