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第1房 そんなバナナ

「はぁ」と深いため息が出る。

「んだよ。ガチャ渋りすぎだろ」とトイレの個室の中で天を見上げる。

 この男は38歳独身の冴えないサラリーマンである。毎日仕事中はトイレに籠りゲームに勤しむ。しかしやることはやっているらしいので社内評価はまぁまぁ悪くないといったところだ。

 ピピピッとスマホから18時を告げるアラームが鳴った。

「うっし!今日もお疲れさん!」とトイレを飛び出しデスクに戻る。他の視線を横目に、一目散に帰宅していく。


 帰りのルートはまず、スーパー銭湯に寄るところから始まる。しかし今日は違った。大学の仲間と落ち合い、飲みに行く予定があったからだ。電車で二駅すると昭和がふわっと香る街並み、通称「旧市街」が見えてくる。

 ーーがらがらがらと暖簾をくぐり引き戸を開ける。

 まだ誰もいねぇのか....先に練習で始めちまうか

「親父!生ひとつ」あいよっという声だけがこちらに投げられた。


2時間が経った。誰も来ない。他の3人とはいうと吉田は残業、前沢は子供が熱を出して来れない、高尾は....連絡なし!

 時計を見るともう21時...帰るか..会計をして店を出た。旧市街は仕事終わりのサラリーマンで賑わっている。なんだか、いい雰囲気だなぁとしみじみ思った。


 帰りの道中にふと小さな鳥居に目が止まった。

ーー芭七神社ーー

 せっかくだ。お参りでもしてくか

 鳥居をくぐり境内へと進む。と言っても10mもないが…。賽銭箱に先ほどの店のお釣りを入れる。

 パンパンパン-----なんかいいことあります様に---

 うし!帰るかと踵を返す。鳥居を潜ろうとした瞬間、脚を取られ世界が揺らぐ。倒れながらその原因を確認する。---バナナの皮?-----

 そのまま地面に叩きつけられたところで世界は暗闇に飲まれた。


 ....遠くから、澄んだ綺麗な声が聞こえる----

 ....「あなたは.....愛、知恵、命、力...全てに導かれた運命の中にいます....では質問します。バナナはお好きですか?.....」

 ーーーーバナナ?まぁバナナシェイクは好き...だなぁ。嫌いではないし....「はい」...

 ...「運命の子よ力となりて世界に溢れる混沌から尊い命を救わんことを....」


 こうしてまた意識が遠のく-----


 目を開けるとあまりの明るさに眉間に皺がよる。ぼやけていて何かはっきりと認識ができない....

 声を出そうとするが始めて声を出す様な感覚だった。やっとこさ出た声は「ぎゃぁん」という声だった。

 !!?な...なんだ?まるで何もできない赤子の様だ。するとみるみる黒の毛むくじゃらが顔に何かを押し付けてくる。

 う....うまい。なんとも言い難い幸福感と安心感に包まれた。また....意識が...とおk.....zzz

 

 こうしてゴリラ帝国のとある一族に新たな生命が誕生した。

 

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