勝利を掴みて
乱舞。
視界を遮るように、彩り豊かな花の籠。
花の竜巻の中に自分が捕らわれ。囲うその花々の壁を構成する花同士がぶつかり合い、弾かれたように中心を飛び交う。
幾つも幾つも、常人が見たら飛び交う花の早さに目がついていけないだろう。
その中を集中に意識を研ぎ澄ませ、俺に向かってくる花を視覚、聴覚などいわゆる五感に頼らずに避けれる練習する。
星剣による強化をした身体能力で繰り出される剣戟。それを対処をしていたナガクラは明らかに身体能力で目に見えるほど劣っていたにも関わらず、対応出来たのは気術が大きいだろう。
ナガクラの防御の技術が劣っているとこかの問題ではなく、そういうのでは同にもならないことがある。
気術とは、それを可能にすること出来る。
あらゆる武術には、気術が必然的に組まれている。
あらゆる武術が肉体の限界を越える為の技術を知恵を振り絞り生まれた肉体の限界を越える技術を編みだし、幾年と受け継がれて洗練され刷り込まれて武術となった血肉となった。それを誰かがあらゆる武術から抽出して気術として武術の体系に入れた。
その気術を全部ではないにしろ修めたナガクラに勝つには、俺も気を感じとるしかない。
気術が武術の中で最強ではない、気術はあくまであるゆる武術の下地であり基盤だ。
兄が言っていた。
『五感に頼らず、だが使え。直感と違って、明確でこの世に溢れている力…………分からないか? まあ、分からんか。ただの意識の違いに過ぎんし、どちらが正しい感覚というのが有るわけでもない、本当に意識の違い、こう言うのを固定観念というのか? まあ、気とは力の流れ、それも全ての、統一とした流れであって、別に特別ではないし、ごく普通に溢れている』
何を言っているのか全く分からない。
五感に頼らず、使えってなんだ?
意識の違いとは何との違いだ?
力の流れとは、その統一した力の流れって?
特別ではなく普通とは?
良く分からない、頭の中をぐちゃぐちゃと掻き回す。要らない情報が一杯で、必要な情報が一つもない。一旦、全てを捨てろ。
必要な情報だけを拾え、拾った中に無駄があるのなら切り捨てろ。
分かる所から読み解け、分からないところは今も分からない。
五感に頼らず、使え。
五感は一般的の視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五つ。
それらを〝頼らず〟に〝使え〟
なぜ頼らずの後に使えという言葉を使っている、なぜ使えというならその前の頼らずは使わずという言葉ではないか? つまりそこの言葉に何か意味があるはずだ……と、思いたい。
頼らず、その言葉事態の正確の意味は違うかもしれないが、自分的に見た意味は、頼るってある程度の信頼や信用がある、なら否定の頼らずの意味って信頼や信用に重きを置かないことか? なら使えということに意味は必然的に、最初に五感に思うことなく使え。その全体的な意味は、その次に言っていた、意識の違いや固定観念に繋がるのでは、固定観念があるから見え方が変わってしまい、必然的に意識に違いが生まれる。その違いを認識する、即ち特別という意識を、普通という違う意識に変える。どのような意識の違いか、統一の力の流れという意識に変える。ってことか?
まだ、自分で言っていても理解が出来ないが、しっくり来るような気はする。
なら、後は試すだけ。
力の流れ。
魔力の流れを感じる。空気の流れが感じる。気配の流れを感じる。自分が吸い込む空気の流れが感じる。自分の中で全身に送り困れる血の流れを感じる。体の筋肉の力の流れを感じる。体の中で起こっている変化の流れを感じる。思考の流れを感じる。自然の魔力の流れが感じる。雲の流れを感じる。人々の生活の流れを感じる。力の変化の流れを感じる。星が回転の流れを感じる。その大きな流れを感じる。宇宙の流れを感じる。その全てが感じている時間の流れを感じる。
それらが一つの流れであったことを思い出した――
瞬間、大きな力の流れに居た。
頭がパンクしてしまいそうなほどに莫大な大きな流れだ。
小さな小さな流れが大きな流れを作り、その大きな流れを最も大きな流れがと永遠に一つの流れを作っている。
圧倒的な力の流れに流されているのだと。唖然とその流れる流れを感じとる。
虚無感が体を包む、いや、虚無になる。
その数瞬の時間に、無防備な体に花がぶつかる。
気づけない。圧倒的な力の流れの中にいて気づけないかった。
花が潰れて、電流が迸る。体に流れ、大地へ降りる。
その中で、体を焼いていく電流の痛みで、ようやく意識が帰ってきた。
「ッ! いったぁ!」
なんだか、分からないが意識が遠のいていった気がする。
だが、掴んだ。
眼鏡を掛けた見たいに視界が変わるあの感じ、意識によって何を見るかを変える。
何を見るのか、それは気と呼ばれる統一した力の流れ、細々とした流れを一つの流れとして見ることで、気を見ることが出来る。
幾つもの気の流れを感じる。
内にも外にも。
後は、これを確かにするだけ。
