第49話 特産品が呪いの人形?猫族の町その2
「朝ですぞー起きなさいよ、帰るっつってんだろ」
「もう昼前じゃないか、結構寝たな」
今日はフィギュアを受け取って帰る日だ、今からとても楽しみだなぁ。
リーダーの家に行くと5体ほどのフィギュアが出来上がっていた。
おぉ…あの呪いの人形を作ってた人とは思えないくらいの出来だ。
ご丁寧に色まで…ありがとうございます!
「すごい出来ですね!これからの期待も込めて100万ベル置いていくので制作費の足しにして下さい」
「え?そんな大金を?良いんですか?というか大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですぞ、個人的に結構なお金持ってるから気にしないで頂きたい」
「じゃあありがたく頂戴致します。次回作も期待して下さい!」
「すごいね!これでこの町は安泰!私も呪術で石いっぱい作るね!」
タマも大はしゃぎだ、お金はこうやって使うに限る。
いやしかし良いなぁこれ…五体のフィギュアをまじまじと見てみると細部までしっかり作られている。
フルカラーで躍動感が増してる、この尻尾の生え際がなんとも…
僕がスカートの中を覗き込んでいるとタマがこっちを見ている事に気付いた。
「うん、じゃあ僕達はこれで…」
これは気まずい、しかし抑えきれない好奇心。
「トーマさんスカートの中見るの好きなんですか…?」
「トーマは胸よりもお尻が好きなんですぞ、見たら分かるこの性癖」
確かにそうだが言い方考えろ、いや…言う通りだけど…
「そうなんだ…じゃあ後で可愛い下着買わなきゃ…」
ボソっとタマが何か言ったが聞こえないフリをした。
「そういえばお母さんはどこか行ってるの?服作って貰ったとか言ってたけど。」
「お母さんは凄腕の呪術師なんだ、お祓いとかもできるから色んな町に呼ばれるの、どこかで会ったら宜しく伝えておいてね!少しドジだけど最高のお母さんなの!」
ドジ?まあどこかで会ったらお父さんも娘も元気ですって言っておくか。
それでは王都でお待ちしてますと手を振って僕達はラクダに乗る、普通に帰るか、このフィギュア部屋のどこに飾ろうかなぁ。
「フェアリーの国の金物屋に見せたらどうですぞ?あそこもフィギュア作ってるし」
「確かに、ミックスアップもあるかもしれないな、エリクサーの使っちゃったし補充してくか。」
ポメヤはフェアリーの国のお爺さんに会いたいのだろう、事あるたびに寄っていこうと言い出す。
「まあ爺さんについでに挨拶していきますぞ、ついでですぞ」
そうっすか、ついでにね。
少し回り道になるが別に急ぐ旅でもないしな、のんびり行こう。
数日後、フェアリーの国まであと3日で着くというくらいの距離まで来たのだが…
猫族が行き倒れてるな…しかもあの禍々しい服、完全にあの町の人だ。
「あの、大丈夫ですか?生きてます?」
「おーい、こんな何もない所で何してるんですぞー」
息はしている、一応生きてるみたいだ。
「み、水を…」
限界が近そうだ。僕達はキャンプを張って介抱する事にした、でもなんか見覚えあるんだよな…この猫族。
水と食事を取った猫族の女性はなんとか動けるくらいまで回復した。いやしかしすごい美人だ、本当にどこで見たんだっけ…
「助かりました…持ってきた水を無計画に飲んでいたら無くなってしまって…」
ん?
「食べ物も大して持っていないのに初日にお腹いっぱい食べちゃって…」
なんだ?この人…
「まあどこかで誰か助けてくれるっしょって思ってたらこんな事に…」
無計画すぎる…良く今まで生きてたなぁ、そしてこの人多分タマのお母さんだわ。
どこかで見た事あると思ったらフィギュアの一体が完全にこの人だ。僕はスカートの中身まで知ってるぞ。
「もしかしてタマのお母さんですぞ?ドジとか聞いてたけどなんかドジとかじゃなく無計画な大人って感じ」
「タマを知ってるんですか?仰る通り私はタマの母親のミタマです。あの子は元気にしてますか?」
僕達はバカ宗教の町からのタマとの旅を聞かせた。初めは心配そうに聞いていたが無事を知って胸を撫で下ろしている。
「ご迷惑かけてしまったみたいで申し訳御座いません、しかも王だなんて…親子共々お世話になりました。」
「いやお世話というほどでは、さっき話したフィギュアも手に入ったので僕の方こそお礼を言いたいくらいですよ。」
「トーマは毎日気持ち悪い顔で眺めてるんですぞ、痛々しい感じ、激痛」
そんな痛くないだろ、普通だ普通。
「あの、その私の人形って見せて貰ってもいいですか?」
特に問題はないので見せてみる、お母さんはまじまじと見て、下からも見ている、僕ってこんな感じに見えるのか…結構キツいな…。
「あの人ったらこんなに似せて作って、しばらく会ってないのに、ふふ」
嬉しそうだ、仲良いんだなぁきっと。
「スカートの中はこう作ったのね、ふふ、別に良いのに」
「ん?何かあるんですか?スカートの中に」
勢いで聞いたけど結構ギリギリの質問だな、自重しよう。
「トーマ…ここ最近やばいですぞ…お前おかしいんじゃねーの?」
「いえいえ、何もないですよ、こんな感じです」
急にミタマさんはスカートをたくしあげた。
え?何も履いてないの?
良いの?僕は良いけど
「基本的に履きませんよ、尻尾が邪魔ですしオシャレにはあまり興味がないので」
「オシャレなんですぞ?パンツって普通履くもんじゃ?」
「いえいえ、普通に尻尾邪魔ですし、猫族からするとオシャレ以外では身に付けませんよ」
そういうとミタマさんはスカートを元に戻した。
文化の違いか、でも今のは衝撃的なシーンだったなぁ、なんというか、ドストライクだった。
「トーマお前本当に自重するんですぞ、顔!顔!」
そんなひどい顔してたか?
とりあえずどうするか…この人このまま放っておいたらまた遭難するぞ。
「あの…このラクダ貸すんで普通に町まで帰って下さい、流石に心配なので…」
「え、宜しいのですか?それだと王様の移動手段が…」
「すぐ近くにドワーフの町があるのでそこに滞在します。ラクダにはドワーフの町まで迎えに来て貰えれば大丈夫ですし。」
助かりますとお礼を言われ、ミタマさんはラクダに乗って猫族の町へ輸送されていった。
これで大丈夫だろう。
「ドワーフの町は久しぶりですな、ハナちゃん元気してっかね」
お前仲良いもんな、まあ予定は狂ったけどドワーフの町で風呂でも入るか。




