第15話 雪のような百合
「私、髪の染めてるの落とす!」
全員で朝ご飯を食べてる時にばっと百合が立ち上がりそれを話した
「まぁ良いんじゃない?」
「良いんじゃないですか?」
「良いでしょ」
「な、なんか皆軽くない!?」
いや、だって
どう触れれば良いものか
「百合がしたいようにすればいいじゃない」
ナイス、すみれ
「まぁそうだけどさ」
「でも、いきなりなんで?」
「いやだって今回のことで自分を隠すのが皆のためだと思ったけど、それが逆に皆を苦しめてたから、隠すのやめようかなって」
「百合は、それは無理をしていない?」
「大丈夫だよ」
「はい、じゃあ後で部屋で落とすから集合ねー!!」
「「「はーい」」」
―――
水が細かく顔に当たる
鏡に映る自分の髪色がゆっくり雪のような白に変わっていく
身体から、滴る液体は真っ黒に変わっている
書道の時の炭みたい
「……よし」
お風呂の扉を開けて持ってきていたタオルで髪を拭き取る
「わっ」
そこにはさっきまで真っ白だったタオルが真っ黒に染まってしまっていた
良かった、ホテルのタオル使わないで
服を着て脱衣所の扉の前に立つ
こわい
なんと言われるのだろう
いいや、皆がひどいこと言うなんて想像できない
よし、大丈夫
自分にそう言い聞かせ
扉を開けた
―――
「あ、百合」
シャワーが止まり脱衣所の扉が開いた
そこには、髪の四分の一が雪に近い白色になっている百合が立っていた
「おまたせー、みんな」
真っ白を一房百合が自分ですくい上げる
綺麗
雪というより
百合の花のように真っ白で影も見えないほどに
綺麗だった
でも、その言葉を言って良いのかはわからない
それでまた百合を傷つけてしまったら?
そんなこと、もうしたくない
「……」
部屋に居た、柚葉と私と葵が黙る
全員、どう言っていいかわからない
そんな沈黙をかき消したのは百合だった
「どう?綺麗でしょ?」
百合はいつも以上に明るくし、首をかしげてそう聞いた
その言葉を聞いた時、何かが私が勝手に閉じていた何かがなくなった、気がした
「うん、百合、すっごくきれい」
「そうっすよー、百合さん。なんで、今まで隠してたんですかー。すっごい綺麗ですよ」
「こら、柚葉今はすみれが、い――百合!?ごめん、そうだよね、私達邪魔だったよね」
焦る葵の先では何かが切れたかのように瞳から涙を何度も落とす、百合の姿があった
「あ、ごめ、別に、大丈夫。ただ、皆に嫌われなくて良かった」
ゆっくりすみれが百合を引き寄せ頭を撫でる
「百合、大丈夫。誰も百合のこと、嫌ったりしないよ」
「あー!ずるいっすよ、すみれさん!!私も混ざるー!」
そう言って、抱き合っていた二人に柚葉がばーっと走って突撃していった
「もー、柚葉」
「葵も、来なくていいの?」
「分かったわよ。今行くわよ」
12月7日
昨日は日記を書き忘れちゃった
すみれとも喧嘩してしまった
でも、今日は皆に白化病のことを話した
だれも傷つかなくて良かった
皆とずっといつまでも一緒にいたいな
明日は最終日、自由行動だけど
クラスの皆はどう見るかな




