第53話 いざハルモニア王国へ
ドワーフの町で休憩中、脚立から落下して死にかけたのが原因なのかポメヤは少年の姿に変身できるようになった。
お使いに出していたラクダも無事に合流し、フェアリーの国経由で王都まで帰る。
「お世話になったですぞー」
「またお風呂入りに来ますねー」
僕達はハナちゃん一家に別れを告げてフェアリーの国を目指す。
「ラクダもお疲れ様だったな、あとで好きなモノいっぱい貰えよ。」
ラクダの体力は無尽蔵だがご褒美も必要だろう。
「しかし慣れないなぁその姿…」
ポメヤは最近進化し、少年の姿に変化する事ができるようになった、しかも美少年なのがなんか納得いかない。
「まあ別にどっちの姿でも良いんですぞ、ただこっちの方が安定する、ラクダに乗る時はね。」
中身は変わらないしそんな気にする事でもないか、チビはチビだし。
そして特に何の事件もおこらずにフェアリーの国に到着したのだが、ちょっと今回はさっさとハルモニアに帰りたいなぁ。
ユーカ達には後でまた改めて会いにこよう。エリクサーの補充と金物屋、手分けしてさっさと終わらそうかな。
ポメヤは爺さんに会いに行くと言うので水筒を渡し、僕は金物屋に向かった。
「こんにちはー久しぶりですー」
「おお、トーマさん、お久しぶりです。王に会いに来たんですか?」
「いや今日はこの店に用があって…」
僕はこのフィギュアどう思います?いくらくらいで売れます?と単刀直入に聞いた。
「おぉ、これはこれは…すごいですね…5万から10万ベルくらいなら間違いなく売れそうですが…」
ですが?なんか引っかかる感じかな?
「僕の考えなので無視して貰っても良いんですけど、結構な大金なのでそこそこ裕福な人しか買えないですよね?でも手作業で作って二千ベルとかで売っても成り立たないというか…」
「つまりある程度の富裕層しか買わないって事ですか?」
「その富裕層の中でもこういった造形に興味がある人しか買わないですよ、見るのは良いけど買うのはちょっと…って感じで。」
そういえばドワーフの人も褒めてはいたけど買いたいって人は一部の人だったな。
「僕の人形はお祭り限定で国から結構な補助金貰えるので良いですけど、商売となると厳しいと思うなぁ」
これは盲点だった…僕はこのフィギュアが好きな部類の人間だったが、別に女の子の人形を家に飾りたいとか持っていきたいとかいう人達ばかりではないんだよな。
ちょっと反省しよう…先走りすぎた。
「高級思考も良いですけどいつか売れなくなると思いますよ?」
この店の金属のフィギュアもクオリティすごいけど景品にしてるだけだからなぁ、国から補助金あっての物だよな…ん?景品…景品かぁ
「あの、ちなみにこの木のフィギュアをパーツ別にすれば金型って作れますか?」
「できますよ、それくらいならすぐにでも。私のフィギュアもそうやって生産してますし。」
「金属以外でなにか型に流し込む素材とかありますか?安い感じので良いので。」
「それならシシ粘土という素材がありますね、そこら中で取れる粘土で熱で固まりますが強度はそれほど高くありません。でも確かにフィギュア用なら丁度良いかも。」
「じゃあそのうちにパーツ持ってくるのでお願いします!良いアイディアも貰いました。完成したらぜひ遊びに来て下さい。」
金物屋さんはそれは楽しみだと言って快く了承してくれた。
後はポメヤを回収して急ぎハルモニアに戻ろう。
ワクワクしてきたぞ。
絵画の店で永遠に喋るポメヤを回収…する予定だったのだが、爺さんは変身したポメヤと楽しそうに喋っている。
「おーい、帰らないのかー?」
「先帰ってて良いよ君だけ、後で迎えにきてくれればいいですぞ。それかニーアちゃんあたりにお願いして送ってもらうから、ホレ、これ水筒」
はぁ?まあ良いんだけど…迷惑かけんなよな。
僕だけ寂しく帰路につき、数日後、ハルモニアに到着したのだった。
「あれ、久しぶりですね、楽しかったですか?」
キリカさん…僕一応王様なんですけど…軽いっすね毎度。
「いやぁ色々ありまして…ところで王都に使ってない大きめの建物とかありますか?」
「昔の貴族の家とか倉庫とか大量に余ってますよ、一応国の建物なので私達が管理してますけど、欲しい人にはそれなりの値段で売ってます。」
「綺麗めな倉庫一個使って良い?大きい所」
「良いも何もトーマさん王だから好きにして下さい、あなたの国ですよ?」
ここで王様が生きてきたか、たまに役に立つなこの肩書き。
「ところで何するんですか?そんなところで」
「いや、僕はこの王都に…」
ゲームセンターを作るんだ!