それを練習をする環境はちょうどここにある。 さて、何時ぶりか? 真面目に練習しようなんて。
いや、最近か。
兄が家を継ぎ、俺は適当にやっても特に問題もなかった。でも、内には伝統の儀式があった。
儀式というよりは試験、使い手を探す試験というべきか。
それで、俺はどうせ何やっても一つの刃も刃浮が出来ないから無駄だろう。
父母に兄が見ている中、精霊と契約した日に俺は家の屋敷の地下の儀式場で当主が腰に携えた星剣。
鞘か引き抜き、その剣身に添えるようにある刃は透明、そして柄を此方に向ける。
その柄を手に取り。
「七色の輝き放ちて舞え――刃浮」
解除文をいった。
すると、剣身に添えられた刃が七色に色付いて、魔力を流すほどに輝いて、剣身から離れて、真なる剣身の光を純白に輝かせた。
剣が言葉を教えくれる。
だからか、自然にそれを言ってしまう。
「―――――――――――」
とそれから何や間やあって、後継ぎは兄がやることになったが騎士には絶対になることになった。専属の騎士、爵位もそれ伴い授与式も行われることになった卒業後に。
その為に、訓練や剣術に戦術なども教えられた。みっちりぎっちり、ガチガチに。
真剣にやらないと死んでいた。
ただ自主的にやるというのはこれが初めてかもしれないな。
幾つもの俺に向かって飛んでくるそれの気を感じとり、避ける。
体の力が満ち満ちるとは言えないが、軽いあらゆる肉という肉が削げ落ちたように。罪から解きはなれたようにまるで羽毛のように軽い。
さすがに誇張表現が過ぎるが。
本当に軽い、魔力がすらりと流れる。
まだまだ、実践には堪えれんが。
「?」
花の竜巻の外から強い気を感じる。
何かが起こった。
それに不思議に思っていると俺に向かって飛んできた花の気が消えて、花の竜巻も散った。
遮られていた景色から見えたのは、莫大の魔力を保有している花とハナサキだった。
そのハナサキは淡い蒼に光っていて、複雑な立体魔法陣を衣服のように纏っている。
唖然と見てしまうが、唖然としている理由は、その体の魔力多さである。
何かヤバイことをするらしい。
魔法陣の立体平面で作られる舞台、衣装着飾り、詠唱が詠われる。
ハナサキを守るように、俺を閉じ込めていた花の竜巻が守りへと為に変わった。
その光景に何が起こるのか興味が湧く。
同じく唖然としているナガクラ元に向かい、親しみを込めて話しかける。
「何か分からんが、ヤバそうだなあれ」
「はぁー、あれて攻撃性の魔法だったら確実に失格になる威力だよな?」
「だろうな、それより大丈夫なのか、今止めないと止めれないと思うが」
ハナサキに向いていた視線が此方に向き、またハナサキへと向けて溜め息を吐いている。
「確かにそうだろうが、止めれないだろう。あの花の防御壁を越えれるかも怪しいし、下手に止めたらハナサキが爆弾となるだろう、あれ」
確かに、あれはそうだろう。だから今こうして見ているわけだし、俺事態何が来ても切り伏せる自信があるが、ナガクラは……
視線の意味が分かったのか、反論するわけでなく。
「自分はまあ、死なないだろうし、何とかなるだろう。ここには名医もいることだし。それにこうして今も種目が続いているということは先生方も止める気がないと見える。何とかするしかない、出来なくても」
「多分だが、あれを切り伏せるとなるとどうなるか分からないぞ」
「そこも何とかなって欲しいな……それにまだピーキーな切り札がある」
とのことだ。何とかなるのだろう。
信用があるわけではないが、遥かに俺より戦闘経験がある、それも実践。
そういうことなので、本気でいかせて貰う。
「じゃあ、そろそろハナサキの魔法発動するし、離れな。じゃないとナガクラごと切っちゃうぜ」
「その前にお前を切ってやるがな」
じゃあと離れていく。最初のように、三つ巴のように三角形を作る。
「さて、やろうかな」
ハナサキが発動していた魔法の花が形をと持てず、崩壊して消える。
ようやく見えたハナサキは眩い力を放ち、半ばトランス状態に陥っていて、服の魔法陣がドーム場に変わった。
瞬間、肌寒さが襲った。
見えないが、何か格の違う存在がここにいる。
勝てない存在がいる。それがハナサキの中へ入った。
中に何かが入った時、広がったドーム状の魔法陣が再び衣服へと戻った。
聖剣が震え出す。まるで俺が怖がっているように全身が震えるほど。
聖剣が告げてくる。あの時のように、だが別な切り殺せ、と。
殺す気など毛頭ない。
「黙ってろ。お前の出る番じゃねえ」
叱咤をすると震えは収まり、俺は取って置きというべきか力を出す。
星剣に魔力を流し込んで解除文を告げる。
「七色の輝き放ちて舞え――刃浮」
七色の輝きを放つ刃が自分の周りに浮き、さらに。
ハナサキが攻撃を放つ、強大で危険な攻撃魔法。
強い光を纏った爆炎。それを切り伏せる為に。
左足を一歩出して、腰を落とし、大剣を構える。切先を天に真っ直ぐ向けて、刃を爆炎に切り裂かんと立つ。
詠唱をする。
「七色の光、纏い。敵を切り裂け―虹の斬撃」
虹の光白が煌びやかに輝いて、放たれる。




