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のんびり屋の精霊使い  作者: 夢見羊
終わりと始まりの体魔全力祭
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平和に潜む陰Ⅱ

 薄暗い森。

 深く、暗く、自然のうねりが感じれる森。

 それは、まるで、夜のように。


 だが太陽は燦々と輝き、一番高くではないけど、夜のようにとは思わないだろう。だって陽射しは遮られてはいない。

 ただ梟が時間外れに狩りをしているだけ。


 観られている。暗がりから、正確に場所を掴む為に相手が動くのを待っている。動く時が一番、油断している。

 待っている梟はその時まで、時間が停まったように無音が生まれる。

 狩りは、まだ始まったばかり。じっくりと確実に、その時まで獲物を見続ける。


 複数の視線に突き刺される、警戒に警戒を重ている三人の獲物。

 剣に、魔法に、魔法。

 絶対に背中を任せれないと思っていた者達は咄嗟に取ったこの形が取れるとは思っていなかった。それはどこまでも信頼の証。

 混乱はあるも、どこか落ち着きを持っている。


 盤上の読み合いによって陥った結果、三人は詰みの状態に陥った。正確には色んな意味で詰みではないが……。


 梟の集に囲われては、通常は抜け出すことは叶わない。それもデッド・オア・アライブで動いていれば、生け捕りは無理と判断して直ぐに殺しに掛かる者達を前にしては無駄。

 油断をした瞬間、首が離れている可能性すらある。


 危険な状態にいるのに関わらず、冷静であった。そういう人間といえば簡単だが、そうではなく。最初からこうなることを知っていったように。

 男は回りを観察しながら慎重に懐から取り出す。

 透き通る拳一つ分の水晶に全魔力を注ぎ込み、地面に向かって思いっきり叩き付ける。


 術からず。

 水晶は砕けた。だが思ったより、粉々に砕け、破片が辺りに舞う。


 舞う破片同士がぶつかり合ったのか、パッキン、パッキンと割れる音が三人には聞こえた。

 その破片が広がる程、光が複雑怪奇に屈折して、通常目に入ってくる光が少なく、視界に入る光景がまるで歪んでいるように見えているだろう。


 内からも外からも、砂粒のようになった水晶の破片が舞う所の光が歪んでいる。

 その広がりは水晶をなん十倍にもしたように、大きな澱んだ水晶。


 梟はその奇怪な現象に出遅れたことに後悔をする。

 あれがなんにせよ、任務が失敗することになると本能的に察知った精鋭は、更に離れて何が起きても見守るしかなかった。


 下手に突っ込めば、魔法が失敗すれば、膨大な魔力が暴走する可能性がある。

 だがあれがただの光を歪ませるだけだったら、監視を外すこもは出来ない。

 超広範囲型の攻撃魔法なら距離を少しでもとりたくなってしまう、それなら敵味方と相討ちになるから。

 逃走系ならそれでいい、逃げるなら逃げるで此方に人的被害がなく、やれなるならやる程度である。


 これは、もうどれだけ被害がゼロに近づけ、問題なく手の届く範囲なら得を取る程度。


 深くは突っ込まない、トップの連絡待ちなのだ。動くにも、退くにも。

 澱む水晶の中で魔法陣の形成を理解してながら、何をすることなく。連絡を待ち続ける。


 若者の梟には、それがとても長く声を上げる者がいる。

 少しの犠牲を払ってでも止めるべきではないかと、これを止めない駄目なのではないのかと。

 梟に伝えられた情報は少ない、必要ないというのもある。ただ普通の者には教えられないからでもある。


 いくら、梟とは言え。


 その伝えられた情報では、標的の三人は、国の機密情報が盗まれたとされる。


 フード王国、最高率の魔法学園からである。


 もろもろを考えると少しの犠牲で、国からいらない危険性を捨てれるなら安いのではないかと。


 だが長年この世界にいる梟らは感覚的に理解する。

 これは最初からあまり重要なことではないと、少ない情報から推測する。


 なぜなら、最初から外への警戒が低すぎる。


 情報を持って逃げている者達がここにいるのに、此方に増援の魔法使いや騎士が一人もいなく、来る様子もない。

 町中に敵がいるかのように内への警戒を高め、この外から来るだろう外敵の警戒と標的を狩れるなら狩ろう程度。


 全く持って防衛の最善の手を取っているようには見えない。


 だから、トップから通達された内容は、必然と言える。

 最低人数で大きな澱む水晶を警戒、その他を別の所に警戒だと。


 やはりと熟年の梟は思い行動に移し、若年の梟は不満の声をあげる。最高指揮官のトップが自分より幼い者に故に、行動もやる気もすべて遅かった。


 あまりにも変化に熟年の梟は、呆れを混じりの溜め息をこぼし、間抜けな者達に一瞥を向ける。

 大きな澱む水晶は暗黒のように澱ませ、魔力が高まりが一番高くなると膨大な魔力は跡形もなく消え。澱んでいた水晶が嘘かのように綺麗に光が透き通り、砕けた。

 今度こそ、本当に砕け、中には誰もいなかった。












「……なるほど。これは、なかなか厄介だ」


 暖かな光が円形に開けられた天井から差し込み、照らされる机や椅子に黒板や教壇。

 何十年と使われていないはずなのに、いつまでも綺麗な空間が保たれる清浄な場所に、色んな想い出が感じとれるこの教室にいるのは……。


「さすがに、あの三人ではあの多勢は難しか。だが、此方も知りたいことは知った、相手が何れぐらい読めるのかも、分かった。収穫は十分」


 男は十四席の一つの机の上に座り、隣の机のボードゲームに視線を向けている。

 二人ようなゲーム、白と黒の駒に分かれていて、黒の駒を動かした。

 誰かを思いだすかのように、次の手を予想する。


「不運な少女だ、未来を観るとは。その先の結末を知ってもなお、生きているのだから……儚い花、無惨に踏み潰される、花……だが容赦はしない、情は既に捨て去った」


 白の駒が誰かが動かし、男が駒を進めた。

 幾千の読み合いを越えたボードゲームの戦い。

 男と少女のボードゲームは進む、まだどちらも読み合い、本当の争いはまだ遠く。

遅れました。


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