何時もと違うが平凡の一日
朝の日差しに照らされながら、今日行われる入学式の会館を見上げる。その外観は自分が知る建物の中でも大きい部類に入る。近年、大きな建物が増えているから、数十年もすればこれも当たり前になるのだろうか。
入り口には透明度が高いガラスドアで、立ち止まっている自分を避けて同じ入学生は、会場へと入っている。
これは、田舎臭さが滲み出てしまう。そもそも、大勢の人事態が久しぶりであるから少しキツイ。
人の流れに乗るように、会館へと入った。
入ってすぐ見えた光景は、広く、長い階段であった。普通に過ごしては見ることはないだろう階段はパッと見て、三階ぐらいまでの高さを登れそうであった。
次に目がいくのは、きらびやかな光を宿す魔宝石とクリスタルのシャンデリア。
一切の埃もなさそうなロビーは、自分の家何個分だろうか。自分の家でも掃除が大変なのに、ここだけで何時間も掛かりそうだが、掃除の魔法なんてのもあるのかもしれない。とある一件から海のような魔法の広さと深さは計りしれない。
こう思うと感慨深い。ただ思い出すと腹立たしいことなので止める。
自分のように立ち止まって見る者は少なく、大抵が受付を済ませて階段を登っている。
あんまり、長く鑑賞をする暇はないかと思い、受け付きを済ませて説明と番号札を貰う。
階段は結構の長さだから上がりきると、通路にある手すりで少数だがへばってる者達が休んでいる。
何れだけ体力が無いのか。こんなのが村にいたら、一時間も働けないだろう。情けないと横目で見ながら、入学式が行われるホールに入る。
中は扇形で、段々とした席で壇上がある方へ下がっていくと席数は少なくなってい天井は高く、シャンデリアではないが明かりがあり、余すことなく照らしている。
大きさは予想道理。大きさが大きさなので、それに椅子の多さもさすが数百人と入学する王立の学園である。
チラチラと早めに来て座っているようだ。自分は早くも遅くもないくらい。
受付で貰った札に指示された通りに微量に魔力を流してみる。最初は何も書かれてはない札の上部に席の番号が表示される。
その番号を見ながら、自分は席に向かう。
ふかふかとした椅子に体を支えられ、体にあまり負荷が掛からず。それによって心地よくなり、時間をついつい忘れてふかふかを楽しみつつある。ただ徐々に寝てしまいそうになる寝ぼけ頭に大きな声が響く。その声は何らかで大きくされたみたいな声で、金属の超振動の震えの音が耳に嫌に残り、眠りを妨げた。
その女性と思わしき声は、天上にある黒い箱から発せられている。それは舞台側の両端に二つ、中間の両端に二つで計4つ。
声を出した者は舞台の右端に銀色の棒らしき物を右手に待って、それに話を掛けている様子。
話しかけている棒の端には微かに光っているので魔法陣が展開されているのだろう。それがかろうじて見えるが、魔法陣に関しては見えても解らないことだし遠すぎて本当に魔法陣かも分からない為に、あっさりと観察を止めて話を聞く姿勢に整える。
『あー、あー、あー……聴こえてますか、大丈夫ですか』
誰かに聞いた言葉は誰も返すことはなかったが、特にそれで傷つくことはないようだ。
別に話している人に声で声出ているか言う必要はないのか、身振り手振りで返せばいい。
『…………さて入学式の始める時間に成りますので、気を引き締めて話を聞くよにしてください』
先より声の大きさが少し下がった気がする。なぜ、音を大きくしたり、小さくしたり、別の所から聞こえるかは全く理解が出来ないが一つだけわかるのは――何かすごい。それだけ。
先、言った言葉を聞いて、周りを観ると何百と言う席は既に埋まっており、いつの間にと思ったが初めてのふかふか椅子に捕らわれている時だろ。それほど捕らわれていたかと逆に恐れを抱いた。
