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甲斐多町紫陽花祭りから数日が経ち、僕らはまたみなと雑貨店で働いていた。
すると、なんだか外が騒がしい。
出てみると、鳩羽町長と父さんが何やら話し込んでいた。
「どうしたの?父さん」
「おお、いいところに来た……ほら、お前たち、この間の甲斐多町紫陽花祭りの最後にLIVEをやっただろう?」
「うん、やったけど……あれは僕らがやりたかっただけだよ?」
「それは分かる……分かるんだが……町長としてはだな」
「ぜひとも!町への貢献として、君たちに甲斐多町アイドル活動をお願いしたい!」
「「甲斐多町アイドル活動!?」」
二人で同時に叫んでしまった。
そして、ここからが大変だった。
普段は雑貨店で働く——ここまではいい。
問題はその後だ。
雑貨店の仕事が終わったあと、撮影のある日はアイドル活動に専念することになったのだ。
(俺らの平穏は!?)
(僕らの平穏は!?)
しかも家に帰れば帰ったで、シリウスが僕の頭をしきりに撫でくりまわしてくる。
それだけならまだいいけど、たまに匂いまで嗅いでくるのだ。
(それって変態では?)
本人いわく「リルド分補給」らしい。
(なんだよそれ?)
ちなみに僕らは兄弟だけど、どっちが兄でどっちが弟かという明確な決まりはないので、お互いを名前で呼び合っている。
「はあ……お風呂入ろ」
「風呂!?」
ん?何か変なこと言ったかな?
着替えを用意して、声をかける。
「シリウスー、風呂行くよ」
「……うお!?ふ、風呂!?」
「なんだよ?入らないのか?」
「……いや、入るけど」
???
風呂場で服を脱ぐ。
がちゃっと扉を開けて、浴室へ。
……シリウスの様子、なんだか変だったけど。




