第65話 ミカエルの告白
獣王族の町の一件が片付いた後、スイッチが入ったミカエルに搾り取られたトーマ。
その最後にミカエルから結婚して欲しいと告白されたのだった。
「結婚して下さい」
いつもと違って真面目な表情のミカエルは小刻みに震えていた。
ミカエルと一緒にいるのは楽しい、ずっと一緒にいても良いとすら思う。
顔だって可愛いし料理も上手い、女の子らしいところもあって…可愛いんだ。
僕なんかには勿体無い女の子だと思う。
「本気なんだよな?一つ聞きたいんだけど僕のどこが良いんだ?弱いし別にカッコ良くもない、他の男より優れているとは思えない。」
「本気でそう思うんですか?トーマさんは優しくてカッコよくて…みんなの幸せを願う素敵な男性です。少なくとも私は…トーマさんが良いんです…」
そこまで思ってくれているのか、しかし…僕はミカエルを幸せに出来ないよ。
「ごめんな、僕には勿体無い可愛い女の子だし性格だって好きだ、ずっと一緒にいたら楽しいと思う。だけど結婚は出来ない。」
ミカエルは泣きそうになりながら答える
「そうですか…ユーカさんを選ぶんですね…わかりました…忘れて下さい…」
「違う、そうじゃない。僕は人間だ、何千年も生きる天使やフェアリーとは残された時間が余りにも違いすぎるんだよ…僕みたいにすぐに死ぬ人間の事は忘れてミカエルと同じ時間を生きていられる人と幸せになって欲しい。」
僕はミカエルやユーカ、ポメヤからすれば瞬きをするくらいの速度で死んでいくんだろう、数千年、ポメヤは不死身だ、いつか僕の事なんか忘れてしまうんだろうとたまに無性に悲しくなるんだ。
「あの…すぐに死ぬのと結婚できないのって関係なくないですか?急に何言ってるんですか?そんな事聞いてないんですけど…」
あれ、伝わらない?この僕の心の叫び。
結婚したところですぐ死んじゃうんだよ?そんな無責任な話ある?
「いやいや、だってミカエルって半永久的に生きるんでしょ?僕なんて長くてもあと80年くらいで爺さんになって死ぬよ?」
「そんな事分かってますよ!今聞いてるのはユーカさんと結婚したいのかって事ですよ!」
僕がおかしいの?なんかもう良くわかんないよ。
「その質問に答えるとすれば…今はちょっと分からない、僕はどっちも好きだし、選べと言われても選べない。」
「私の事好きなんですか?」
「好きだよ、こんなに良い子に告白されて僕は最高の幸せ者だと思ってる。」
「トーマさん!私も好きです!大好きです!!ユーカさんとも結婚しちゃえばいいですよ!王様なんだから!」
え?ありがちだけど良いの?そんな感じで。
「私もユーカさんは可愛いと思いますし、ユーカさんを不幸にしてまで結婚したくないので…そりゃあ独り占めにはしたいですけど…良いんです!良いって言ったら良いんです!」
良いの?そんなマハラジャみたいな事して。
「分かった、ただ答えは少しだけ待って欲しい、ほんの少しだけ時間をくれ。」
「良いですよ、でも考えてるうちに死なないで下さいね、トーマさん寿命短いんだから。」
そのジョークは洒落になってないよ…
話は落ち着いたので僕は王都に運んで貰った。
帰ってポメヤにこの話をしたらヒューとだけ言ってどこかに遊びに行った。
なんだよ人が真面目な話してんのに…
とりあえずユーカに会おう、水筒祭りが近いからな。




