担任
さてと、下らない話に付き合わされて時間が思ったよりも押してる、急いで職員室に行くか。
あいつらに会う前に、担任を落としといた方がいいだろう。
「失礼します。すみませんが、清沢先生はいらっしゃいますか?」
軽く2回ノックをして尋ねると近くにいた教師が答えてくれた。どうもついさっき職員室を出て教室に向かったらしい。なら、まだ間に合うかな
「ありがとうございます。失礼しました」
急げ急げ!いまならギリ間に合うはず!
廊下を走って3-Aへ向かう
と、その途中に目的の人物を発見した。俺が探してたやつ、清沢 幸だ
あぶね、少しでも遅かったら計画がパーになるところだった。あのクソジジイ許すまじ
「あの!!清沢先生!」
めいいっぱい息を吸いこんで腹から声を出す
肩をピクリと揺らした清沢はこっちを振り向いたが、顔がこええよ。ちょっと声張りあげて呼んだだけだろ、んな怒んな。
「あ?何だよ」
何だよってまさかこいつ、転校生の顔把握してないわけじゃ、、、
「えっと、僕、今日から先生の生徒になる里江 秋です!先ほど職員室によったら先に教室へ向かったと聞いたので、慌てて追いかけてきたんです」
あったは、顔把握してないこともあったは。
相変わらずダメ教師貫いてんな
てか、いつまで悩んでんだよ!!
「転校生なんていたか」
おいこら、その転校生がお前の目の前で自己紹介してやっただろ、思い出せアホ
「せんせ、?」
仕方ない、さっさとこいつに対しての用事を済ませるかな。用事といっても、軽く色目を使いば終わりだ、コテンっとありきたりに首を曲げて上目遣いに問えば
「っ。ああ、思い出した、里江だな。報告は受けている」
ね?この通りよ
顔真っ赤にしてだらしないな、男が女みたいな仕草してるってのに、、ま、俺かわいーからな、仕方ない。初日はこんなもんでいいだろ
「よかったです!忘れられたのかと思って焦りました、もうすぐHRですよね?いきましょう」
先生の横にピッタリとくっついて、教室へ向かうことを急かした、その顔、アイツにも滅多に見せることは無かったよな。どうやら今の俺の顔はアイツよりお気に召されたようだ。その顔と言っても照れた困り顔みたいなもの、けど執念深く観察していた俺になら分かる
好意と言うのなの愛情を少なからず俺に持ったのだと