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18話 またまたイケメン!?

 雪は意外と強かった。


 すでに積もり始めているし、さしている傘も雪のせいで重い。風の冷たさや田舎の道に歩きにくさが拍車をかけている。謎の女や謎の男の姿がいないか確認したいが、歩くのに精一杯という感じであった。


 クラリッサの屋敷までは坂道があるので、心が折れそうになったが何とか屋敷の門までたどり着く。


「あれ?」


 門の前までついて余裕が出たのか、注意深く門の周りを見渡すと、人影が見えた。


 黒いコートを着た男だ。キョロキョロとクラリッサの屋敷見ている。どう見ても怪しいが、思い切って声をかける事にした。


「すみません、クラリッサの家に何か用ですか?」

「嘘! マスミじゃん!」


 男は急に私に抱きついてきた。


「ちょ、あなたクラウスね?」

「そうだよ!」


 挨拶のハグにしては力がこもって暑苦しい。ちなみに日本人が外国人にする挨拶にハグは弱々しく距離感があるのが不評だと聞いた事があるが、こんな風に力強くハグをされても戸惑うばかり。


 私は丁寧に彼から身体を離す。確かにイケメンであるし、ちょっとジェイクにも似ている。チャドが言っていたジェイク似の謎の男は、クラウスの事だったかもそしれない。寒さで鼻の頭が真っ赤になっていたが、それでもちゃんとイケメンに見えるから流石だ。まあ、最近は私は牧師さんの事もあるしイケメンには全く興味がないのだが。


「とりあえず、家に入る?」

「うん!」


 クラウスは元気よく頷いた。事情を問いるめたいのは山々だが、雪が降っている空の下でろくに話は出来ないだろう。


「マスミ、大好き!」


 再び私に抱きついてきた。


 これは挨拶のハグ?


 クラウスは人懐っこのはわかるが、どうも人との距離感がおかしい。まあ、人の距離感など人によっても国によってもかなり違うのでなんとも言えない。


 元いた世界のアメリカ人の同僚はパーソナルスペースをかなり大事のしていた。だから、ちょっと人の前や後ろを通る時も「失礼します」と言っていた記憶があるが、クラウスはそうでも無いらしい。


「わーい、マスミ大好き!」

「ちょ、苦しいんだけど」


 意外とクラウスは力強く、私を濡れ雑巾を絞るようにハグしている。イケメンにハグされてもちっとも嬉しく無い。身体が痛いだけだった。

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