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二十三話、新しい日々で

◆◆

 夏休みが終わり、それまでに編入手続きが完了した。



「雫おはよー」

「うん、天音もおはよう。

 夏休みどこか行った?」



 友人の天霧天音から声がかけられる、小学校からずっと同じなのでもう親友といってもいいかもしれないくらいの間柄だ。


 ここ最近、おっぱいがさらに急激に大きくなったのかもはや爆乳である。



「ううん、特にはかなー。

 いつも通りだよ。

 強いて言えばママが雫の家でも言って神社の夏を味わえー、とかそんなくらいかな」

「ふふ、空理さんの心配も分かるな。

 天音、外でなさすぎだし」



 友人と簡単な世間話をする。田舎なので仲のいい人とは家族ぐるみの付き合いというか、よく話す間柄だ。



「そういえば聞いた? なんか転校生がくるみたいだよ」

「うん、知ってる」



 友人と夏休みこんなことがあったとか、こんなことがあったとか、そんな話をしていく間に、すぐ先生がきた。



「はい、じゃあ神坂(・・)さん、入ってきてくださーい」



 先生が簡単な挨拶をしてから、転校生の紹介となった。



「東京から引っ越してきました、神坂来夏です。

 よろしくお願いします」



 黒板に名前を書くらいか。

 そう、らいかは私と同じ学校に編入することとなった。

 名前に関しては少し前まで、来夏の名前がネットだったりにあがっていたので、それを警戒してだ。


 今は正直、ドラゴン騒動のほうがメインになっていて、来夏のニュースは過去のものとなっているが、念のためだ。



「ええと、神坂さんの席は……雫さんの隣ですね」



 神坂、という名字が二人いることで、周囲が少し困惑したが、それ以上にらいかの話題が勝っているのか、そっちに集中した。



「転校生かっこいいね……!」

「しかも東京から、なんかあか抜けてる感じがしていいな~」

「神坂さんがいるからそれを口実に名前呼びしてもいいよね?」



 らいかはなんというか、かっこいい。普通にモテる、あと年相応の子供らしさが薄い分、どこか大人っぽく見えるのもあるのだろう。



「へ、こんな田舎に超絶美少女がいて度肝抜いてるだろ」

「アルビノで、清楚の塊の神坂さんの隣に、男が…! 許せん」



 私は一応、アルビノということで通している。

 育ちはずっと日本で、母はあの愛ちゃんなので受け入れられるのは早かった。


 隣にらいかが座り、うれしくて、軽く微笑む。



「ああ、そうそう。雫さん、学校の案内をお願いしますね。

 ––––––婚約者と聞いてますので、知人でしょう?」




 ––––––そこで、先生から最大の爆弾が投下された。



「…へ?」

「え?」


「…にゃ?」

 


 唐突の暴露に、らいかと、友人の天音と、私は困惑の声を漏らして


 次いで


「「「婚約者あああああああ!?!?!?」」」



 クラスが絶叫にあふれた。

 うーん、この。



「婚約者なんだー、雫すごいねー。

 あと神坂さん…あ、来夏さんで大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫ですよ。

 よろしくお願いします、天霧さん」



 らいかと同じ学校に通えたのはいいけれど、他の女が寄ってこないかが心配だ…天音は爆乳なので、すごくモテるのもある。



「雫の制服姿…こうしてみるのは珍しいな」

「そうだね、いつも夏休みとか長期休みの時にあってたもんね」



 そういうとまた周囲が絶叫する。うーん、この。



「あ、雫が長期休みの時いっつも遊んでる人って来夏さんだったんだね」

「うん、三連休でも遊びに来るからね。らいか」

「大好きなので仕方ない」



 そうこうしている間に時間が過ぎ、あっという間に放課後になった。



「らいか、今日から一緒だね」

「ああ、そうだな」



 住んでるところが同じなので、帰り道も一緒だ。

 といってもらいかがどうせすぐバイトとか始めると思うのでそう長くはないのかもしれない。


 その間に堪能しておこう。



「そうだ、今日の晩御飯、ハンバーグにしよう」

「今日は叔母さんがいるからたぶん、作ってるだろ」



 帰り際、教科書をしまいながらそんな会話をする。



「あ、そだった。

 いつもの癖でつい聞いちゃったよ」



 愛ちゃんは今、家でお仕事中。

 家でもできる仕事を全部片づけたらまた海外に戻ってしまうらしい。

 その間、愛ちゃんが家事をするといっていたので、それに甘えているような状態になっている。



「でもね、もう今日はハンバーグの気分なんだ。

 もう決めたから、もう作るから」

「そういうところ本当に愛さんに似てき…っておい、玉ねぎのみじん切りを始めるな、つかどこから出したそれ」



 そんなことを話しながら、気が付けば家に着く。



「おかえり、雫」



 玄関に着くと、らいかが私に行ってくる。

 それが少し可笑しくて、少しだけ笑ってしまう


「うん、ただいま。

 らいかもおかえり」


「ああ、ただいまだ」



 こんな日常が、穏やかで楽しくて仕方ない。



「しずくー、帰ったら手を洗うんだぞー」



 愛ちゃんのそんな声が聞こえる。




「(ああ、ここが)」




 ––––––私の家なんだ。それがたまらなくうれしくて、仕方ない。

雫、本当に良かったなぁ………かわいい。


あと、この話で出てきた天霧天音という女の子は、いつか書く予定の作品のヒロインです、どすけべ女の子です。プロットはすべて練り終えた。

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