第8話 白馬?の王子様
「みんなー、上で写真撮ろうよ!!」
リフトで上に4人ともついたので、せっかくだから写真を撮ろうとなった
「え、それなら雪だるまとか作ろうよ」
「いいですな。そっちのが動画映えしそうですしな」
「あんた、オタクとギャルどっちよ」
「そんなの良いから撮ろうよー。雪だるま作るのも良いけど、早くしないと滑る時間なくなっちゃうよー」
「いま朝の10時よ。当分滑れるわよ」
「それでもー……てかすみれが私に冷たい。珍しい」
「だって手離したから」
すみれが二人に聞こえないような小声で私に呟く
「ごめんだし、すみれ二人の前だとそんなにくっつかないじゃん」
「だって今日は百合とくっつける時間少ないんだもん」
すみれがふんっとそっぽを向く
「すみれさん、百合ー、早く撮るなら撮ろうよー」
写真を撮り終わり、いよいよみんなで滑り始めたのだけれど――
「なんで、すみれあんな滑れるの」
すみれはスキー初めてって言ってるのに、もうなんかジャンプ台とかで遊び始めてる
あんなもんなの?
いや、なわけない
私なんてもう転びすぎて全身ビッショビショなんだけど
「すみれさん、バケモンっすね」
「あぁ柚葉、どうしたの?」
「いやいや、百合がずっとコケてるから手伝いに来たんすよ」
すみれが良かったな
いやいや、流石に失礼でしょ
柚葉だって善意でやってるんだから
「あと、二人のカップル話聞きたいですし」
柚葉が不敵な笑みを浮かべた
あ、これ善意じゃない
「すみれがよかったなー」
「それはひどくないですかー」
「百合、柚葉!!」
柚葉に手伝って立ち上がったところで、横から叫び声に近い葵の声がした
「どうしたんすか、って! やばいやばい、百合早く避けて!!」
横から葵の叫び声が、どんどんすごい勢いで近づいてくる
そう、横の方から思いっきり葵がコントロール失って突撃しに来ている
「これ止まらないんだけどー!!」
「そういえば、葵って運動そこまで得意じゃなかったよね」
「そんな事言ってる場合じゃないっすよ、百合早く!」
「無理」
なぜ無理かって、また倒れたから
そんな様子を見た柚葉が、珍しくため息をつき、
そのまま葵に向かって走り出した
「ちょ!? 柚葉!? 危ない!!」
「コケてる人に突撃するほうが危ないっての!」
勢いそのまま、葵を抱き寄せ、持ち上げ、一回転して二人とも止まった
「ありがと……柚葉」
「それより、大丈夫? 葵、怪我してない?」
「あんた、なんで……こういう時に限ってかっこいいのよ」
葵が珍しく顔を赤くして、抱えられている柚葉から視線をそらす
「そりゃ、葵の王子様だから……かな」
「うるさい……//」




