第52話 ポメヤの進化?
ドワーフの浴場の壁に絵を描いて欲しいと言われたポメヤ。
ポメヤが死にかけた以外は順調に進み、そろそろハルモニアへ帰ろうと思うのだ。
「そろそろラクダが来ても良いと思うんだけど」
「まあこの町居心地良いし多少遅くても良いですぞ、この風呂最高だし」
ポメヤが絵を描いた風呂は大盛況でいつも人で賑わっている。
何人かのドワーフとは世間話をする仲にまでなった。風呂って良いよな。
そういえば慌ただしくて忘れていたが猫族のフィギュア、ドワーフにも見てもらっても良いかも知れない。
風呂を上がった後に店主に相談、猫族の特産品の感想を聞きたいので食堂の一角を貸して欲しいと伝えたらご自由にどうぞとの事。
「ところで何を作ってるんですか?猫族って」
「これです、低級のゴーストなら跳ね返すくらいの石を使ってます。」
「へ、へぇー、便利ですね、ゴーストは怖いですもんねぇー、私も一体買っておいた方がいいな!いくらですか!?その一番胸が大きいのは!?」
「すみませんこれ見本なんで…あとで持ってきますよ」
店主は残念そうだ、分かるよ、これ欲しくなるよね、男なら。
食堂の端にフィギュアを並べて、食事をしに来たドワーフに感想を聞く。
「すげぇな、木だろ?これ、鉄は溶かせばいいが木は折れたら作り直しだからな…相当の腕だぜこりゃ。」
「関節どうなってんだ?全く違和感がねぇ」
「しっかし美人だな、欲しいなコレ」
ちなみにいくらくらいのが妥当だと聞いたところ、安くても2万ベル、交渉次第じゃ10万ベルでも売れると言われた。
僕達の金銭感覚はバグってるからな、貴重な情報だ。
そういやポメヤどこ行った?風呂上がってから見てないぞ。
【ポメヤサイド】
うーん…
ポメヤはいつもの喫茶店でアイスコーヒーを飲んでハナちゃんを待つ。
しっかしなんかこの前死にかけた時から背骨というか全身の骨がガックガック言うですぞ…結構痛い。
なんかムズムズするような…いや!痛い!何これヤバい爆発する!ぎゃわー!!
「大丈夫ですかポメヤさん!!」
マスターも寡黙なキャラを崩して叫びながら駆け寄ってきた。
「あれ、痛くないですぞ、良かったーなんかそれっぽいのが取れた感じ?」
マスターは信じられないといった顔をしてこっちを見ている。
「なんですぞ?僕の美しい顔に何かついてる?っていうか天井下がった?地面が上がったとか?」
何かがおかしい、僕は店の鏡で自分を見て…
「なんですぞー!!何がこうなんですぞーー!!」
鏡に映ったのは青い髪の少年、いや、美少年だ。
人間で言うと8歳くらいか?
僕は進化してしまったらしい。
しかし急に進化なんて聞いた事ない、みんな徐々に今の姿に変わったはずだけど…
なんか昔の姿が懐かしい…結構気に入ってたんだけどな…
ん?なんかいけそうな気がする。
僕は意識を集中して前の姿をイメージする。
今度は痛み無く、前の姿に戻った。
変身できるって事?試しにもう一回少年をイメージするとその姿に変わった。
何回かやってわかった事は、イメージで変身できて、姿は固定だと言う事だ。虎やライオンにはなれない。
マスターも落ち着いたようで進化なんて初めて見ましたと驚いてカウンターに戻っていった。
そしてしばらくしてハナちゃんが喫茶店に駆け込んできた。
「ごめんね!ポメヤちゃんの絵が人気で仕事中々終わらなくって…マスター、リンゴジュース下さい!」
「好評でなによりですぞ。そして僕さっき進化したんですぞ、進化」
「進化?何も変わってないよ?」
「ふっふ…今見せるですぞ、とりゃー」
僕は少年をイメージし、みるみる姿が変わっていく。
「ね、これ進化、すごくない?自由に変身できるんですぞ?」
ハナちゃんは口を開けて固まっている。
「おーい、褒めて欲しいですぞー!結構イケメンですぞー!」
「か…カッコいい!!小さいポメヤちゃんは可愛いけど今の姿超カッコいいよ!すごい!でも服は準備しないと…」
超とか言う娘だったっけ?
あぁ服ね、確かに丸出しだわウケる。
僕は魔物の姿に戻ってハナちゃんと服を買いに出た。
ハナちゃんの着せ替え人形にされたが最終的にでっかいTシャツ一枚で良いんじゃないかとなったのだ。
ズボンとか買うと変身した時に邪魔だからね。
ダボダボのTシャツを着てハナちゃんと手を繋いで歩く、なんか新鮮だ。
「ポメヤちゃんってもっと進化したら身長伸びるのかなー?」
「多分伸びるのでは?なんかそんな気がしますぞ」
「伸びたら色んな事出来ちゃうね!今から楽しみ」
色んな事ってなんだろ?大人のアレ?」
そして宿屋に着くとちょうどトーマが部屋に帰る所だった。
「帰りましたぞ!暇人は暇そうでいいですぞ」
「ん?ハナちゃん誰そのポメヤの継承者みたいな憎たらしい子供」
「失礼な!僕ですぞ!進化して変身できるんですぞ!」
僕はその場で昔の姿に戻って見せた。
「おわっ!本当にポメヤだったか、進化ってそんなに簡単にするもんじゃないだろ?何したんだ?」
「特に何も、まあ少し歩くスピード早くなったし出来る事も増えましたぞ。」
トーマは今更驚く事でもないかと理解を諦め、部屋に戻っていった。
「トーマさん、考えるのやめてたね…」
「まあ色々ありましたからな…」
その晩、ラクダが到着したと連絡を貰い、僕達はやっと帰路に着く。




