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いつか来世で約束を 01  作者: 朱本来未
絶命因果編
14/63

第013話 業務更新04

「ねぇ、リンナ」

「はい」

「私がなに言いたいかわかるよね?」

「ごめんなさい」


 ここ最近帰還点として使用している宿の一室でリンナはベッドの上に正座していた。


「貴女の所為じゃないのはわかるんだけど、あんまりにもね」

「もしかしたら転生者を送り込んでるやつらにエル自身の情報が漏れてるのかも。現役の顕界文明管理官で一番任務達成率高いから」

「大丈夫なの、それ。今回は相手が転生者に関する全般的な知識がなくて私が転生者に関する知識を持っていたから記憶を改竄されても気付けたけどさ。今後この手の輩が増えてくるとなると任務に支障が出てくるんじゃない?」

「それは、うん」


 あの女は現状の環境に耐えられなくなり、それをリセットするために今回の計画を実行したと思われる。

 私という不確定要素がなければ彼女は記憶操作の異能を駆使してより良い地位で再スタート出来ただろう。

 あのとき本当は追っ手などいなかった。私が逃げるよう促しても逃げることなく一緒にいることを選んだのは、それを知っていたからに他ならない。そもそも彼女ひとりでは近隣の街までたどり着くことすら出来ずに野垂れ死ぬことになっていたに違いない。普通に街を目指さなかったのは単に自分の人生を異能でドラマチックに演出するため。それに付き合わされるために記憶操作をされたのかと思うとげんなりとした。


「それで確認しときたいんだけど異能持ちの転生者はハイティーンの人間だけなのよね?」

「ハイティーンの人間だけってわけじゃないよ。大抵は親よりも先に死んでいて、自分の死を認識していない人間だよ。ハイティーンの人間が多いのは転生後に異能を使って自己顕示欲を満たそうとする可能性が高いからじゃないかな。異能を得ることで若年層特有の万能感を体現しようとするだろうからね。それくらいの人間じゃないと転生者を送り込んでる連中が娯楽として楽しめるほどに転生後の世界を引っ掻き回してくれなさそうだしね」

「本当にふざけた話ね」

「それを取り締まるために私たちがいるんだけどね」


 ため息を吐き肩を落とす。


「それで次は大丈夫なんでしょうね」

「観測結果はもう出てる。転生時刻は2年14日前エフガ荒原西部の湖畔13時00分」

「異能取得限界時刻は?」

「何故か3年くらいあったんだよね」

「その時点で嫌な予感しかしないんだけど」

「でも今回の事象観測には自信があるよ。測定結果を歪ませる要素がほぼないからね」

「だといいけどね」


 雑に返答するとリンナは縋り付いて、私の身体を揺さぶった。


「信用してよぉ、エル」

「あんたが甘えた声出しても、かわいくない」

「ひどいよぉ」

「少しくらい茶番に付き合ってあげたいけど今はそんな気分じゃないの」

「どうしてもダメ?」

「失敗続きで落ち込んでるのはわかるけどさ」

「ゔー」

「次の任務がつつがなく済んだら思いっきり構ってあげるわよ」

「約束だからね」

「はいはい」

「じゃ、楽しみにしてるね」


 弾んだ声を残して彼女はすっと姿を消した。

 誰もいなくなった部屋でひとり考え込む。最近、任務での不手際が目立っている。あの子自身がなにかしているとは考えにくい。転生者を送り込んできてるやつらがなにかをしてきている可能性が高いのはわかるが、どうにもそれだけではないような気がしてならなかった。

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