先生らしき人が言い終わたと同時に天上の明かりが消え、舞台に明かりが灯る。
そして何人かの老人や大人が正装姿で舞台に上がって、その人たちは綺麗な列に並ばれている豪華そうな椅子の前に立ちこちらに向く。上がってきたのは七人で舞台にある豪華そうな椅子は八つだ、だれか他にくるのかも知れない。
見た目が代表的な人が少し遅れて登場する。
舞台の中央にある演説台に向かって歩き、台の前に行き止まる。そして台の上に在った何かを手に取る。それは先程声を出した女性と同じ物で、手に取ると同時に魔法陣がらしきものが展開された。
そして――
『ようこそ、キャラメル学園に。わしはここの校長のオオヌハ・イヌグラである』
静まり帰ったホールが老人の声で響く。それは暖かさがあり、優しい老人と言うイメージを抱かせる。でも静かな危険がビシビシと全身に伝わってくるこのプレッシャーは流石。名高いグランドの魔法使い。
そう発した言葉は頭に深く刻みつく。ただ特に印象強いと言うことはないただの言葉に声色だったはず、それなのに頭の中に深く深く染み付いて離れないこれは。
良く分からない、不思議な感覚に捕らわれた。
その不思議な体験の答えは簡単に明かされる。
『お主ら、先の言葉が頭から離れぬじゃろ。何故か解るか?』
ニヤリと口を曲げて、問いを投げ掛けてくる。
その言葉に椅子に座っている入学生は驚きや困惑、全く理解が出来ていない者や分かるからやられたと顔をしかめる者もいるが、その疑問の答えが分かる者はこの中に何れぐらい居るのだろうか。
自分はなんとなく分かる。つい最近良く分からないことをされたことがあるから、これかなというものがある。
周りを適当に見ていると分からない者が多そうだ。それもそうか自分達が見ていたものはそのほんの一部でしかないということで。魔法って炎、風、水、土など以外に有るなど分かる者は、普通に暮らすにしては考えもしないことだ。
いや、義務教育の時に聞いたことはあるような気もする。
数分とお考えタイムの時間が流れ、校長が口を開く。
――回答の時間だと。
『フム、過半数が分かったようならまあ良いか。
答えは簡単じゃ、……魔法。ただそれだけ。いや、より詳しく言うなら『精神魔法による傷』が正解じゃの。
さて分からなかった者達は、なぜ答えが出なかったか分かるかの。知らないてのもあるだろが、一度は魔法かもと思うはずじゃ。奇怪な現象に魔法と言うものが合わなかったからか? それはお主らが知らぬから魔法というものを、理解を深く広く埋めることはなく、別ので考えたはずだ。なぜそうか考えたのかは簡単に分かること、固定観念があるからそう言う考えに至ったわけじゃ。
今の魔法とは身近にあり、一般化していった。
魔法は火、風、水、木、土、電気などの基本属性だけだと思っていたのか。まさかそんなことはなかろう』
そう言いながら笑う姿は神秘の深淵を潜る魔法使いと言う印象を強く思わせるには十分だった。
『お主ら、固定観念を捨てろ。ここはそれを捨てなければ置いてかれる場所。
多くを学べ、深く広く、そして考えを、思考を研磨をしなさい。
わしが言えることはこれくらいじゃの。
最後に入学生よ入学をおめでとう。そしてよく学びこうだ。ここはそれが出来る場所だからじゃ。
――魔道の道は空想にありて、上を下へと持ってくる。
魔道を志す者達にそうでない者達よ。遥か彼方の物を目指す時、必ず忘れるな。ここは空想ではないことを』
そう言い、校長の話を終わり。舞台に並べらた席の一番右端に行って座った。
なかなか良い話を聞いたものだ。教訓的なものも言われたし、色んなことを学びたい。
入学に乗り気出はなかったが少しだが楽しみに感じている。
『次は成績優秀者ハナサキ・オシナ、壇上に御上がりください』
これは全く自分は関係がない為に、ぼんやりと長々とした話を聞いていく。




